「青春18きっぷ」ユーザーに立ちはだかる「静岡県が長い問題」本当か? 検証してみた

「静岡県の長さ」が青春18きっぷ利用者の間で話題 緩和させる方法について解説

記事まとめ

  • 青春18きっぷを使って東京〜大阪間を移動する場合、「静岡県の長さ」が話題になるそう
  • 実際に検証したところ、静岡県内の電車が特に遅いのかというと、そうでもないという
  • 「静岡県内は快速がない」「座席がロングシート」などがそう感じさせる理由のよう

「青春18きっぷ」ユーザーに立ちはだかる「静岡県が長い問題」本当か? 検証してみた

「青春18きっぷ」ユーザーに立ちはだかる「静岡県が長い問題」本当か? 検証してみた

東海道本線の静岡地区を走る211系電車(恵 知仁撮影)。

JRの普通列車が乗り放題になる「青春18きっぷ」。これを使って格安で東京〜大阪間を移動する場合、よく話題になるのが「静岡県の長さ」です。本当にそうなのでしょうか。また、それを緩和する方法はあるのでしょうか。

東西に長い静岡県

 JRの普通列車が乗り放題になる「青春18きっぷ」。これを使って格安で、普通(快速含む)のみを利用し東京〜大阪間を移動する場合、よく話題になるのが「静岡県の長さ」です。

 東京都発だと、神奈川県、静岡県、愛知県、岐阜県、滋賀県、京都府、大阪府と都道府県を移動しますが、そのうち静岡県が長すぎる、というもの。本当にそうなのでしょうか。

 以下の乗り継ぎをモデルルートにして、検証してみました。

東京 0742(1529E)0931 熱海 0937(431M)1034 興津 1043(759M)1215 浜松 1225(943M)1259 豊橋 1302(2527F 快速)1432 大垣 1441(235F)1516 米原 1517(3487M 新快速)1642 大阪

 このうち、距離と所要時間を駅間ごとに各都道府県へ分けると、おおよそ次のようになります(都道府県境の区間は除外)。

東京都(東京〜品川):6.8km、8分
神奈川県(川崎〜湯河原):80.9km、83分
静岡県(熱海〜新所原):177.8km、192分
愛知県(二川〜木曽川):101.9km、80分
岐阜県(岐阜〜関ヶ原):27.5km、36分
滋賀県(柏原〜大津):72.7km、60分
京都府(山科〜山崎):19.6km、17分
大阪府(島本〜大阪):26.5km、19分

 東京〜大阪間の距離は556.4kmで、モデルルートの所要時間は9時間(540分)。静岡県はそのうち距離の32%、時間の36%と約3分の1を占めており、圧倒的です。

 しかし、静岡県内の電車が特に遅いのかというと、そうでもなさそうです。

「時代」を変えれば緩和される「静岡県が長い問題」?

 モデルルート各列車の表定速度(停車時間を含めた平均速度)を出してみました。

1529E(東京〜熱海):104.6km÷109分=57.6km/h
431M(熱海〜興津):59.7km÷57分=62.8km/h
759M(興津〜浜松):92.8km÷92分=60.5km/h
943M(浜松〜豊橋):36.5km÷34分=64.4km/h
2527F 快速(豊橋〜大垣):116.4km÷90分=77.6km/h
235F(大垣〜米原):35.9km÷35分=61.5km/h
3487M 新快速(米原〜大阪):110.5km÷85分=78.0km/h

 快速と新快速はワンランク上の速さですが、それ以外の普通列車はどれも60km/h前後で、もっとも遅いのは関東の列車という結果。そう考えると「静岡県が長い問題」は、やはり静岡県内の距離が物理的に長いことが大きいようです。

 しかし、次のように“時代”を変えてみると、その問題が様相を変えてきます。

相模国(戸塚〜湯河原):58.2km、65分
伊豆国(熱海〜三島):16.1km、14分
駿河国(沼津〜島田):81.6km、93分
遠江国(金谷〜新所原):69.5km、74分
近江国(柏原〜大津):72.7km、60分

 相模国や近江国も、距離・所要時間ランキング上位に顔を出してきました。実際、静岡県の経済圏や文化圏は、名前こそ同じ「静岡県」でも、この旧国名に近い形で現在も分かれているので、「静岡県」という概念をひとまず置いておけば、「静岡県が長い問題」が緩和される……かもしれません。

おすすめしたい「静岡県が長い問題」対処法

 ともあれ実際のところ、「青春18きっぷ」で静岡県は長いわけで、それをより感じさせる理由として、「静岡県内は快速がない(ホームライナーはある)」「座席がロングシート」なことも挙げられるでしょう。

 この「静岡県が長い問題」を緩和させる方法について、旧国名で考えることのほか、モデルルートにようにすぐ乗り継いで行くのではなく、どこかで乗り継ぎを1〜2本遅らせて地域の味覚を味わったり、散策したりして気分転換しながら行くのが個人的にはおすすめです。

 目的が「旅」ではなく「移動」である人、学生など金銭的に余裕がない場合は、「そう言われても……」かもしれませんが、気が向いたらぜひ試してみてください。「青春18きっぷ」や旅の楽しさが広がったり、発見や出会いがあったりするかもしれませんよ。

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