新宿ダンジョンの極北「西武新宿駅」どう行けば? JR直結地下道の新設で本当に近くなるか

新宿ダンジョンの極北「西武新宿駅」どう行けば? JR直結地下道の新設で本当に近くなるか

西武新宿駅(乗りものニュース編集部撮影)。

新宿へ乗り入れる各線のなかでも離れた西武新宿駅を、東京メトロ新宿駅経由でJR新宿駅まで直結させる地下通路の建設計画が動きだしています。これにより本当に“近く”なるのでしょうか。いま西武新宿駅にはどう行くのでしょうか。

JR新宿〜西武新宿 ルートは?

 新宿へ乗り入れる各線のなかでも、ひときわ離れた位置にターミナルがあるのが西武新宿線です。西武新宿駅の位置は、JR新宿駅から北へ、直線距離でおおよそ400mほど。この両駅の“近道”となるであろう地下通路を新たに建設する計画が動き出しています。

 それは、両駅のあいだにある地下街「新宿サブナード」と「メトロプロムナード」を結ぶ140mほどの通路。2021年11月26日には新宿区から「新宿駅北東部地下通路線」として都市計画の決定告示がなされました。

 西武新宿駅が面している靖国通り直下の地下街が新宿サブナード、その南側の丸ノ内線新宿駅があるのがメトロプロムナードで、そこからさらにJR新宿駅東口の地下へ直結しています。サブナードとメトロプロムナードを新たにつなぐ区間は、もともと西武鉄道が新宿線の別線を建設し、その駅やコンコースをつくる計画を下敷きにしています。壁でふさがれているこの区間、本来であれば、20数年前に駅ができていたかもしれませんでした。

 現状でも、新宿サブナードとメトロプロムナードのあいだは連絡通路でつながっているものの、やや東へ迂回する必要があります。西武新宿駅からまっすぐメトロプロムナードへ行ける新通路ができると、地下のみで移動した場合の西武新宿駅(地下階出入口)〜メトロプロムナード間の所要時間は、約11分から約5分に短縮されるといいます。

 ただし、この「5分」というのは西武新宿〜JR新宿の乗り換え時間ではないうえ、国土交通省のデータなどから、地下通路の整備効果として西武鉄道が試算したものだそう。では現状、西武新宿駅からJRの駅まで公式で「徒歩何分」なのかと西武鉄道に聞いたところ、そのような数値は「発表していない」といいます。

 というのも、地上を行けば信号待ち時間もあるうえに、ルートがいくつも考えられるからだそうです。

最短経路はどれ? いや測定不能?

 乗り換え案内アプリで西武新宿駅乗り換えのJR線〜西武新宿線ルート(たとえば代々木〜下落合など)を調べると、「乗換案内」(ジョルダン)では駅間の徒歩時間として12分、「ナビタイム」では13分が考慮されていましたが、アプリやサービスによりその数値はまちまちです。

 実体験した人の声をインターネットで拾うと、6分強で乗り換えたという人もいれば、西武新宿から小田急の駅までですが、迷って30分近くかかった、などという人もいます。

 西武新宿駅員に聞いたところ、「改札を出て駅を下り、左手に見える靖国通りの横断歩道を渡っていただいて、地上を行かれるのが早いと思います」ということでした。確かにこのルートは、今後できる地下通路にもほぼ沿っていますが、靖国通りと新宿通りで2回の信号待ちがあるうえに、2つの通りのあいだは“まっすぐ”ではありません。

 一方で、「西口に回っていかれる方もいます」と西武鉄道の担当者は話します。これは駅員が説明したルートと異なるものです。

 西武新宿駅を出て右手にあるJRのガードをくぐって、新宿大ガード交差点に立つと、確かにJR新宿駅まで“まっすぐ”通じており、信号待ちもこの1回です。ある西武新宿線ユーザーの30代男性は、「山手線のホームがJRの駅の中でも西口寄りにあるので、山手線に乗り換える場合は西口に回る」といいます。

 しかしその男性によると、「帰り(JR新宿→西武新宿)は西口の地下を行く」とも。これには西武鉄道の担当者も頷きました。

 というのも、JRの改札を出ると地下道に直結しているため「どこで地上に上がろうかな」となるのだそう。結局、丸ノ内線新宿駅の西側をかすめて、都営大江戸線 新宿西口駅へ通じる階段を下り、コンコースの突きあたり近くにあるD3出口から地上へ出ることが多いといいます。階段を上がると、そこは新宿大ガード交差点です。

 このルートは、地下道内の随所にある「↑西武新宿駅」という案内に沿ったものです。新宿駅周辺は、事業者の垣根を越えて、統一的な案内やピクトグラムが表示されていますが、もしこれがなければ「都営大江戸線の駅の方に行っていいものか……」などと思うかもしれません。

じゃあ新地下通路のメリットとは?

 実際に歩いてみると、西武鉄道が「乗り換え時間は徒歩何分か正式に出していない」としていた理由がわかった気がします。どの路線に乗り換えるかでルートが異なるうえ、地下道と地上道路が並行しており、随所で上り下りも可能……信号待ちも考慮すると、徒歩時間の断定は難しいかもしれません。

 今後できる新たなルートも、本当に地上を行くより早いかは未知数なところもありますが、わかりやすさが向上するうえ、風雨に晒されずに済む点は大きなメリットになると思われます。

 ちなみに、西武新宿線とJR線との乗り換え駅は、一般的にはホームが山手線と並行している高田馬場駅です。それでもあえて、西武新宿〜JR新宿で乗り換える人が少なくありません。

 なぜなら、西武新宿駅から乗れば、夜のラッシュ時でも座れることが多いからです。このため、“朝は高田馬場で乗り換え、夜は新宿から西武新宿へ乗り換える”こともユーザーのあいだでは一般的。西武鉄道は、その利用法を2社以上にまたがる定期券でも可能にするICカード定期券「Oneだぶる」を発行しています。

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