離島の足「ターボプロップ旅客機」の客室空調 実は「大型機並み」!? RACの対策を取材

離島の足「ターボプロップ旅客機」の客室空調 実は「大型機並み」!? RACの対策を取材

RACのDHC8-Q400CC型機(乗りものニュース編集部撮影)。

新型コロナ感染拡大の影響で、「旅客機の客室空気の清潔性」は高いレベルであることが明らかになった一方で、注目されるのは、いわゆる大型機ばかりです。生活需要の高いターボプロップ機ではどうなのでしょうか。RACに取材しました。

公共交通機関でも屈指の「クリーンな環境」

 新型コロナウイルス感染拡大の影響から、航空便の利用者を中心に注目を浴びたのが、旅客機が持つ高い空気清浄能力です。

 JAL(日本航空)グループでは次のような説明を公式ウェブページ上で公開しています。

・飛行中、機内の空気は概ね2分〜3分で入れ替わり、清潔な空気で保たれます。
・機内を循環する空気は、高性能空気フィルターを通ることにより清潔に保たれます。
・客室内の空気は、常に天井から床下へ流れて特定の場所に滞留はしません。

 同社は、高性能空気フィルターの有効性について「0.3マイクロメートルのサイズの粒子に関して99.97%以上の粒子を捕集します。直径0.1マイクロメートル程度の新型コロナウイルスは、不規則な動きをするため、フィルター繊維にあたって捕捉されます」と説明しています。すなわち、旅客が静かに座っていれば、公共交通機関でも屈指の「クリーンな環境」といえるでしょう。

 とはいえ、こういったときに代表例として用いられるのは、ボーイングやエアバスといった会社が製造する、100人以上を一度に運べる大型のジェット旅客機です。対し、たとえば地方都市と離島間を結ぶような地域航空会社の、プロペラ推進のターボプロップ旅客機は、生活需要が高いにもかかわらず、それほどスポットがあたっていないという側面もあります。

 こういった地域航空会社の場合、どのような取り組みをしているのでしょうか。機内空間が大型機ほど広くない、ある意味で他者との間隔が詰まりやすい小型機ではどうなのか、JALグループで沖縄を拠点とするRAC(琉球エアーコミューター)便に実際に搭乗し取材しました。

RACのターボプロップ機の空気循環のスペックは? 利用時のポイント

 RACでは、JALグループの他の地域航空会社などと同様、空港スタッフやCA(客室乗務員)のマスク着用での接客をはじめ、一日のフライト終了後に、スタッフが機内消毒を実施するなどの対策をとっています。マスクを常に着用するようアナウンスがあるのも同様です。加えて、搭乗した12月の那覇発南大東行きのRAC便では、フライト時間が1時間弱のため、ドリンクサービスも中止されていました。ほかにもRACによると、機内清掃時のアルコール消毒、アルコール除菌シートの機内配備をしているといいます。

 同社では、50席仕様のターボプロップ機、ボンバルディア(現社名デ・ハビランド・カナダ)DHC8-Q400CC(カーゴコンビ)型機を使用しています。

 RACによると、「DHC8-Q400CC型機には、大型機同様、客室における空気の再循環時にウイルスなどを取り除く効果を有している高性能フィルターが装着されています。機内の空気は、3〜4分に1回循環、常時稼働しております。製造元によると、このフィルターは99.97%以上のウイルスなどを取り除くことが可能とされております」とコメント。

 ちなみに、とある航空会社の担当者は「旅客機の場合、設計基準で1席あたりの空気供給量が定められており、デ・ハビランド・カナダのDHC8-Q400もその基準に基づいている」といいます。つまり、その空気循環の性能は、ジェット旅客機とほぼ遜色ないレベルまで引き上げられているといえるでしょう。

 なお、JALと理化学研究所が実施した調査では「マスクの着用により、発生する飛沫を3分の1まで抑えられる」、そして「通常姿勢の場合は前列シートの背もたれがパーティションのような役割をしているが、リクライニングすると通常より飛沫が広範囲に拡散する」といった結果が発表されています。

 このような結果に基づくならば、旅客機のサイズの大小に関係なく「静かにマスクをつけて、座席を倒さず」というのが、最もリスクの低い搭乗方法といえそうです。

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