なぜエアバスを? JALで増える”たぬき君”「A350」の2年 10機体制になった初づくし機

なぜエアバスを? JALで増える”たぬき君”「A350」の2年 10機体制になった初づくし機

JALのエアバスA350-900「JA10XJ」(画像:JAL)。

JALで10機目が就航した国内線次世代フラッグシップ機「エアバスA350-900」。もう珍しくはなくなっているこの機体ですが、実はJALにとっては初めてと異例がたくさんの旅客機でした。どのような機体なのでしょうか。

2019年9月就航開始

 2021年8月24日(火)の午前9時頃、JAL(日本航空)の那覇行き、JL907便が羽田空港を出発。この便は、20日(金)にフランスから日本に到着したばかりの、エアバスA350-900「JA10XJ」の投入初便となりました。

 機番の「10XJ」が示すとおり、この機はJALに導入された10機目のA350-900となります。初号機の就航開始(2021年9月)から約2年、このA350-900とはどのような旅客機なのでしょうか。

 A350-900は、ヨーロッパの航空機メーカー、エアバス社が手掛ける最新旅客機です。その全長66.8m、全幅64.75m。2021年現在のJALグループのなかでは、ボーイング777-300に次ぐ大きさを持つ旅客機です。JAL仕様機の標準席数は369。これは現在運航中のJAL機のなかでは、もっとも多くの旅客を運ぶことができます。

 外観上の特徴は、コックピットの窓が黒く囲まれていることと、曲線状に上に反り返る「ウイングレット」です。JALによると窓の黒塗りは「プロ野球選手がデーゲームの際に目の下を黒く塗っているのと同じ理由で、まぶしさを軽減させるため」としており、SNS上では「たぬき君」と呼ばれることも珍しくありません。

 実はこのA350-900、JALの歴史においても大きな転換点となった旅客機でもあります。エアバス社といえばアメリカのボーイング社と並ぶ世界の超巨大航空機メーカーですが、JALが同社から旅客機を新造導入したのは、このモデルが初めてです。

なぜJALは初めてエアバスを新導入したのか?

 JALでは、これまでのフラッグシップ機であるボーイング777シリーズの後継モデルとして、A350-900を国内線で、同シリーズの胴体延長タイプ、A350-1000を国際線へ就航させることを決定しました。

 導入時、JALの赤坂祐二社長は、導入の理由をこうコメントしています。「ボーイング777の置き換えを考えたときに、タイミング的にA350 XWBがマッチしました。ボーイングだから、エアバスだからということではなく、飛行機そのものの性能を見て判断しました」。なお、A350-1000については、2023年にデビューの予定です。

 なお、A350シリーズの場合、ロールス・ロイス社製の「トレント XWB」というエンジンを搭載しています。ロールス・ロイス社もプラット・アンド・ホイットニー社、ゼネラル・エレクトリック社とならぶ超大手メーカーですが、「ロール・スロイスのエンジンを搭載するJAL機」というのも、実はこのA350-900が初めてでした。

 この「トレントXWB」は燃費の良さが持ち味で、「もし国内線で1年間飛ばしたとすると、それだけで1機あたり2億円のコストを削減できる」(赤坂社長)としています。

次世代JAL機、これまでのものとどう違う?

 このJALのA350-900導入にかける思いは、様々な面から見て取れます。

 まず同機の導入に際し、国内線客室の仕様を従来から全面刷新。客室入り口にはJALのトレードマーク「鶴丸」があしらわれ、全席に個人モニターやUSBポート、電源コンセントを装備。シートの形状も全クラスで新たな仕様のものを導入しています。この新仕様は、2019年11月から国内線でもデビューしたボーイング787でも採用されました。

 また導入後は、各種タレントやアスリートなどとのタイアップ塗装でもこの機が積極的に選ばれる傾向にあります。2021年の東京五輪直前には6号機(JA06XJ)で、JAL史上初となる「金色の鶴丸」があしらわれた特別塗装機の運航をスタート。「すごいことになったぞ!」「ゴールデンJALはヤベェ」といった驚きの声も集まりました。

 新型コロナウイルス感染拡大下においても、JALのA350-900導入は途絶えることはなく続けられる予定です。燃費がよく従来機より客室の快適性が高い新型旅客機の導入を進めることで、運航コストの削減と、ビジネス需要を中心とした旅客の取り込みを狙います。

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