「ムカデかよ」ドイツ軍の新たな戦車用トレーラーが誕生! 防御力よりも操作性を重視

「ムカデかよ」ドイツ軍の新たな戦車用トレーラーが誕生! 防御力よりも操作性を重視

ドイツ連邦軍の新たな重量物運搬車SLT650(画像:ドイツ連邦軍)。

安全運転のサポートシステムも充実。

スウェーデン製だけど親会社はドイツ

 ドイツ連邦軍は2022年6月1日、新たな重量物運搬用のトレーラーとしてスカニアSLT650を導入したことを明らかにしました。

 スカニアはスウェーデンに本拠を置く商用車メーカーで、おもにトラックやバスなどを生産しています。大型トラックの分野では、ダイムラー(ドイツ)、ボルボ(スウェーデン)に次ぐ世界第3位のシェアを持っており、親会社はドイツのトレイトン・グループであるものの、このトレイトン・グループ自体が世界的自動車メーカーであるフォルクスワーゲンの子会社であるため、スカニアもフォルクスワーゲン・グループの一企業といえます。

 そのような商用車メーカーのスカニアが製造するSLT650は、出力650馬力(478kW)の水冷V型8気筒ターボ・ディーゼル(排気量1万6400cc)を搭載するトレーラーヘッドに、8つの車軸と計32輪のタイヤからなる多軸台車(トレーラー)を組み合わせているとのこと。これにより重量70tある「レオパルト2」戦車も楽に輸送できるそうです。

すでに1000km走って自走砲も運搬済み

 スカニアSLT650は、従来、ドイツ連邦軍が運用していた「エレファント」や「マンモス」と比べ、キャビンなどが装甲化されていないため、車重が軽く、小回りが利いて操作性に優れるなど扱いやすいのが特徴とのこと。

 乗員の防護力や悪路走破性は「エレファント」や「マンモス」より劣るものの、最前線で使うものではないため問題なく、舗装路を車列を組んで走るには向いている車両だとしています。

 またドライバーの運転をサポートするためのカメラやアシストシステム、快適性を向上させるためのエアコンや換気装置なども充実しており、さらに重量物を積載した際に高さが3.97mを超えるようなときは、最大50cmまで高さを変えられる車高調整機能も標準で備えているそうです。

 説明によると、すでにSLT650は2022年2月中旬、ロシアによるウクライナ侵攻の兆候を受けて行われたNATOの前方強化プレゼンスに関連して、リトアニアに戦闘部隊を送り込む際、ポーランドを横断する形で陸路1000km以上を、PzH2000 155mm自走榴弾砲を積んで走破したとのこと。このときは8両のSLT650(うちPzH2000を積んだのは7両)が用いられたそうで、その後も年5月にドイツ北部で行われた大規模実動演習「ヴェッティナー・ハイデ」で使われるなどして、その有用性を見せつけたようです。

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