兵庫県姫路市の珍スポット 自虐投稿で話題の「だ〜れも知らない太陽公園」行ってきた<城のエリア編>

兵庫県姫路市の珍スポット 自虐投稿で話題の「だ〜れも知らない太陽公園」行ってきた<城のエリア編>

「城」と「石」のテーマパーク 太陽公園(兵庫県姫路市)

 兵庫県姫路市にあるテーマパーク「太陽公園」をご存知でしょうか。山陽自動車道を車で走っていると、山の上に建つ白いお城に見覚えのある人は少なくないかもしれません。でも、訪れたことがある、というとまた別の話で……。ある日「だ〜れも知らない太陽公園」と公式Twitterがつぶやいたのを目にした筆者、どんなとこだったっけ?と実際に行ってみることにしました。

【注意】
記事を執筆するにあたっては「太陽公園」を2回にわけて取材しています(敷地が広すぎて1回で終わりませんでした)。このため記事自体もWEB記事にはあるまじき文量があります。お急ぎの方はブックマークを、そうでない方は飲みもの片手にゆっくりお読みください。なお、本稿は前後編のうち前編の「城のエリア編」です。

■ 「だ〜れも知らない太陽公園」自虐ツイートがきっかけで訪問

 2020年10月のある日、記事になる「ネタ」を探してTwitterを徘徊していた筆者がふと目にしたつぶやき。実は筆者、幼少の頃両親に連れられて、何度か太陽公園を訪れたことがありました。ただし、それはもう20年以上も前の話です。

「だ〜れも知らない太陽公園。どうやったら遊びにきてくれるのかなぁ、ここにテーマパークがあるってどうやって知らせればいいのかなぁ。試行錯誤しながらの毎日ですが、応援してくれる人も増え『これで5回目だよ』と車椅子で訪れてくださった紳士。『がんばりや!』が忘れられません #太陽公園」

 「懐かしいなあ。太陽公園ってまだあったんや」と、失礼ながら“元地元民”として、それが率直な感想でした。しかしこの投稿には、多くの方が反応。そしてそこには、「コスプレ」「勇者ヨシヒコ」「牙狼」といった単語がズラリ。

 ん?太陽公園にそんな要素あったっけ?……と気になった筆者。「思い立ったが吉日」とばかりに、直接出向き、取材してみることにしました。

 兵庫県姫路市の北部、打越という地区にある太陽公園。筆者は、のどかな田舎道をブロロ……と車を走らせます。

 ちなみに姫路というところは、世界遺産でもある国宝「姫路城」からJR姫路駅にいたる平野部の一帯が古くからの城下町であり、中心市街地を形成しています。しかし太陽公園のある「打越」は、そこから車で30分ほど離れた場所。周囲は山に囲まれ、のどかな風景が広がっています。

 そんな中で、見えてきた立て看板。そして見上げれば、姫路城とは全く異なる「洋風建築」のお城が威容を見せています。その姿は20年前と何ら変わっていませんでした。

 変わらぬインパクトの強さに、思わず「相変わらずパンチのきいた城や……」

 付近のコンビニに車を止め、その雄姿を撮影した筆者。今回、一般道にて太陽公園に向かったのですが、山陽自動車道の姫路西ICから車で約5分という好立地ということもあり、高速道路からも白い西洋風のお城を目にすることが出来るそう。それを編集部のメンバーから聞かされたのですが、逆に“地元”の人間としては、初耳でありました。

■ ドイツの城を模した「白鳥城」がシンボル

 さらに車を走らせること約10分。駐車場に車をとめ歩いていくと「太陽王国 白鳥城」と記された城門がお出迎え。「洋風建築」のお城こと、ドイツのノイシュヴァンシュタイン城を模したという「白鳥城」もハッキリその姿を拝めます。「白鳥城」というのは、姫路城の別名が「白鷺城」なので、同じく白い鳥をモチーフにしたのかなと思いきや、ノイシュヴァンシュタイン城がドイツ語で「新白鳥城」という意味だからのようです。

 さらに進むと、ノイシュヴァンシュタイン城にちなんでか、日本とドイツの国旗が掲揚されていました。奥の方には大きな犬や鶏のオブジェ。

 黄土色と赤茶色で壁面が彩られたウェルカムハウス「スワン」が見えてきました。「変わってないなあ……」と、思わずポツリと声が出てしまうほど20年前と変わらない姿。古びた感じになっていないのは、しっかり手入れされているということかもしれません。

 スワンは1階部分が「障がい福祉サービス事業所 スワン」となっており、就労継続支援B型事業として身体障がいの方、知的障がいの方、精神障がいの方がパン屋のほか、喫茶コーナーやお土産コーナーで勤務しているとのこと。お土産コーナーでは、福祉サービス事業所の利用者さんが制作した商品などを販売しているそうです。

 スワンを出て、城へと向かうモノレールに乗った筆者。ちなみにこれは、筆者が幼少の頃訪れた際にもありました。経年劣化で、ほんの少し錆びの浮いた車両を見て、思わず「懐かしい!」という気持ちに。


