リニア中央新幹線「岐阜県駅」工事スタート 地上駅では一番乗り 車庫直結の"3層構造"

リニア中央新幹線「岐阜県駅」工事スタート 地上駅では一番乗り 車庫直結の"3層構造"

「岐阜県駅」のイメージ図。いよいよ工事が本格開始(画像:JR東海)。

東京〜名古屋間で建設が進むリニア中央新幹線のうち「岐阜県駅」が、地上駅では初となる本格着工を迎えました。車両基地が近隣に設置される関係で、特異な駅構造になるといいます。

地上駅では初の本格着工

 沿線の各地で建設が進められている、東京〜名古屋間を結ぶリニア中央新幹線。その途中駅のひとつである「岐阜県駅(仮称)」において、本日2022年6月11日(土)、起工式が行われました。

 中央新幹線は最高速度500km/hで、先行開業区間である東京〜名古屋間をわずか40分で走破します。ちなみに東海道新幹線では、同区間の所要時間は最短で約1時間半。大幅な時間短縮となります。

 リニア中央新幹線の途中駅は、相模原市の「神奈川県駅(仮称)」、甲府市の「山梨県駅(仮称)」、飯田市の「長野県駅(仮称)」、そして中津川市の「岐阜県駅(仮称)」の4つ。そのうち神奈川県駅のみ地下駅で、残りが高架駅です。

 その3つの高架駅のうち、今回の岐阜県駅が、最初の着工となりました。神奈川県駅が着工した2019年11月から約2年半。いよいよ2駅目となる中間駅の工事が本格始動します。

 岐阜県駅の位置は、中央本線の美乃坂本駅のすぐ北側です。市中心部の中津川駅からは名古屋方面へひと駅隣にあります。岐阜県駅への所要時間は、東京駅から60分程度、名古屋駅から15分程度とされています。現在、名古屋から中津川までは特急「しなの」で約1時間。たったひと駅区間でも、やはり大きな時間短縮です。

 ホームはほかの駅とも共通の2面4線の構造。コンコースはぬくもりを感じられる、木材を使用した内装となる計画です。

 岐阜県駅の大きな特徴は、コンコース・ホーム・回送線の3層構造になっていること。設置予定の「中部総合車両基地」への回送線は、駅構内の名古屋寄りで分岐し、ホーム階の「屋根上」を走り、進路を変えていきます。

 東京寄りで分岐すれば、車庫から岐阜県駅ホームに直接進入できるのに……という疑問がありますが、それについては理由があり、JR東海いわく「車両基地と駅の高低差が大きく、勾配を緩くするために回送線を長くとる必要があった」ためだそうです。

 なお、市街地などでは、リニア中央新幹線の地上区間は、防音などを目的にドーム状の覆いが設置されます。岐阜県駅周辺も例外ではないのですが、岐阜県駅の天井を走る回送線には覆いが設置される予定はないとのこと。開業後の空撮映像では、回送列車がゆっくりと進む姿が丸見えになることでしょう。

現場に「建造物」が見え始める段階へ

 さて、工事の本格開始にあたって、現場では安全祈願の神事が行われました。厳かかな儀式の中、無事に着工を迎えられたことへの安堵の雰囲気もどこか漂っていました。

 駅本体は2024年度末に完成する予定です。その後、電気設備などの工事が進められ、開業を待つ状態となります。駅のほかにも岐阜県内では14工区のうち13工区がすでに工事契約済み。起工式の会場の真横ではすでにヤードが開かれ、中部車両基地への回送線の工事準備が着々と進められています。

 JR東海の金子 慎社長は「地域の方々をはじめ、多大なご支援とご協力をいただいてこの日を迎えられました。引き続き安全第一で工事を進めていきます」と話しました。

 地元である岐阜県の古田 肇知事は「世紀の大事業に取り組んでおられる」とJR東海へ敬意を表しつつ「『岐阜県駅』という仮の駅名も、どこかよそよそしい感じがするので、そろそろ、岐阜県の東の玄関口として親しみやすい、良い駅名を考えはじめてもよいのかなと思います」と話し、具体化するリニア新駅への”前のめり”な期待もにじませていました。

関連記事(外部サイト)