「路線バス本数かなり多い区間」東日本3選 多すぎて時刻表に書けない? 続々連節バス

「路線バス本数かなり多い区間」東日本3選 多すぎて時刻表に書けない? 続々連節バス

海浜幕張駅に停まる京成バスの連節バス。車種はメルセデス・ベンツの「シターロG」(2019年1月、乗りものニュース編集部撮影)。

路線バスが数分おきに、ひいては1日数千本が行き交うような区間が全国にあります。東日本には、3000本ものバスが通過したり、連節バスも次々運行されたりする区間もが在します。

通常のバスでは足りない? 「連節バス」もどんどん来る区間とは?

 路線バスが日に数百本、なかには1000本以上という区間が全国に存在します。2地点間で需要が多いところもあれば、単に多くのバスがそこを経由するから、というケースもあるなど、理由は様々です。今回は東日本で、そのような「バスがどんどん来る区間」を3つ紹介します。なお、運行本数などの数値は2020年2月末現在の平日ダイヤに基づきます。

幕張本郷駅〜海浜幕張駅(千葉市花見川区〜美浜区)

 JR京葉線の海浜幕張駅を中心に広がる「幕張新都心」は、4万以上もの就業人口を抱え、朝晩には最大で1時間あたり3000人という通勤ラッシュが発生します。この通勤輸送の一端を担うのが、JR総武線と京成線が接続する幕張本郷駅と、幕張新都心の各所を経由し海浜幕張駅とを結ぶ、京成バスの新都心・幕張線です。幕張本郷駅からは平日1日あたり片道200本以上運行され、日中でも1時間あたり11本、朝8時台なら52本というハイペースで運行されます。

 そして、この路線の特徴は車体を前後につないだ「連節バス」が多いことです。全長約18m、乗車人員も通常の約1.5倍というこの車両は、愛称を「シーガル幕張」といい、朝8時台に運行されるバスの半数以上に使われています。始発バス停では2列乗車に対応した広い乗車口から次々と人が乗り込んでいき、バス待ちの行列があっという間にさばけてしまいます。

 次から次へと連接バスが来るという光景は、中心部の道路幅が4車線から6車線ある幕張新都心ならではといえるでしょう。なかには、連節バスが来るまであえて待つ人もいるのだとか。幕張新都心には「幕張メッセ」や「ZOZOマリンスタジアム(千葉マリンスタジアム)」もあり、連節バスの強みはイベント開催時にも存分に生かされます。

1時間で片道100本超 時刻表もスゴイ川崎のバス停

 多くのバス路線がそこを経由するために運行本数が多い、という場所は全国にありますが、それが1日数千本に及ぶ区間もあります。

川崎駅前〜さいか屋前(川崎市川崎区)

 川崎駅東口の川崎駅前バス停と、次の「さいか屋前」バス停のあいだは、川崎鶴見臨港バスの13もの系統が集まるため、通過するバスの本数は平日朝7時台だけで片道100本以上、1日あたりでは往復で2000本を超えます。特に川崎駅前行きのさいか屋前バス停は、時刻表がびっしりと数字で埋め尽くされ、もはや何かの暗号を読んでいるかのようです。

 川崎駅の東側へ向かうバスは、工業地帯の通勤輸送を担っており、勤務時間も工場のシフトなどによってまちまちなためでしょう、朝だけでなく昼間も多く運行されているのが特徴です。

 川崎駅前を発車後、さいか屋前バス停がある「新川通り」ではなく、その北側の「市役所通り」を通行する系統もありますが、さらに北側で京急大師線が並行していることもあり、市役所通りは新川通りほどバスが多くありません。京急大師線と、南のJR南武線(浜川崎支線)のあいだの鉄道空白地帯へ向かうバスが、川崎駅前からさいか屋前のあいだに集中しているのです。

 多くのバスが通るさいか屋前バス停ですが、川崎駅までは400mほどで、目の前に見えているため乗降は多くありません。なお、バス停名にもなっている百貨店「さいか屋川崎店」は、2015(平成27)年に閉店しています。現在は跡地に新しい商業施設がオープンしていますが、名称の変更には負担が必要なこともあり、バス停は現在も「さいか屋」の名前を冠したまま、多くのバスを迎え続けています。

バス多すぎて時刻表はもはや記載不能? 東急沿線の路線バス集中区間

 東京23区内、渋谷駅の近くにも、路線バスが集中する区間があります。

三軒茶屋〜渋谷駅前(東京都世田谷区〜渋谷区)

 国道246号(玉川通り)は、渋谷駅とその西側の世田谷区などを結ぶ東急バスと小田急バスの 主要経路でもあり、各所に発着するバス路線が次々とこの道路から分かれ、また合流してきます。

 なかでもバスの便数が大きく増えるのは、世田谷区内の三軒茶屋交差点から東です。同交差点以西の国道246号は上下あわせて1日約750本ですが、ここでさらに、上町、成城学園方面へ発着する約870本が加わります。この時点でも1000本以上ですが、ここから東、渋谷駅までの約3.5kmのあいだで、周辺地域からさらに多くのバス路線が合流するのです。

 世田谷区三宿(みしゅく)では、南側の下馬方面に発着する約250本、その東の目黒区大橋では山手通りを経由する約500本のバスが、相次いで合流していきます。そして、渋谷駅を目前にした道玄坂上交差点で淡島通りなどを経由する約600本が加わり、すべてのバスが集まる道玄坂上〜渋谷駅間は、上下あわせて1日あたり約3000本まで膨れ上がります。

 東急バスの道玄坂上(渋谷駅行き)停留所の時刻表は、もはや細かく時刻が書かれず「2〜3分間隔」といった表記で済まされるほどです。もっともこれほどバスの本数があるのなら、時刻表を見る必要もないのでしょう。

バスの多さを活かした「鉄道・バス乗り換え」 田園都市線の「痛勤」解消へ

 国道246号の三軒茶屋〜渋谷駅間は、地下に鉄道(東急田園都市線)が並行しています。同線の混雑率185%にも及ぶ朝の「痛勤」を解消する手段として、東急が利用者へ提案したのは「鉄道とバスの乗り換え」でした。最混雑区間である池尻大橋〜渋谷間で有効な定期券を持つ利用者を対象に、平日朝のみ、三軒茶屋駅や池尻大橋駅からバスへ乗り換え、渋谷駅まで利用できるようにしたのです。

 この区間なら、ほぼ待たずにバスに乗れるだけでなく、渋谷駅の南西側に位置する大規模オフィスビルなどへ、渋谷駅まで行かずに最寄りバス停から向かうことができます。

 もともと2016年に期間限定で実施されたこの施策は、「時差通勤推奨」「早朝利用優遇」など、田園都市線の混雑解消に向けた数々の取り組みのひとつとして定着しました。なお、同サービスを利用するには鉄道の定期券購入時に手続きが必要です。

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 全国の「路線バスがどんどん来る区間」には、それぞれの事情があります。「待たずに乗れる」のはありがたいことですが、全国的に路線バスの乗務員不足は深刻な状況です。沖縄や新潟などでは、鉄道の延伸やターミナルの整備にともない、バスの本数や走行時間を減らす試みが実施されているなど、より効率のよいバス路線のありかたも模索されています。

※一部修正しました(3月17日15時20分)。

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