「公共事業でウーバーイーツ」に手応え 手数料・配達料ゼロ 三方良しサービスの背景

「公共事業でウーバーイーツ」に手応え 手数料・配達料ゼロ 三方良しサービスの背景

「デリバリー三鷹」の配達員(画像:三鷹市)。

飲食物のデリバリー需要が高まるなか、自治体がその車両や人員、配送センターまで用意して行うウーバーイーツのような事業が始まりました。店舗側の手数料も、配送料も不要。自治体側は手応えを感じているようです。

デリバリーで飲食店、市民、そして学生も支援

 新型コロナウイルスの影響により、「ウーバーイーツ」など飲食物のデリバリーサービスに注目が集まるなか、東京都三鷹市が「三鷹版ウーバーイーツ」ともいえるサービス「デリバリー三鷹」を2020年7月20日(月)からスタートしました。

 市内飲食店の弁当やテイクアウトメニューを、自転車で市内の利用者宅へ届けるサービスです。三鷹市が特定会社「まちづくり三鷹」に委託する形で車両などを揃え、配達人員を雇って行うもので、市の「新型コロナウイルス感染症 緊急対応方針」に基づく公共事業です。飲食店側の手数料も、利用者側の配達料も無料となっており、品物の代金のみで1品から配達できます。

 同様の取り組みとしては、東京都文京区で4月から行われている「文京ソコヂカラ」が挙げられますが、こちらは7月末で終了予定。一方でデリバリー三鷹は、年内までの実施が確定しているそうです。また、文京区では区民の有償ボランティアが配達を担っているのに対し、デリバリー三鷹は学生を配達員として雇っていることが特徴だといいます。ちなみに時給換算で1400円で、就業にあたり自転車安全講習を受講しているとのこと。

「新型コロナウイルスの影響を受けた飲食店の支援、市民の皆様からのデリバリー需要、そして、アルバイト先の休業などで収入が減少している学生の就労をカバーするという3つの目的があります」(三鷹市 生活経済課)

 デリバリー可能な飲食店は、おもに個人経営の店など地場の飲食店およそ30店舗。市は5月に「三鷹弁当マップ」と題した市内飲食店のテイクアウトメニューを紹介する印刷物を発行しており、デリバリー三鷹の加盟店も、その掲載店舗が中心だといいます。

「現金のみ」だが、これには理由も

 外出自粛期間中、市民からは「3食用意するのが大変」「スーパーへの買い物は“密”が心配」といった声が寄せられ、デリバリーへの需要が高まるなか、飲食店側からは「デリバリーに人員を割けない」といった声があったそうです。また、飲食店がウーバーイーツなどのデリバリーサービスに登録申請をしても、回答がなく、サービスをすぐに始められないケースもあったそう。こうしたことも、三鷹市が自らデリバリーサービスを始めるに至った理由だそうです。

 サービス開始から1週間が経った7月27日(月)時点で三鷹市に聞いたところ、「かなり好評で、もう少し配達スタッフを増やす必要があります」(生活経済課)と、手応えを感じているようです。就職の内定が取り消された学生など、困窮した若年層の追加採用を見込んでいるといいます。また実施期間についても、状況を踏まえて年内から延長する可能性もあるとしています。

 なお、デリバリー三鷹の注文は、ウェブサイトあるいは電話で受け付けられます。配送時間は4区分あり、「昼便」が午前11時から12時、12時から13時、「夜便」が17時から18時、18時から19時です。ウェブサイトでの注文は前日まで、電話での注文は昼便が10時、夜便が15時の時点で打ち切られ、そこから各飲食店へ注文内容を連絡、配達員が配送センター(三鷹産業プラザ)から店舗へ料理を取りに行き、各家庭へ配達します。

 支払いは現金のみだそうですが、これには、飲食店へ迅速にキャッシュを届ける目的もあるとのこと。その日の注文の収入は原則、その日のうちに飲食店へ分配されるそうです。

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