■ 白鳥城に入城

 乗車すること約5分。斜面を登って、白鳥城前に到着しました。しかしその外観は、以前と変わっていません。ここからは「城内」を散策することに。

 まず“1階”から入城したのですが、その順路は<4階→5階→6階→7階→3階>とのこと。エレベーターか階段いずれかでの移動となります。

■ 4階にある「トリックアート 大釜の魔女と仲間たち」エリア

 最初は、4階にある「トリックアート 大釜の魔女と仲間たち」エリアから。階段を登ると、そこにはまっすぐ伸びた通路。「ああそういやこんなんだったな〜」と思い出に耽りながら、歩を進めます。周囲は絵画に、星やツリーで彩られた、大きめのサイズのオーナメントが飾られています。

 突き当たりまで進んでいくと、大きな象さんのイラストが出てきました。そのインパクトに虚を突かれ、思わず仰け反った筆者でしたが、落ち着いて象さんを見てみると、上に「トリックアートであそぼう」という記載。どうやらこの先が、「トリックアートコーナー」のようです。

 「順路」と書かれた先に進むと、星・恐竜・海・キリン・絵本・スペースシャトルなどといった、様々なデザインで描かれたアートの数々。

 フロアにいるだけでは、変則的に描かれたアートなんですが、これを撮影して見てみると……立体感ある「トリックアート」に様変わり。

 しかもそのバリエーションが豊富なため、各々を立ち止まって撮影するだけでも楽しめる作りに。これには小さなお子様も喜ばれるのでは。さらに別室にもトリックアートがあり、“掴み”としてはこれ以上ないものとなっています。

 冒頭からじっくり見入ってしまった筆者。しかし4階にあるのは、それだけではありません。その先の「大釜の魔女と仲間たち」コーナーは、今回取材する直前に、人気漫才コンビ「千鳥」がMCのテレビ番組「相席食堂」でも紹介されたとのこと。

 入口にある魔女の像に近づいてみると、目が光って話しかけてきました。ここでもまたビクッとした筆者でしたが、通路にある窓には、様々な魔女の「仕掛け」が窓越しに設置。どれも暗闇の中で見入ってしまうほどの作り込みとなっています。

 1フロアだけでも濃密なクオリティー。しかし、まだほんの1フロアを制覇したにすぎません。お次は5階へ歩を進めた筆者。まずそこにはトリックアートがありました。

 4階のトリックアートは、どちらかというとオーソドックスなアートで占められていましたが、こちらは周囲にオブジェや小物も設置され、「リアクション」感満載のもの。コスプレイヤーの方のフォトスポットとしても、より活用されそうな汎用性の高いものとなっています。

 5階のトリックアートの先には「お城のマルシェ」と銘打たれた部屋がでてきました。「マルシェ」といえば、フランス語で「市場」を指す単語ですが、城内にどんな市場があるのでしょう?そのまま進むと、そこには確かに開放的な「市場」が見えてきました。

 ちなみに今回、筆者が訪問したのはハロウィンのシーズンだったこともあり、市場には、ジャック・オー・ランタンなど、所々でそれを意識した小物が散りばめられていました。まるでヨーロッパに迷い込んだかのような感覚になってきます。

 他にも様々な小物で彩られており、それぞれで足を止め、見入ってしまうものばかり。先ほどまでのトリックアートとは、全く趣向の異なるゾーンで楽しめました。

■ 部屋全体が白い部屋……これ何?

 城内にて「ウインドウショッピング」を楽しんだ筆者。さて、お次は6階へと向かおうとしたのですが、その前に何やら「隠し部屋」のような一室が。「白い部屋」と銘打たれたその部屋は、扉がないむき出し状態です。

 「ん?この部屋は何だ?」と興味がわいた筆者は、部屋の中へ足を踏み入れました。するとそこには、文字通り「真っ白」な一室。イギリスのロックバンド、クリームの名曲「White Room」が頭に鳴り響きます。

 「すごい。こりゃまるで『精神〇時〇部屋』じゃないか!」と、往年の超人気漫画のワンシーンを思い浮かべた筆者。ちなみに奥には、「開かずの扉」があったんですが、そこも「真っ白」で、他には何もないんです。

 どれくらい白いか読者の皆さんに「判別」していただくため、持参したカバンを置いて撮影した筆者。その画像をあとでチェックしたんですが、何もせずに「映える」くらいの驚きの白さ。傍にあった丸椅子と、もう一つの扉とともに“浮いて”しまっています。

 というか、この階って『トリックアート』しか書いてなかったような……?」と、入城時の案内板を思い出した筆者。これも含めての「トリック」なのでしょう。「遊び心」というは、テーマパークには大事な要素ですしね。

 と、少々“足踏み”をした筆者でしたが、今度こそはと6階へ。そこには「王座の間」、「ミステリーゾーン」と記された順路のPOP。ひとまず「王座の間」へと向かいました。

