深夜にあふれるトラック 高速道路SA・PA 駐車マス増やしてもなぜ停められない?

深夜にあふれるトラック 高速道路SA・PA 駐車マス増やしてもなぜ停められない?

トラックであふれかえる深夜の海老名SA(画像:NEXCO中日本)。

高速道路SA・PAで駐車マスの不足が顕在化しています。道路各社は駐車マスの拡充に取り組んでいますが、それでも停められないことがあるのはなぜでしょうか。深夜はトラックがランプの路肩にまであふれる光景が見られます。

SA・PAの駐車マス 2年で2000台以上増

 2020年現在、NEXCO3社が主要な高速道路SA・PAにおいて駐車マスを拡充させています。特に大型車用の駐車マスが不足しており、2019年度は全国で約1350台分、2020年度はさらに約810台分が増える見込みです。しかしNEXCO中日本によると、東名や新東名などのSA・PAでは深夜を中心に、依然として駐車できないトラックなどが、ランプウェーの路肩まであふれるような光景も見られるといいます。

 全日本トラック協会もまた、ドライバーへのアンケートを行い、その声を自民党の議員連盟などに届ける形で、SA・PAや道の駅の駐車場拡充について要望活動を行っているそうです。NEXCO中日本によると、拡充が功を奏したところもあり、2018年度に大型の駐車マスがほぼ2倍に増えた新東名 静岡SA上り線では、ピーク時に80台分が不足していたところ、工事後は飽和状態がほぼ解消したといいます。

 しかしながら、たとえば東名では、港北PAや海老名SAといった都市部に近いエリアに混雑が偏る状況も見られるとのこと。こうした都市部に近いエリアほど、土地の制約上、駐車マスの拡充も難しいそうです。

 そして、駐車マスが足りなくなる大きな要因のひとつが、長時間駐車です。たとえば海老名SAでは、大型車6時間以上の長時間駐車が全滞在量(駐車台数と駐車時間を掛けた数値)の約6割を占め、とりわけ夕方から翌朝未明にかけて集中し、夜間の駐車マス不足を招いているといいます。

 NEXCO各社は、空いているエリアへの分散利用を促すため道路情報板の整備も進めており、本線上で先々のエリアの混雑状況を「満」「空」で表示し、エリア選択をしやすくしているといいます。それでもなぜ、大型車の長時間駐車が夜間に集中し、かつ都市部に近いエリアで多く見られるのでしょうか。

朝イチで荷物を届けるための時間調整 なぜ発生?

 全日本トラック協会によると、荷主である小売店や企業などからは「朝イチで荷物を届けてほしい」というケースが多いといいます。荷下ろし場所の近くで待機できないがゆえに、SAやPAで待機することになるとのこと。NEXCO中日本も、大消費地である東京へ時間に合わせて荷物を届けるには、目的地の近くで休憩したり、時間調整したりしようという意識が働くのだろうと推測します。

 このため全日本トラック協会は今後、荷主に対して入荷の時間をずらしたり、「トラック予約受付システム」を導入したりすることを働きかけていくといいます。

 この「予約受付システム」とは、同じ荷下ろし場所へ集まるトラックに、荷物の受付時間枠を複数提示し、「Aのトラックは6時00分に」「Bのトラックは6時10分に」と、到着時間を整理する仕組みです。ドライバーはスマートフォンなどを通じて、その時間枠のなかから到着時間を選択します。

 国土交通省によると、多くのトラックが似たような時間に到着するため、物流拠点では順番待ちによる渋滞が発生しているとのこと。受付順で処理されるので、受付開始と同時に車両が集中し、待機時間が1台あたり平均1時間45分発生しているというデータもあります。システムの導入により、ドライバーからは「時間が読めるようになった」という声があるそうです。

深夜割引のための時間調整も?

 一方、インターネット上などでは、高速道路料金の深夜割引を適用させるため、SA・PAで時間調整をしようとするのが原因ではないか、という声も見られます。

 深夜割引は午前0時から4時のあいだに高速道路を利用した場合に料金が30%割り引かれるというもので、確かに、0時に近い時間帯がとりわけ混雑しているというデータもあります。

 しかしながら、深夜割引は0時から4時のあいだに入場あるいは出場すれば適用されるうえに、混雑の要因となっているのは6時間以上の長時間駐車ということもあり、単に深夜割引が目的とはいえないと、NEXCO中日本は分析しています。

 このほかSA・PAでは、大型車マスに小型車が駐車する、または小型車マスに大型車が停車するなどの不適切な利用のために、本来駐車できる車両が駐車できない状況も発生しているといいます。このためNEXCO各社は、駐車マスの適正利用についての啓発も強化しているとのことです。

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