鉄道ファンは「58」がお好き? 妙に気になる二ケタ数字 なぜ選ぶ?

鉄道ファンは「58」がお好き? 妙に気になる二ケタ数字 なぜ選ぶ?

前面窓上にツララ切りを装備する現役時代のEF58形電気機関車89号機。「58」「89」の数字から同機を連想する人も多い(伊藤真悟撮影)。

二ケタの数字を見ると鉄道ファンは語呂合わせで鉄道に結び付ける傾向があるようです。それは車両の形式だったり、製造番号だったりといろいろあります。

選ぶ数字は車両形式や製造番号などさまざま

 鉄道ファンのなかには、二ケタの数字を見ると語呂合わせで鉄道に結び付けることがあるようです。

 例えば「1」から「75」までの数字のうち24個の数字が記載されているビンゴカードだったり、飲食店やスーパー銭湯などにある下駄箱で自分の好きな二ケタの数字を選んだりします。それは車両の形式であったり、車両の製造番号であったりと、年代によって連想するものはさまざまです。

 ここでは「00」から「99」までの二ケタの数字で連想する、鉄道に関するものを挙げてみます。

「00」

 数字の「0」は「ゼロ」または「レイ」とも読みますが、鉄道事業者では「コロ」と呼んだりします。そのため「00」は「コロコロ」となります。例えば、山手線の大崎駅を22時17分に発車する列車番号「2200G」の内回り電車は、「フタセンフタヒャクコロコロジー」と呼びます。「コロコロGの車掌、2号車でお客様ご案内です」といった業務放送で耳にすることがあるかと思います。

「01」「02」「03」「05」「06」「07」「08」

 営団地下鉄(現・東京メトロ)が導入した01系電車から08系電車を連想するようです。なかには「01」をについて、熊本電鉄の01形電車であったり、ドイツ国鉄の01形蒸気機関車を連想する人もいるでしょう。

「00」と同様に、運用番号として「01」や「03」といった数字を選ぶ人もいるかもしれません。運用番号とは車両の行程を定めた番号。山手線や京浜東北線などの首都圏のJRの電車区間を走る車両などは、二ケタの運用番号を用いて列車を運転しています。この場合は「ゼロイチ」や「ゼロサン」ではなく「コロイチ」「コロサン」と読みます。

10番台と20番台は?

 次に10番台と20番台を見ていきます。

「10」「12」「13」「14」「15」「16」「18」

 国鉄のディーゼル機関車ではDE10形とDD13形、蒸気機関車ではC10形とC11形、C12形、電気機関車ではEF10形やEF12形、EF15形、EF16形、EF18形などが挙げられます。客車では10系客車のオロネ10形(A寝台車)やオハネフ12形(B寝台車)、スハネ16形(B寝台車)、オシ17形(食堂車)をはじめ、快速「SLぐんまみなかみ」などに使われる12系客車や東武鉄道がJR北海道とJR四国から譲受した14系客車などもあります。

 EF18形は旅客用のEF58形電気機関車として製造していた31号機から34号機を、急きょ貨物用に転用した機関車。「18」は、1992(平成4)年から2005(平成17)年にかけて飯田線で「トロッコファミリー号」をけん引したED18形電気機関車もあります。

「20」「24」「25」「26」「27」「28」

「20」の数字はB20形蒸気機関車やキハ20系ディーゼルカーが挙げられます。さらに「24」「25」も含めて20系客車、24系24形客車や24系25形客車といった「ブルートレイン」の客車もあります。「26」は寝台特急「カシオペア」にも使われたJR東日本のE26系客車です。

「27」は「ニーナ」の愛称で鉄道ファンに親しまれているEF66形電気機関車の27号機です。27号機は唯一残ったEF66形の0番台で、国鉄色を維持しています。「28」は国鉄急行形ディーゼルカーのキハ28形。現在ではJR西日本からいすみ鉄道に譲渡されたキハ28形2346号車のみが現役で使われています。

30番台と40番台 忌み数もあり

 30番台と40番台はディーゼルカーが多いです。

「30」「35」「36」「37」「38」

 通勤輸送用ディーゼルカーのキハ30形、キハ35形、キハ36形、キハ37形、キハ38形が挙げられます。いずれも国鉄時代に製造されたディーゼルカーで、いまでもキハ30形とキハ37形、キハ38形は水島臨海鉄道で見ることができます。

「30」はEF30形電気機関車もあります。山陽本線の下関〜門司間を走行したステンレス車体が特徴の機関車です。

「35」「36」はEF58形電気機関車の35号機と36号機も該当します。流線形車体のEF58形は車体側面に窓が5枚ありますが、35号機と36号機は7枚窓となっている変形機ということで人気を博していました。

「37」はEF64形電気機関車の37号機です。EF64形0番台で残った最後の1両で、JR東日本高崎車両センター高崎支所に所属しています。2003(平成15)年4月に車体が茶色塗装となりましたが、2019年に青に前面下がクリームの塗装に戻されました。

「40」「41」「42」「45」「47」「48」

 40番台の「40」「45」「47」「48」は、国鉄キハ40系ディーゼルカーのキハ40形、キハ45形、キハ47形、キハ48形を連想するようです。キハ47形を除いて北海道から九州までの非電化路線に投入された車両で、小湊鐵道ではJR東日本で運行を終えたキハ40形2両を導入しています。

「41」は205系電車のクハ205-41、クハ204-41があります。1987(昭和62)年に山手線に投入された車両ですが、1990(平成2)年に帯の色を変えて埼京線に転じた編成の先頭車です。205系電車が他線区に転じた最初の編成でもあります。

