かしわうどんに「レモン」合う!? 九州駅グルメのド定番 65年越し新機軸が話題に

かしわうどんに「レモン」合う!? 九州駅グルメのド定番 65年越し新機軸が話題に

中央軒が営業する鳥栖駅ホームのうどんスタンド(宮武和多哉撮影)。

佐賀県・鳥栖駅の名物「かしわうどん」に新しいトッピング「レモン」が登場し、話題を呼んでいます。温かいうどんにレモンという一見ミスマッチな組み合わせは、食べてみたところかなり「アリ」でした。

社内からの疑問の声も…熱々のかしわうどんに「レモン」って!

 鹿児島本線と長崎本線の乗換駅である鳥栖駅では、駅弁製造業者「中央軒」が1956(昭和31)年の創業当初から、駅弁販売と並行して立ち食いうどん店の営業を続けています。店の名物「かしわうどん」は、かしわ(甘辛く煮てほぐした鶏肉)の旨味が染みたうどん出汁がとても印象的で、2日後・3日たっても思い出すほど後を引くうまさ。これを食べに、わざわざ鳥栖を訪れる人々も少なくありません。
 
 この鳥栖駅のかしわうどんが2021年7月現在、インターネット上で話題に。開業から60数年を経て登場した「かしわうどん+レモン」の組み合わせが注目を集めています。

 温かいうどんに、プラス80円(2021年7月現在)でスライスしたレモンをトッピングするというシンプルなものですが、中央軒のSNS担当者に伺ったところ、利用客からは「かしわ(肉)とも相性が良い」「さわやかな風味で食べやすい」「通常メニューにして欲しい」など、おおむね高評価なのだとか。発売後、まもなく有名YouTuberが来訪して「これは美味しい!」と太鼓判を押したことも、人気に拍車をかけたようです。

 聞いた限りでは意外に思える「かしわうどん+レモン」の組み合わせ、これは事務員の女性が考案したそう。当初は、「冷たいうどんならまだしも、温かいうどんにレモンは合わない」という意見が大勢を占めていたのだとか。普段から別の弁当用にレモンをカットしていた調理スタッフや売店スタッフ、そして当のSNS担当者までもが「合わない」で一致していたのが、実際に食べてみたところ一斉に「これはアリだ」という論調に変わったそうです。

アジアからの留学生はおいしさを知っていた

 筆者(宮武和多哉:旅行・乗り物ライター)が実食してみたところ、レモンの酸味でかしわの脂がさっぱりとして、鶏肉の旨味が引き立ち、レモンの皮の苦味もアクセントとなって想像以上に美味しくいただくことができました。

 温かいスープ+鶏肉の取り合わせにスライスレモンを合わせることで、ベトナムの麺料理「フォー」(鶏肉とレモンがよく用いられる)にも似たエスニックな味わいを感じた、というのは言い過ぎでしょうか。しかし、中央軒で働くネパールの留学生は、いつもかしわうどんにレモンを入れていたそうで、あながち間違いではないのかもしれません。

 このレモントッピング発売当初から行っていた「かしわ増量券」がもらえるキャンペーン(アンケートに答えた人のみ)は7月中に終了するものの、トッピングの提供はしばらく続けるそうです。ホームで営業する立ち食いうどん店としては九州最古の歴史を持つ中央軒も、現在は新型コロナウイルスの影響で鳥栖駅構内の4店舗のうち2店舗を休業せざるを得ない状況が続いていますが、そのなかで誕生した新しい味の取り合わせは、急がずとも一度は体験する価値があるのではないでしょうか。

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