「2000年製造の車両」5選 新幹線から通勤電車まで 人間でいえば大人の仲間入り

「2000年製造の車両」5選 新幹線から通勤電車まで 人間でいえば大人の仲間入り

700系をベースとして誕生したJR東海の923形「ドクターイエロー」(2018年9月、恵 知仁撮影)。

「ミレニアム」ともいわれた2000年から今年で20年。人間でいえば成人を迎えることになります。そこで、全国のJR、私鉄のなかから製造されて20年となる5形式の車両をピックアップしました。

「ドクターイエロー」も製造20年

「ミレニアム」ともいわれた2000(平成12)年。この年は、西暦の千の位が「1」から「2」に変わることで、コンピューターが誤作動を起こす可能性が指摘された「2000年問題(Y2K問題)」がありました。

 このため、一部の鉄道会社では1999(平成11)年12月31日から2000年1月1日にまたがって運行する列車をいったん最寄り駅に停車させ、異常のないことを確認して運転を再開するといったことが行われています。

 その2000年から今年で20年。人間でいえば成人となりますが、ここでは2000年に製造された鉄道車両のなかから5形式をピックアップして紹介します。

JR東海923形新幹線電気軌道総合試験車

「ドクターイエロー」として人気のJR東海の923形新幹線電気軌道総合試験車は、922形新幹線電気軌道総合試験車の後継として2000年に登場しました。

 922形は0系新幹線電車をベースとした車両ですが、東海道・山陽新幹線で300系新幹線電車や700系新幹線電車が増えたことで、最高速度210km/hの車両ではダイヤへの支障が懸念されたため、最高速度270km/hの700系をベースとした923形が誕生しました。

 20年が経過したいま、300系はすべて廃車。700系は山陽新幹線内のみとなり、東海道新幹線では最高速度285km/h(山陽新幹線内は300km/h)のN700系化が完了していますが、923形による測定は引き続き行われています。

 なお、JR西日本の923形「ドクターイエロー」は2005(平成17)年の登場です。

白いボディーと斬新なデザインで登場

 JRの特急形電車にも製造20年となる車両が存在します。

JR九州885系特急形電車

 JR九州の885系特急形電車は、2000年3月11日に博多〜長崎間を結ぶ特急「かもめ」として営業運転を開始しました。

 885系は、それまで787系特急形電車や485系特急形電車を使用していた特急「かもめ」の速度向上を目的として登場。曲線区間を485系や787系よりも速く通過できるように振子式車両として製造されました。先頭部は丸みのある流線型で、車体は白を基調としたのが特徴です。6両編成で、当初は前面の窓周りと車体下の帯は黄色でした。

 2001(平成13)年には、博多と大分方面を結ぶ特急「ソニック」用として5両編成がデビュー。「かもめ」用とは異なり前面の窓周りと帯は青色になり、前照灯の形状が変わりました。

 特急「ソニック」用の885系は、2003(平成14)年に6両編成に増え、「かもめ」用の885系と共通で使われるようになり、2012(平成23)年までに「かもめ」用だった885系は、すべて窓周りと帯が青色にそろえられています。

 2020年4月現在、885系は6両編成11本(66両)が特急「かもめ」「ソニック」に使われています。

首都圏を席巻した一般形電車も

 首都圏を走るJR東日本や私鉄の車両にも、製造から20年を迎える車両があります。

JR東日本E231系一般形電車

 首都圏の103系通勤形電車や115系近郊形電車などを取り替える目的で誕生したのがE231系一般形電車です。209系電車やE217系に続く標準型車両として、通勤・近郊タイプの基本仕様を統一しています。

 E231系は、1998(平成10)年10月に登場した209系電車950番台をベースとしており、通勤タイプの0番台が2000年3月13日に中央線・総武線各駅停車でデビュー。近郊タイプは同年6月21日から東北本線(宇都宮線)で営業運転を開始しています。

 通勤タイプはその後、0番台が常磐線快速電車と成田線に、500番台が山手線に、800番台が中央線・総武線各駅停車(東京メトロ東西線直通用)に投入。近郊タイプは高崎線、東海道線などに投入され、首都圏を席巻する車両となりました。

 中央線・総武線各駅停車では、山手線へのE235系電車投入で押し出された500番台が使用されるようになり、0番台は改造されて武蔵野線や八高線・川越線で使われています。

京王電鉄9000系電車

 京王電鉄9000系電車は、それまで使われていた6000系電車を取り替える目的で製造された車両です。

 9000系は、7000系電車、8000系電車に続くステンレス車体となりましたが、先頭部は鋼製となり、戸袋窓が省略されたのが特徴です。都営新宿線への直通運転も想定して前面には貫通扉が設けられています。

 2000年12月に8両編成2本(16両)が落成し、2001(平成13)年1月24日に営業運転を開始しました。その後、2004(平成16)年までに8両編成6本(48両)を増備。2006(平成18)年から2009(平成21)年にかけて10両編成20本(200両)が投入され、京王電鉄では最多数の264両となっています。

将来は8両編成化を予定

 首都圏を走る私鉄の車両で、もうひとつ製造20年となる車両を紹介します。

埼玉高速鉄道2000系電車

 埼玉高速鉄道2000系電車は、2001年3月28日の埼玉高速鉄道線赤羽岩淵〜浦和美園間の開業用として製造された車両です。

 2000年11月から12月にかけて6両編成7本(42両)、2001年1月から2月にかけて6両編成3本(18両)を製造。車体は、直通運転先の営団地下鉄(現在の東京メトロ)南北線9000系電車と仕様をあわせていますが、先頭部の形状は9000系と異なり平面になっているのが特徴です。

 営業運転開始は埼玉高速鉄道線が開業する前の2001年3月23日。直通先となる赤羽岩淵〜東急目黒線武蔵小杉間で行われ、開業前日まで埼玉高速鉄道線内は回送で乗務員訓練が行われたという、少し変わった経緯を持っています。

 なお、埼玉高速鉄道では、サービス向上と輸送力増強のために、2022年度上期予定で8両編成の列車を運転することを発表。2000系は順次8両編成になる予定です。

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