理由は「駅つくるので」 元カルフールのイオン閉店 背景にある大阪モノレール延伸計画

理由は「駅つくるので」 元カルフールのイオン閉店 背景にある大阪モノレール延伸計画

大阪モノレール(宮武和多哉撮影)。

「流通業界の黒船」と呼ばれたカルフールの店舗として開業し、広い売り場と独特のスロープ型エスカレーターで知られた「イオン東大阪店」が営業を終了します。閉店の直接の理由は、「駅ができるから」。背景には何があるのでしょうか。

「流通業界の黒船」だった現在のイオン、閉店は既定路線?

 大阪府東大阪市で営業を続けてきた「イオン東大阪店」が、2021年3月末をもって閉店します。この店舗は2003(平成15)年、フランスに本拠地を置く大型量販店「カルフール」として開店、多量仕入れによる安値販売から「流通業界の黒船」と呼ばれた業態の進出は当時大きな話題を呼びました。

 その後カルフールの日本撤退・法人としてのイオン傘下入りによって現在の店名に変更され、間もなく閉店の時を迎えるこの店舗ですが、今回の閉店は「大阪府から定期借用していた土地の契約満了によるもの」です。18年前の開店当初から、2022年には土地を大阪府に返すことが前提になっていました。

 実はこの場所、大阪モノレールの延伸計画の予定地上にあり、8年後にはモノレール「荒本駅」(仮称)の開業が予定されています。

 現在の終点である門真市駅から、東大阪市瓜生堂(うりゅうどう)地区まで8.9kmの区間で予定されている大阪モノレールの延伸は、2029年度開業とされています。

 新駅として設置される「門真南駅」「鴻池新田駅」「荒本駅」「瓜生堂駅」(いずれも仮称)は、いずれもJR学研都市線、大阪メトロ長堀鶴見緑地線、近鉄けいはんな線、近鉄奈良線など他社の鉄道線と接続する予定です。これら沿線から大阪モノレール本線の終点である大阪国際空港(伊丹空港)へのアクセスが容易になるだけでなく、延伸予定地では、今まで路線バスでも困難だった南北の移動・鉄道線どうしの乗り換えが一挙にスムーズになります。

モノレール延伸で「商圏」変わる?

 モノレールの建設予定地は、大部分が都市計画道路である中央環状線の余剰スペース上に計画されています。中央環状線にはすでに近畿自動車道の高架が形成されており、モノレールは荒本地区で高速道路のジャンクションを避けるように、いったん中央環状線から外れ、東大阪市役所の北側を抜けて荒本駅(現在のイオン東大阪店)に進入。店舗南側を東西に貫く阪神高速道路と交差し、また中央環状線に戻るコースが計画されています。

 2018年には、モノレール延伸に関する都市計画が決定済みで、2020年度からの用地買収と工事着手が予定されていました。その一環でイオンが閉店に至ったというわけです。

 イオン東大阪店の周辺には「イオンモール大日」「三井アウトレットパーク大阪鶴見」「ニトリモール東大阪店」などの大型量販店があり、2022年度にはモノレール沿線に「ららぽーと門真」もオープン予定です。モノレールの延伸が実現すれば、皮肉にもこれらの商業施設へ格段に足を運びやすくなります。熾烈な競争が予想されるなか、同店が営業に区切りをつけるのはやむを得なかったのかもしれません。

 ちなみに、イオン東大阪店はショッピングカートごと階を移動できるスロープ状のエスカレーター「オートウォーク」がひとつの名物でした。いまでこそコストコやイケアといった超大型量販店でも見られますが、比較的古くから設置していた店舗としては旧カルフールのほかにも、ハイパーマート(ダイエー系列)、ゆめタウン学園店、ダイエー甲南店などが挙げられ、いずれも現役で稼働しています。

※一部修正しました(3月30日12時10分)。

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