昔は「コンコルド」専用! 英BA花形「1便」がなぜか小型旅客機に継承されたワケ

昔は「コンコルド」専用! 英BA花形「1便」がなぜか小型旅客機に継承されたワケ

ブリティッシュ・エアウェイズの「コンコルド」(画像:ブリティッシュ・エアウェイズ)。

旅客機の「便名」の決め方は、航空会社ごとに異なります。イギリスのBAではかつて「1便」「2便」を「コンコルド」に付与も、その後A318がこれを担当しました。なぜでしょうか。

A318で「BA1便」復活?

 旅客機の「便名」の決め方は、航空会社ごとに異なります。ただ「1便」「2便」は一般的に、会社それぞれの“花形路線”に付与される傾向にあります。たとえばJAL(日本航空)では羽田〜サンフランシスコ線へ、ANA(全日空)では成田〜ワシントン・ダレス国際空港線へ、それぞれ「1便」「2便」を付与しています。

 イギリスの大手航空会社、BA(ブリティッシュ・エアウェイズ)ではかつて「1便」「2便」を、かの伝説の超音速旅客機「コンコルド」運航路線のみに付与していました。1976年にBAで就航した「コンコルド」は、ロンドン〜ニューヨークJFK線へ同機を投入。ここに「BA1便」「BA2便」を付与し、特別な機内サービスも提供されるなど、まさに同社の花形的な路線でした。

 しかし、「コンコルド」は他社の航空事故を発端に、2003年に運航を終了。これにともなって、この便名は“欠番”扱いとなりました。

 ただその後、BAの「1便」「2便」は、ユニークな形で復活を遂げることとなります。

 「コンコルド」の退役後BAで「1便」「2便」を担うことになったのは、「ベビーバス」と呼ばれた小さなジェット旅客機、エアバスA318でのロンドン〜ニューヨーク線だったのです。

なぜA318が「1便」に選ばれたのか

 エアバスA318は、エアバス社のメガヒットシリーズ、A320の胴体短縮タイプにあたり、同社の歴史のなかでももっとも小型の旅客機です。BAはこの機を32席仕様のオールビジネスクラス仕様機とし、同路線に就航させました。なお、ロンドンといっても、玄関口として広く知られているヒースロー空港ではなく、より市街地に近いロンドンシティ空港発着便です。

 ロンドンシティ空港はヒースロー空港とくらべ、市街地へのアクセスに優れているものの、滑走路が短く降下角度が急であることから、就航できるジェット機は限られています。そこでエアバスは、通常3度の降下角のところを5.5度まで対応できる「Steep approach(急角度アプローチ)」の機能をA318に備えることで、同空港への就航を可能としました。ちなみにA318が、同空港に就航できる最大の旅客機です。

 エアバスA318「ベビーバス」で運航されたBAのロンドンシティ〜ニューヨーク便は裕福層のビジネスマンをターゲットにし、ニューヨーク行きでは経由地にて税関と入国審査を実施することで到着後の時間を節約できるなど、独自のサービスを掲げていました。ただ、新型コロナウイルス感染拡大などの影響で、こちらも運航終了となっています。

 ただ、コロナ禍のなか、「BA1便」が臨時便として特別に付与されたこともありました。2021年11月、ヒースロー→JFK線で「BA1便」が、エアバスA350-1000で復活。これは同日よりアメリカが、新型コロナワクチン接種を完了していることなどを条件に、イギリスからの渡航者受け入れ中止措置を600日超ぶりに解除したことにちなんでのものとされています。


※一部修正しました(1月20日10時14分)。

【映像】確かに急角度… ロンドンシティ空港への「5.5度着陸」を操縦席から

関連記事(外部サイト)