【看護師コラム】鼻血止めにカニ成分? 止血用の綿に含まれる秘密

【看護師コラム】鼻血止めにカニ成分? 止血用の綿に含まれる秘密

【看護師コラム】鼻血止めにカニ成分? 止血用の綿に含まれる秘密

 冬の味覚、カニ。カニには健康食品に含まれているある成分が含まれています。この成分、医療から日用品までとても幅広い活躍をするのです。さて、誰もが聞いたことがあるかもしれないこの成分は何でしょう?

■ カニの殻にはこんな成分が

 その成分の正体は、キチン・キトサンという主にカニの殻から採取できる成分。甲殻類のカラには、キチンやキトサンという成分が含まれています。この成分は、止血作用があるほか、抗菌性、生体適合性、凝固性などがあります。

 キトサンには、傷の治りを促す作用もあるため、手術の傷や出血部位に貼り付けられるフイルム状の医療資材や人工皮膚などに使われています。また、鼻血を止めるための止血用スポンジにも使われています。

 医療用に精製されたキチンやキトサンには甲殻類由来のタンパク質がほとんど含まれていないため、甲殻類アレルギーの人に使ってもアナフィラキシー症状は滅多に起こりません。このため、手術の時などの止血にもよく使われています。

 キチンを使用した傷の治りを促進する綿状や布状の製品(創傷ドレッシング材)も作られており、やけどの治療にも使われています。1990年にサハリンで大やけどを負い札幌医大に入院、治療を受けたコンスタンチン君のことは当時報道機関により大きな話題となりましたが、こうしたキチンを使った医療品を用いることで命を救われています。

■ キチンやキトサンは実はこんなに幅広く使われてた!

 キチンやキトサンを使った創傷ドレッシング材は、やけどのほかにも床ずれや広範囲にわたる擦り傷などにも使われています。また、化粧品や抗菌性の衣料品、農業分野にも使われており、健康食品以外にも幅広い分野で使われています。

 ダイエット食品などに含まれているキトサンも、腸内代謝や脂質代謝の改善を見込んで配合されています。よく話題になっている「バイオマス」はこんなところにも使われているんですね。

<参考文献>
キトサン由来止血材を抜歯後止血および歯周形成外科手術の止血に応用した2症例(PDF)
キチン・キトサン利用技術(PDF)

(梓川みいな・正看護師)

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