半蔵門線の中間管理職? レア電車「08系」とは 世代交代の狭間にいる“営団生まれ”

半蔵門線の中間管理職? レア電車「08系」とは 世代交代の狭間にいる“営団生まれ”

直通先の東急田園都市線を走る東京メトロ08系電車(2021年5月、大藤碩哉撮影)。

東京メトロ半蔵門線に導入される新型車両18000系がお披露目されました。同車は約40年間使われた古参の8000系を置き換えますが、その狭間に、6編成だけ在籍する08系という電車があります。一体どんな車両なのでしょうか。

営団地下鉄最後の新型車両

 東京メトロが2021年6月2日(水)、半蔵門線の新型車両として18000系電車をお披露目しました。今後は計19編成を導入し、既存の8000系電車をすべて置き換える計画です。

 この18000系と8000系のほか、半蔵門線には東京メトロの08系という電車も所属しています。08系は全部で6編成しかないため、相互直通運転を行う東武や東急の電車も走るなか、乗車できる機会は多くありません。先輩と後輩を持つ08系はどのような電車でしょうか。

 08系は、東西線を走る05系電車8次車をベースに設計されました。運行開始は2003(平成15)年4月で、当時は営団地下鉄(帝都高速度交通営団)でした。翌2004(平成16)年4月に民営化され東京メトロとなるため、08系は竣工時を含め約1年間だけ、営団地下鉄に所属したことになります。08系の次に新形式の電車(副都心線用10000系)が登場するのは2006(平成18)年のため、08系は事実上「営団地下鉄最後の電車」といえます。

 デビュー年の2003年は、半蔵門線の水天宮前〜押上間が延伸され、東武線とつながった年でもあります。従来の東急田園都市線に加え、東武伊勢崎線との直通運転が始まりました。08系が導入されたのは、広域運転による電車本数確保の意味合いもありました。

 東武線との直通を前提に10両編成で製造された08系は、特に東武線内では急行など優等種別の運用に就くことになります。ここで高速運転ができるよう、10両のうち半分に当たる5両が動力車とされました。

搭載された各種機能・サービスは?

 屋根上を見ると、営団地下鉄の新造車としては初めて、架線から電気を得るパンタグラフに「く」の字型のシングルアームが採用されました。従来の菱形と比べ、軽量化とメンテナンス性の向上が図られています。

 また運転台にある車両情報管理装置では、制御装置やブレーキ装置といった機器の状態を常時監視。万が一の際には故障データの記録や収集を行います。客室内に流れる自動放送やドア上の案内表示器への指令機能も持つほか、上述の故障の際は、装置の復旧方法を乗務員へ知らせる支援機能などもあります。

 旅客サービスの面では、床面の高さを従来の8000系よりも60mm低くしバリアフリー化を図ったほか、全号車の車端部は優先席に。またすべての座席が、座面に凹みを持たせた幅450mmのバケットシートです。

 ドア上には案内表示器を設置。導入当初は字幕がスクロールするLEDタイプでしたが、2014(平成26)年頃から順次、LCD(液晶画面)へ更新されました。車両外側にある行先表示器も、当初は3色表示のLEDでしたが、同じ頃から多くの色を表示できるフルカラーLEDに更新されています。

 ほかにも、増加していた訪日外国人のニーズに応えるため、2018年頃より車内にフリーWi-Fiが設置されています。

 冒頭で述べた通り、新型18000系の導入本数は8000系の在籍数と同じため、08系はすぐに廃車とはならなさそうです。中央林間〜久喜・南栗橋間の約100kmを走破するロングランナーとして、まだしばらく活躍が見られるでしょう。

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