JAL初ジェット機「DC-8」初号機の操縦席に潜入! 60年前の設備を徹底解剖 「眉毛窓」とは?

JAL初ジェット機「DC-8」初号機の操縦席に潜入! 60年前の設備を徹底解剖 「眉毛窓」とは?

JALのダグラスDC-8。写真はDC-8-53「JA8010」(画像:JAL)。

JALで初めて導入されたジェット旅客機「ダグラスDC-8」。60年以上前にデビューしたこの機の操縦席は、どのようになっているのでしょうか。初号機「FUJI号」のコクピットに潜入し、現在機とのさまざまな違いを見てきました。

「空の貴婦人」と呼ばれた名旅客機

 2021年に創立70周年を迎えたJAL(日本航空)。同社で初めて導入されたジェット旅客機「ダグラスDC-8」は、昭和の民間航空史における花形旅客機のひとつでもあります。

 JALのDC-8シリーズは1960(昭和35)年に1番機「FUJI号(機番:JA8001)」を導入したことを皮切りに、その後27年間にわたり、DC-8-30、-50、-60の各シリーズで計60機が使用(リース機含む)されました。

 DC-8シリーズについてJALは「『空の貴婦人』とうたわれた優雅なフォルム、卓越した性能」と評し、FUJI号を始めとする初期タイプ、DC-8-32については「長距離国際線を中心に一時代を築いた。客室に設けられた純日本風のラウンジや西陣織のシートなど「日本文化」を強くアピールしたサービスも評判を呼んだ」としています。

 JALでのデビューから60年以上たった2021年現在、もちろんDC-8の実機はすべて、同社から退役済みです。しかし、羽田空港内のJALの格納庫には、FUJI号の機首部分が展示されています。JAL協力のもと、この機首部分に入り、実物のコクピットを見ることができました。

 DC-8のコクピットは、その外観部分から現在JALで飛んでいる旅客機とは大きく違います。まず、窓がパイロットの目の前に加え、上側にもついているのです。JALによるとこれは「アイブロウ・ウインドウ」と呼ぶとのこと。直訳すると「眉毛窓」です。これは当時の航法のひとつ、星から現在の飛行位置を導きだす「天測航法」などに使用されていたそうです。

コクピット内部もいろいろ違った!

 JAL初のジェット旅客機DC-8「FUJI号」、そのコクピットの内部も、現代の旅客機とは大きく異なります。

 室内の座席は4つ。機長と副操縦士のほか、エンジンや計器の監視などを行う航空機関士、自機の現在位置・航路の測定などを行う航空士と、4人体制で乗務していました。コックピット内後方には、航空士専用の作業机、機関士が作業する計器類などもびっしりと並びます。

 ちなみに、現代のハイテク旅客機もコクピット後方に座席こそあるものの、操縦のための設備はなく、交代要員のパイロットなどが着座します。

 前方の操縦席もアナログ計器がずらりと並び、エンジンの出力を調整するスラストレバー前方には、大きなレーダーが備わります。ディスプレイが並び整然としている現代の旅客機とは、まったく異なる様相です。操縦かんの中央部分には「DC-8」の文字が。ロゴマークや字体が、年季を感じさせるものとなっています。

 座席横も、現在の旅客機との大きな違いが見られます。コクピット右席の窓際には、灰皿が鎮座します。後方のテーブルも灰皿完備です。「乗員がコクピットで喫煙している」という今では考えられない現象が、ごく当たり前だった時代もある――という名残でしょう。

 ちなみに左席の窓側には、灰皿はありません。かわりにほぼ同じエリアに設置されているのが、地上走行時に脚のステアリング操作に使うハンドル「ティラー」です。このティラーは現代の旅客機だと、両席に備わっていることが一般的で、左席のみというのも、DC-8ならではの仕様といえます。

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