海外帰国後の「隔離生活」 体制に変化あり? 一律14日→接種者10日 両方体験した

海外帰国後の「隔離生活」 体制に変化あり? 一律14日→接種者10日 両方体験した

2021年8月の成田空港の案内掲示板(2021年8月、乗りものニュース編集部撮影)。

新型コロナの影響で続く「帰国後の自主隔離」。2021年10月から、ワクチン接種者に対しこの日数が緩和されました。8月と10月に2度、自主隔離を体験したところ、日数以外にも違いがありました。

そもそも帰国したあとはどうなるのか?

 日本では2021年10月末現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響をうけ、依然として帰国者に対し、入国後の自主隔離が必要です。ただ、この期間や内容については、10月から“規制緩和”の傾向といえるでしょう。

 2021年9月までは、入国者に対し帰国した翌日から一律で14日間、自宅やホテルなど所定の場所で待機が必要でした。10月からは所定の新型コロナワクチンを2度接種した入国者に対し、帰国翌日起算で10日目に所定の期間で検査をうけ、新型コロナ陰性となれば、11日目から開放となります。実際に2021年8月に14日間、10月に10日間の隔離を記者が受けました。

 まず最初に、帰国時の流れや隔離中の生活が、平時とどのように違うのでしょうか。旧、新で共通となる流れを、おおまかに見ていきます。

 日本へ入国するには、出国72時間前に滞在国の指定の医療機関でPCR検査などを受け、陰性証明書を入手して検疫所へ提出しなければなりません。日本の空港到着後は、入国審査前に、再度のPCR検査はもちろん、所定のコロナ関係の書類の記入有無、隔離期間中、状況報告などのために使用するアプリ「My SOS」などのインストール有無をチェックされ、アプリの操作方法も説明されます。

 その後、空港を離れ自前で、公共交通を除く所定の交通手段を確保し隔離場所に向かいます。隔離場所ではアプリ「My SOS」上で、状況や位置情報の報告を毎日実施します。内容は次のとおり。

・「入国管理センター」からのAI(人工知能)やオペレーターとのテレビ電話(AIの場合は会話の必要はなし)。最低1日1回で受電の時間はランダム。
・プッシュ通知を用いた現在位置の報告。1日2回ほど、プッシュ通知の時間はランダム(報告ボタンを押すとGPSで居場所を知らせるようになっている)。
・健康状態の報告(11時から14時までの間)

2021年8月版 旧・隔離生活

 まず2021年8月に体験した帰国後隔離については、出発地はハワイ・ホノルルで、到着空港は成田空港でした。

 到着は14時30分頃、そこから先述の入国前の手続きを踏みます。流れとしては各種書類のチェックなどを行いPCR検査を受けたのち、「My SOS」の操作説明などを受け、その後、結果が出るまで成田空港のとある搭乗ゲート内で1時間ほど待ちます。陰性の通知を受け取ると、バスで移動し入国手続きとなります。搭乗ゲートを出たのは、飛行機到着から4時間近く経過した18時30分前でした。

 一方で、当時の帰国後の14日間の隔離は、ウワサよりはるかに緩やかな“監視体制”ともいえるでしょう。このとき国内では、うなぎ上りで感染者数が増えていたためなのかもしれません。

 1日1回のテレビ電話は、このときの案内担当によると「基本的に通話は“一般的な勤務時間帯”で、出れない場合は次の電話が来るまで待っていれば大丈夫です」とのこと。また、「AIもしくは人間のオペレーターからかかってきます」と案内を受けたものの、全日がAIによるものでした。また、受電時間もおおむね10時頃から12時頃までに固まっており、出れなかった場合に再着信することもありませんでした。

 一方これらの体制は、10月になると明らかに変化していました。

10月の新・隔離生活 結構違いあった!

 2021年10月の帰国後隔離においては、出発地がフランス、到着地が羽田空港、到着時刻は15時頃でした。搭乗前に、自治体で発行できる「ワクチン接種証明」をコピーし持っておきます。

 まず、入国までに必要な時間は短くなっています。手続きの流れは、両空港とも大きな差はありません。ただ検査待ちの時間が明らかに短縮されているようで、全てのチェックや説明を終え、待機場所のベンチに座って10分少々で結果が出ました。そのまま徒歩で入国検査へ。到着口を出たのは17時10分ごろでした。成田と比べると「ワクチン接種証明」を提出するという作業が追加されているにも関わらず、数時間単位で短縮されています。

「My SOS」アプリによる”監視体制”も変化が。ひと言でいうと、厳格になったのです。

 10月の隔離は電話に出ないと、その後間髪を入れずに最大3回再着信が来るように。基本的にAI電話はお昼頃までに来る傾向は変わらなかったものの、このとき電話に出ないと、17時過ぎに再着信が来るようにも。ちなみに、当時の案内者によると「現在はほとんどAIによる通話となっている」とのことで、実際全日AI着信でした。

 ワクチン接種者を対象とした隔離短縮の通知と申し込みは「My SOS」上で行います。対象者には9日目の朝、その旨の通知が来ます。10日目は公共交通などを使わずに指定の施設で検査を受診。陰性通知を受け取ったら、写真やメールをサイト上にアップし15〜30分ほど待機すると「明日から待機が解除となります」という通知が来ます。

 ちなみに、この検査料は都内でも2000円から3万円以上とかなりの開きがあり、なかには「高いのに即日に陰性証明が発行できない」ところも。そうなると解除日も遅れるので注意する必要があります。

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 なお、14日間と10日間の隔離、たとえば土曜日から隔離開始であれば、前者は平日10日、後者は6日が隔離となります。出勤日ベースで考えると、体感的には「かなり短くなった」との印象を受ける人も多いようです。

 現在、ワクチン接種者に2度検査をしたうえ、さらに隔離をする現在の方針は、感染者数の激減に一役買っているのではという声もある一方で、海外と比べてこの体制は遅れをとっているという声も。後者は、とくに旅行業界を始めとする経済界を中心に聞かれ、一層の緩和に向けた動きも一部で報じられています。

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