「新宿発の小田急」路線バスだとレア なぜか? 小田急バス長大路線「宿44」武蔵境行き

「新宿発の小田急」路線バスだとレア なぜか? 小田急バス長大路線「宿44」武蔵境行き

新宿駅西口、小田急ハルク前に停まる「宿44」武蔵境駅南口行き(2020年3月、中島洋平撮影)。

新宿にターミナルを構える小田急、しかし路線バスだと、毎日新宿に発着する小田急バスの定期路線は、たったひとつしかありません。その「宿44」系統は東京23区内でもトップクラスの長大路線ですが、もはやレアな存在になっています。

「新宿発の小田急」毎日運行の路線バスはたった1路線

 新宿駅西口から吉祥寺駅を経て、武蔵境駅までを結ぶ路線バスを、小田急バスが運行しています。「宿44」系統と呼ばれるこのバス路線は、運行距離18kmを超える、都内でもトップクラスの長大路線です。

 バスは新宿駅西口、小田急ハルク前の停留所から発車し、地下に京王新線が走る甲州街道(国道20号)を南西へ進みます。杉並区内で井の頭通りに入り、京王井の頭線に並行する形で吉祥寺駅へ。その後は南へ進み、井の頭公園の中を通過しつつ、地図上では三鷹駅を南へ迂回するように、武蔵境駅の南口までを結びます。時刻表上の所要時間は1時間15分です。

 新宿に鉄道ターミナル駅を構える小田急グループの一員である小田急バスですが、高速バス便が新宿駅から毎日多数、発車している一方、一般的な路線バスは「宿44」ともう1路線があるのみで、毎日運行となると「宿44」しかありません。

 というのも、新宿駅の南西側は京王電鉄バスグループの営業エリアだからです。この「宿44」の前身は、東京駅を始発ないし終着とし、新宿駅から武蔵境駅のあいだは現行のルートとほぼ同じという路線で、かつては京王、小田急、東京都交通局(都営バス)の3者が共同運行していました。そののち、地下鉄網の発達などにともない、京王と東京都交通局が撤退したという経緯があります。

 以後、都営バスのエリアである新宿駅以東を短縮し、甲州街道上では大部分において京王のバス停を共用する形で、小田急バスが単独で運行しているのです。

そもそも「小田急のバス会社」じゃなかった小田急バス

 では、小田急バスのおもな営業エリアはどのあたりなのかというと、神奈川県内では確かに小田急の鉄道線沿線が中心なのですが、都内では、吉祥寺や武蔵境と調布など、JR中央線と京王線のあいだが中心で、本社も調布にあります。

 小田急バスの前身は、武蔵野乗合自動車という、上記の都内エリアを営業していたバス会社で、小田急電鉄とは全く無関係でした。この会社を小田急が買収しグループ企業になったという経緯があるため、いまでも都内は、中心的な営業エリアが小田急沿線から少し外れているのです。

 ちなみにもうひとつの新宿を発着する路線は、「宿44」と一部同ルートで、6月の日曜・祝日のみ運行される、新宿駅西口とよみうりランドを結ぶものです。系統番号もないこの約20kmの路線が、小田急の路線バスとしては最長路線です。

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