まるでボンネットトラック オーストラリアのみに「生息」する6輪式ランドローバーって?

まるでボンネットトラック オーストラリアのみに「生息」する6輪式ランドローバーって?

オーストラリア軍の特殊部隊が使用するランドローバー「ペレンティ」の6輪駆動型(画像:オーストラリア国防軍)。

日本では外国製SUVのブランドのひとつして数えられるランドローバーですが、南半球では、日本製エンジンを積んで独自の進化を遂げています。そのシリーズのなかでも特異な6WD型を見てみます。

日本製ディーゼルエンジンを搭載したランドローバーの誕生

 2020年4月、ランドローバー「ディフェンダー110(5ドア)」の最新型の受注が始まりました。同車は1947(昭和22)年にイギリスで誕生した4輪駆動車で、翌年に最初のタイプである「シリーズI」が量産を開始して以降、モデルチェンジを繰り返しながら70年以上にわたって生産され続けています。

 ランドローバーは、母国イギリス以外にも多くの国で軍用車両として用いられ、なかでもスペインやベルギー、オーストラリアなどではライセンス生産も行われました。

 オーストラリアでランドローバーの現地生産を請け負ったのはJRA(ジャガー・ローバー・オーストラリア)で、1983(昭和58)年に登場した先代「ランドローバー110」をもとにいくつかの改良を施した独自仕様でした。

 たとえばエンジン。本国生産のオリジナル車体では自社製の水冷直列5気筒ディーゼルでしたが、JRA製の車体では、いすゞ製の水冷直列4気筒ディーゼルが搭載され、シャシーも耐久性向上のために亜鉛メッキが施されていました。

 JRAでの生産は1980年代後半から1990年代後半までの約10年間でしたが、その間にさらなる独自改良型が誕生します。それが世にも珍しい、6輪型のランドローバーです。

「オオトカゲ」の異名を持つオージーランドローバーとは

 JRAがライセンス生産したオーストラリア軍向けのランドローバー110には「ペレンティ」という愛称が付けられていました。これはオーストラリアに生息するオオトカゲのことで、日本では「ペレンティーオオトカゲ」とも呼ばれます。

 ランドローバー「ペレンティ」は当初、本国向けの車体と同じく4輪駆動型が生産されますが、オーストラリア軍の要求に従い、積載量を増した独自仕様の開発も行われました。

 こうして誕生したのが6輪駆動型のランドローバー「ペレンティ」です。車軸が1軸増えて全長は1.3mほど伸びており、それに合わせて車幅も大きくなっています。性能は原型の4輪駆動仕様が最大積載量1t、牽引重量0.9tなのに対し、6輪駆動型では最大積載量2t、牽引重量1.5tに増加していました。

 また積載量や車重の増加に合わせ、エンジンはターボ付きのいすゞ製ディーゼルに換装され、出力も60kwから90kwに向上しています。

 この6輪駆動型のランドローバー「ペレンティ」は大きな積載量を生かして、シェルターを搭載したり、救急車仕様が製作されたりしたほか、特殊部隊向けの長距離偵察仕様も生まれています。

 ちなみに6輪駆動はオーストラリアの独自仕様ですが、ランドローバーの母国イギリスでは、キャブオーバー型やハーフトラック型といった、これまた一風変わった仕様が作られています。

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