格差はっきり「地方版図柄入りナンバー」 熊本&福山人気 世田谷レア 今後は「全国版」も

「地方版図柄入りナンバープレート」創設から1年半 申し込み数1位と最下位で54倍の差

記事まとめ

  • 「地方版図柄入りナンバープレート」創設から1年半経つが低迷している地域もあるよう
  • 申し込み件数に大きな格差が生まれており、 トップと最下位で54倍の差があるという
  • 1位の熊本は、18年10月から20年3月までに購入された車の10%近くが申し込んでいるそう

格差はっきり「地方版図柄入りナンバー」 熊本&福山人気 世田谷レア 今後は「全国版」も

格差はっきり「地方版図柄入りナンバー」 熊本&福山人気 世田谷レア 今後は「全国版」も

熊本の図柄入りナンバー(画像:国土交通省)。

自動車の「地方版図柄入りナンバープレート」が創設されて1年半が経ち、申し込み件数が多いところもあれば、低迷しているところもあります。今後は地域ごとではなく、「ラグビー」「オリパラ」に続く「全国版」の創設も計画中です。

「地方版図柄入りナンバー」申し込み件数 トップと最下位で54倍の差

 2018年10月に、いわゆる「地方版図柄入りナンバープレート」の交付が41地域で開始されました。それから約1年半を経た2020年6月現在、申し込み件数に大きな格差が生まれています。6月22日10時現在の申し込み件数トップ5と、ワースト5は次の通りです。なお、申し込み件数は登録車と軽自動車の合計です。

●トップ5
・1位「熊本」(熊本県全域):1万8332件
・2位「福山」(広島県福山市ほか4市3町):1万2978件
・3位「愛媛」(愛媛県全域):7632件
・4位「奈良」(奈良県全域※):7563件
・5位「仙台」(仙台市):7509件
※2020年5月に橿原市など5市町村が「飛鳥」ナンバーに。

●ワースト5
・5位「平泉」(岩手県平泉町ほか2市2町):807件
・4位「佐世保」(長崎県佐世保市ほか3市5町):801件
・3位「杉並」(東京都杉並区):592件
・2位「越谷」(埼玉県越谷市):526件
・1位「世田谷」(東京都世田谷区):340件

 国土交通省の資料によると、熊本の図柄入りプレートは、特に軽自動車で、2018年10月から2020年3月までに購入されたクルマ(新車と中古車の両方)の10%近くが申し込んでいるそうです。この熊本と、最下位の世田谷とでは、申し込み件数で約54倍もの差がついています。

キャラクターで人気の熊本&福山

 熊本と福山の図柄入りプレートについては、交付開始当初から申し込みの好調ぶりが伝えられていました。というのも、熊本は熊本県のキャラクター「くまモン」が、福山はプロ野球「広島カープ」のキャラクター「カープ坊や」が、それぞれプレートのデザインに使われているからです。

「『走る広告塔』として地域の魅力を全国に発信する」という地方版図柄入りナンバープレートは、その趣旨から、地域の名所や風景、特産品、花、祭り、歴史などにまつわる複数の図柄が組み合わされたものが多くを占めます。なかには、ご当地キャラクターを使ったものもありますが、熊本と福山に関しては、有名キャラクターを前面に押し出したデザインであることが特徴といえるでしょう。

 熊本県の担当者は2019年5月の取材時、熊本ナンバーのデザインについて、複数案から県民投票で選んだものではあるものの、キャラクターの認知度の高さから、どの案でも「くまモン」の使用は前提だったとしています。

 また福山ナンバーの「カープ坊や」について福山市の担当者は、福山ナンバーの地域が複数自治体で構成されることもあり、名所や特産品を図柄にする案ではイメージが一致しなかったそうです。そこで、「そもそも福山ナンバーの地域が広島県にあることを知ってもらえるデザイン」として打ち出された側面があると話していました。

 ちなみに3位の愛媛ナンバーも、やはりキャラクターものです。県のキャラクター「みきゃん」、そして瀬戸内海と太陽がモチーフとされています。

東京近郊勢は「オリパラ」に敗北?

 一方、世田谷をはじめとする東京近郊のご当地ナンバーは、なぜ不振なのでしょうか。

 世田谷区の担当者は2019年5月の取材時、デザインが目立ったキャラクターを使ったものではないことのほか、地方版図柄入りナンバーに先行して、「東京オリンピック・パラリンピック」の記念デザインナンバープレート(以下、オリパラナンバー)が交付されていることも要因のひとつとして挙げました。

 オリパラナンバーは地方版図柄入りナンバーの1年前、2017年10月から全国で交付が始まりました。2020年6月22日時点で184万4267枚が申し込まれており、開催中心地である東京周辺においては、確かにバスなどでもオリパラナンバーをよく見かけます。

 ただし、その申し込みの9割近くは「軽自動車の白ナンバー」に集中しています。オリパラナンバーは申し込み時に寄付をした場合、図柄がプレート全面に描かれたものが、寄付なしの場合は、白地のプレートの右上に大会エンブレムが小さくあしらわれたものが交付されます。後者は、軽自動車でも普通車と同じような白のナンバープレートが得られることから、人気を集めているのです。

 そうしたなか、現在オリパラナンバーに次ぐ新しい「全国版」の図柄入りプレートの導入が国で検討されており、国土交通省の資料では、その図柄のテーマとして、「新しい生活様式の実現」「防災・減災」「オリパラレガシーの継承」といった取り組みのPRなどが挙げられています。

 また、「国民が付けたいと思うような」「格好良い」「自動車に似合う」デザインが必要とされており、プロのデザイナーにデザインを依頼すべく、協議を重ねているそうです。この新たな全国版図柄入りプレートは、2021年度、東京オリンピック・パラリンピック後にオリパラナンバーの交付が終了する時期に合わせての導入が予定されています。

 なお国土交通省自動車情報課によると、この全国版のデザインを検討しつつ、あわせて、既存の地方版図柄入りプレートのデザイン変更を認める検討も進めているそうです。

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