■ コスプレイヤーが好みそうな「王座の間」

 そこには、中世ヨーロッパを題材にした作品なら、どこかしらで登場してそうな謁見の間と玉座が。ここは、コスプレイヤーの方にとっても、とりわけ人気のフォトスポットでは?筆者も、様々な角度からこの部屋を撮影したのですが、その都度様々な「顔」を見せる空間。ここだけで、撮影の大半を費やすレイヤーの方もいそうです。

■ 「和テイスト空間」に「武器屋」に「不思議の国のアリス」

 王座の間を後にし、先ほどのPOPにも記されていた「ミステリーゾーン」に向かった筆者。

 しかし、その道中にも様々な空間が、私を待ち受けていました。まずは番傘や打ち掛けがかざられた「和テイスト」感あふれるゾーン。これまでは白鳥城の外観もあって、「洋テイスト」感の装飾中心だったため、とりわけ異彩を放っています。

 ところがお次に出てきたのは、どうやら西洋風の「武器屋」。フロア内には、「プレートアーマー」と呼ばれる西洋式の甲冑に、様々な形状の剣に盾が展示。まるでファンタジー作品に登場するかのような武器屋です。アニメやファンタジー系RPGのワンシーンで見たかのような、既視感と本格感が合わさったものとなっています。

 ちなみに筆者は、そういった類の作品を好んでこともあり、存分に堪能させていただきました。

 さらに歩を進めると、今度は「不思議の国のアリス」をモチーフにしたかのようなティールーム。玄関口にはトランプや、ニヤニヤ笑いを残して消えていくチェシャ猫のイラストが全体に散りばめられ、世界観を醸し出しています。

 ティールーム内に入ると、そこにはアリス世界のティータイムシーンを再現したかのような空間。あいにくこの日は悪天候だったのですが、晴天ですとなかなか趣のある空間ではないでしょうか。

■ ステンドグラス作家・豊福信夫氏の作品展示コーナー

 不思議の世界を堪能した後は、ステンドグラス作家・豊福信夫氏の作品展示コーナー。豊福氏は神戸市在住ということもあり、江戸時代末期に、神戸港が開港したことにより、建設された外国人居留地「神戸・北野異人館」の建造物を模した作品などを制作されている方です。

 今回「城内」では特設ブースが設置され、「風見鶏の館」「萌黄の館」「ラインの館」といった、北野異人館街でも代表的な建造物の作品が展示されていました。

 この太陽公園「白鳥城」のモデルになった、ドイツ・ノイシュヴァンシュタイン城のステンドグラス作品もありました。

■ 勇気ある者は扉を開け先に進むがよい?いよいよ「ミステリーゾーン」

 玉座に、和洋折衷で彩られた各ゾーン、往年の名作をイメージしたティールームに、ステンドグラス作品の展示コーナーと、4階・5階以上に濃密な空間の6階。しかしまだ“メイン”である「ミステリーゾーン」はここからです。そろそろにたどり着くかなと思った矢先。そこにあったのは、またしてもPOPの案内板。

 「なになに、『白鳥城のミステリーゾーン、勇気ある者は扉を開け先に進むがよい』とな?」

 既に扉が半開きなことは置いておいて、POPを見た筆者は、さっそくやや暗闇がかった室内へ。するとそこには、探偵小説の一場面に出てくるかのような「書斎」を再現したかのような空間が。

 英国紳士風の服装で、この部屋で読書をしたら、「名探偵」気分が味わえるかも。なるほどこれは実にミステリー。

 書斎以外にも、暗闇がかった空間で様々な絵画やアートの展示が。そんな中で、筆者がふと気になり足を止めたのがとある絵画。

 なになに……「手で優しく撫でてください」とな?説明文を見た筆者は、さっそく絵画をスリスリ。

 するとなんということでしょう。絵画の奥から、スヤスヤと眠りについている眠り姫が出てきたではありませんか!これは、先ほどのトリックアートルームにも匹敵するトリック。なるほどこれもまたミステリーです。

 暗闇の中を抜け、ハロウィン用に展示されたコーナーを見ていた筆者。この6階は実に濃密な空間ですね。「さて、そろそろ7階に行かなきゃ」と思った矢先……

 「ピンポンパンポーン。まもなく当館は閉場いたします〜」

 なん……だと……?実は太陽公園・白鳥城の閉園時間は17時。想像以上のボリュームに都度足を止めた筆者は、敢え無く時間切れに。泣く泣くモノレール乗り場に戻ったのでした。

 ちなみに、時間の都合上で、今回取り上げられなかった7階は先述の「牙狼」の展示ブースがあり、3階にはくるみ割り人形や様々な世界の絵画の展示がなされており、これもまた魅力的なエリアになっています。

 そうして、帰途についた筆者ですが、ここで大きな問題がありました。

 そう、まだ太陽公園には「石のエリア」というもう1つのエリアがあるのです。ここまで来て、そこを取材出来ないのは忍びない!ということで、筆者は何とか時間を捻りだし、後日太陽公園を再訪しました。

後編に続く

<取材協力>
太陽公園 (兵庫県姫路市打越1342-6)

(向山純平)

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