変幻自在すぎる「飛行機の主脚」上空でなぜ傾く? 傾き方もいろいろ JAL機の場合…

変幻自在すぎる「飛行機の主脚」上空でなぜ傾く? 傾き方もいろいろ JAL機の場合…

離陸するJALのボーイング767。主脚が前下がりの状態になっている(2020年3月、乗りものニュース編集部撮影)。

離陸直後や着陸前の旅客機には脚を出したまま飛ぶ場面がありますが、このとき主脚は地上にいるときと異なり傾いているのが一般的です。なぜ発生するのかJALに聞きました。また、傾き方も一筋縄ではいかないようです。

実は格納に不可欠な「主脚の傾き」

 旅客機は上空で、空気抵抗を減らすなどの目的から車輪をしまいます。

 主翼下につくことが一般的な旅客機の主脚は、エアバスA320型機やボーイング737型機など200席以下のモデルの場合、主脚1本に1対2輪の車輪、それ以上の座席数を持つモデルではおおむね主脚1本につき2対4輪となったスタイルが一般的といえるでしょう。

 空港のデッキからよく見かけるのは、離陸直後や着陸前などで上空でも車輪を出したまま飛ぶシーンです。そのときボーイング777型機やエアバスA350型機などをよく見ると、多くで主脚の形が地上とは変わる現象が見られます。飛び立った瞬間に主脚が機首側、もしくは尾翼側に傾くのです。

 JAL(日本航空)の整備士によると、この主脚の傾きは格納スペースの都合上、生じるものといいます。多くの旅客機では、胴体の中心部、主翼の付け根あたりの格納スペースに車輪を内側へ折り込むように主脚をしまいます。この際、限られた格納スペースに無駄なく、効率的にしまえるよう主脚に角度をつけるとのことです。

 同社によると、現在飛んでいる旅客用モデルの多くでは、前の車輪が下がった状態の角度でしまわれるよう設計されているのが一般的としています。同社で運航されているボーイング767型機、エアバスA350型機は地上から離れると前下がりの状態になり、そのまま格納されます。

ただ傾いてしまう…だけじゃない主脚の世界!

 これらと比べて少し変わった動きをとるのがボーイング777型機です。このモデルの主脚は、ボーイングの旅客機ほかのモデルの旅客機と比べて車輪の数が多く、1本あたり3対6輪とユニークで、そのしまい方も独特です。

 777型機は地上から離れたのち、まるでつま先を浮かせて立つように、いったん前方の車輪が上がった、前上がりの状態になります。その後、車輪を格納する寸前、前上がりの状態からほかのモデルと同様に前下がりに再調整され格納されるとのことです。なお、ボーイングの後継機である787型機も、同じように前上がりの状態から前下がりに再調整され、しまわれます。

 もちろんこの傾きはあくまで主脚をしまうスペースに合わせたものなので、すべて「前下がり」というわけではないようです。たとえばかつてJALの主力モデルだった「ジャンボ」ことボーイング747シリーズの主脚は、いわゆる777型の離陸直後と同じように前輪が前に上がった状態で、そのまま格納されます。

 また747シリーズはその大きさゆえ、2対4輪の車輪がついた主脚が、主翼下に2本、その後ろに2本という配置ですが、その傾き方、そしてしまい方も、効率的な格納のためこれまた独特です。主翼下のものは大きく傾きそのまま内側に折り込むように、後方のものは小さく傾き前方に振り上げるような形でしまわれます。

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