「42」は同じく205系電車のクハ205-42とクハ204-42。JR東日本が山手線で6ドアの「他扉車」(サハ204形)を最初に組み込んだ編成の先頭車です。編成番号も「42」でした。「42」は「死に」と聞こえることから忌み数とされていますが、鉄道車両ではそうでもないようです。

 特定番号機では「45」でEF58形電気機関車45号機を連想する人もいるようです。45号機は両端の先台車が鋳綱製で、ほかのEF58形とは形状が異なっていたことから人気がありました。

50番台から60番台は多い

 50番台と60番台からは蒸気機関車やディーゼル機関車、電気機関車を連想する鉄道ファンが多いかもしれません。

「50」「51」「52」「53」「54」「55」「56」「57」「58」「59」

 50番台はすべての二ケタ数字が鉄道と結びつきます。車両の形式では国鉄が製造した直流方式の電気機関車EF53形やEF55形、EF57形をはじめ、ディーゼル機関車のDF50形やDD51形、DD54形など、蒸気機関車はC50形、D50形、D51形、C51形、C53形、C54形、C55形、C56形、C57形、C58形、C59形があります。

「51」の数字からは、寝台特急「あさかぜ51号」や12系客車や14系客車(座席車)などで運転された特急「つばさ51号」「はつかり51号」「金星51号」「明星51号」といった季節臨時列車を思い起こす人もいるでしょう。

 しかし、50番台の数字で最も選ばれるのは、EF58形電気機関車を連想させる「58」ではないでしょうか。

「60」「61」「62」「63」「64」「65」「66」「67」

 60番台も国鉄が製造した直流方式の電気機関車ED60形やED61形、ED62形とともにF型電気機関車のEF60形、EF61形、EF62形、EF63形、EF64形、EF65形、EF66形、EF67形が該当します。蒸気機関車のC60形、C61形、C62形もそうです。

 特定番号機では「60」「61」はEF58形の60号機と61号機を連想する鉄道ファンが多いようようです。最初からお召列車をけん引するために特別装備を施して製造された電気機関車で、とくに61号機は国鉄からJR東日本に承継された後もお召列車をけん引した実績があるなど、とても人気が高い機関車です。

70番台から80番台まで

 70番台は主に国鉄が製造した交流方式の電気機関車、80番台は交直流方式の電気機関車が該当します。

「70」「71」「72」「73」「74」「75」「76」「77」「78」「79」

 70番台はED70形、ED71形、EF71形、ED72形、ED73形、ED74形、ED75形、ED77形、ED78形、ED79形と、すべての二ケタ数字で国鉄の電気機関車が当てはまります(ED79形はJR貨物の50番台も)。

 特定番号機では、「77」でEF64形電気機関車の77号機が挙げられます。1986(昭和61)年10月、山梨県で開催の「かいじ国体」に伴い運転されたお召列車をけん引した機関車です。翌1987(昭和62)年4月にはJRが発足したため、国鉄最後のお召列車となりました。

 電車では、国鉄時代に横須賀線や新潟地区などで使われた70系電車やクモハ73形、クハ79形などの通勤形電車もあります。

「80」「81」「82」「86」「88」「89」

「80」と「81」は交直流方式の電気機関車EF80形とEF81形が代表例ですが、「80」では東海道本線などで使用された「湘南電車」こと80系電車や、四国を除く非電化区間で特急列車として使われたディーゼルカーのキハ80系があります。キハ80系にはキハ81形やキハ82形があり、「81」「82」でキハ80系を連想するかもしれません。

「81」はお召列車のけん引実績があるEF81形81号機もあります。「86」は「ハチロク」の愛称を持つ8620形蒸気機関車、「89」は「パック」ことEF58形電気機関車89号機です。

90番台

 最後に90番台の二ケタ数字を見ていきます。

「90」「91」「92」「93」「95」「96」

「90」には大井川鐵道が所有する電気機関車のED90形が挙げられます。現在、国内唯一のアプト式機関車です。

 それ以外にも「91」「92」「93」を含めて国鉄が製造したED90形、EF90形、ED91形、ED92形、ED93形電気機関車があります。いずれも試作車です。

 ED90形はED44形、ED91形はED45形として1955(昭和30)年から1957(昭和32)年にかけて国内初の交流電化線区(仙山線陸前落合〜熊ヶ根間)での試験用に製造された交流電気機関車。1961(昭和36)年に形式変更を行っています。

 ED92形は交直流方式の試作電気機関車ED46形を1961(昭和36)年に形式変更したもの。EF90形はEF66形電気機関車、ED93形はED77形電気機関車の試作機で、量産車の登場によりEF66形901号機、ED77形901号機となっています。

「95」は欧風客車「スーパーエクスプレスレインボー」(既廃車)にあわせた塗装が特徴の電気機関車EF81形95号機、「96」は「キューロク」の愛称を持つ9600形蒸気機関車です。

※ ※ ※

 以上のように列挙しましたが、もちろんこれだけではありません。鉄道ファンが好きな二けた数字は数多くあります。

 ちなみに国鉄では在来線で使用する機関車の形式番号について、以下のように定めていました。

■蒸気機関車
・10〜49 タンク機関車
・50〜99 テンダ機関車

■ディーゼル機関車
・10〜49 最高運転速度85km/h以下
・50〜89 最高運転速度85km/h超
・90〜99 試作車

■電気機関車
・10〜29 直流方式で最高運転速度85km/h以下
・30〜39 交直流方式で最高運転速度85km/h以下
・40〜49 交流方式で最高運転速度85km/h以下
・50〜69 直流方式で最高運転速度85km/h超
・70〜79 交流方式で最高運転速度85km/h超
・80〜89 交直流方式で最高運転速度85km/h超
・90〜99 試作車

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