豆まきに潜む窒息のリスク 5歳以下の子どもに豆を食べさせないで

豆まきに潜む窒息のリスク 5歳以下の子どもに豆を食べさせないで

教えてドクター佐久さん(@oshietedoctor)提供

 2月3日は節分。「鬼は外、福は内」の掛け声とともに豆をまき、年齢の数だけ豆を食べることを毎年の慣例行事にしている家庭は多いと思います。しかし、5歳以下の子どもが豆を食べる場合、窒息のリスクが潜んでいることをご存じでしょうか?

 長野県佐久市及び佐久医師会が中心となって運営しているプロジェクト「教えて!ドクター佐久」(@oshietedoctor)がツイッターにて、「5歳以下の子どもには豆まきの豆を食べさせないで!」と窒息時の対処法をまとめたスライドを添えて注意を呼びかけています。

 特に節分で使用する「大豆」や「落花生」は非常に硬く、噛む力が十分でない子どもが飲み込み事故につながるケースが後を絶ちません。そもそも与えないことが第一ですが、万が一子どもが飲み込み、のどに詰まらせてしまった場合は早急な対応が必要です。

 今回「教えて!ドクター」プロジェクトチームが紹介したのは「一歳以上の幼児の窒息時の対処法」と「一歳未満の幼児の窒息時の対処法」の2種類、計3枚のイラスト付きスライドです。

■ 一歳以上の場合は「腹部突き上げ法(ハイムリッヒ法)」を用いて異物を取り除く

 呼びかけに対して反応がある場合は「腹部突き上げ法(ハイムリッヒ法)」でお腹を押し上げ異物を吐き出させます。

 子どもの背後からお腹に両腕を回し、こぶしを握って上に付き上げるイメージで子どものお腹に押し付け、のどに詰まったものが排出されるまで続けます。処置中、意識がなくなった場合は「胸骨圧迫」と「人工呼吸」に移ります。

 「胸骨圧迫」は手のひらで胸の真ん中部分を「アンパンマンマーチの早さで30回」押し込み、その後「人工呼吸」。鼻をつまみ、あごを持ち上げて1秒間息を吹き込み、胸が上がるのを確認します。これらを5セットまたは2分間行ってください。

 なお、119番(救急)に通報するタイミングは、意識があってもなくても早いにこしたことはありません。それに119では状況に応じて、上記のような応急処置を電話で指示(口頭指導)してくれます。読んで知ってはいたけれど実際やるとなると忘れてできなくなる……ということは大いにあり得ますし、一式試して意識が戻らないからようやく通報では間に合わない可能性もあります。

■ 一歳未満の場合は「背部叩打法」「胸部突き上げ法」を用いて異物を取り除く

 一方、子どもが一歳未満の場合は「背部叩打法」「胸部突き上げ法」を繰り返し、異物を取り除きます。

 「背部叩打法」は赤ちゃんの頭を下にして抱き、赤ちゃんの背中、肩甲骨辺りを5回たたきます。次に「胸部突き上げ法」。赤ちゃんを支えながらそのまま仰向けにひっくり返し、人差し指と中指で胸の真ん中を1秒に1回のペースで5回圧迫します。つまりを解除するイメージで、1回1回確実な動作を意識して行いましょう。

 処置中に意識がなくなった場合は、続けて「胸骨圧迫」と「人工呼吸」を行っていきますが、ここでも1歳以上と1歳未満ではやり方が異なります。

 1歳以上の胸骨圧迫は手のひら全体で押し込みますが、1歳未満の場合は人差し指と中指の二本で「アンパンマンマーチの早さで30回」押し込みます。その後の人工呼吸ではあごを持ち上げ、鼻はつままずに口と鼻を両方覆う形で1秒間息を吹き込みます。これは5セットまたは2分間行います。

 そして、119に通報するタイミングは、一歳以上と同じです。早いにこしたことはありません。

■ 万が一に備えて……印刷して目立つ場所に掲示しておくのがベスト

 これらのスライドは印刷時に便利なPDFファイル(https://oshiete-dr.net/pdf/20210915shinpaisosei.pdf)としても公開されています。普段から壁や冷蔵庫など目立つ場所に掲示して、備えておくのが良いでしょう。

 鬼を払い、福を招く、楽しい節分にするために、どんなに食べたそうにしていても5歳以下の子どもに豆まきの豆は絶対に与えないようにしましょう。

<記事化協力>
教えてドクター佐久さん(@oshietedoctor)

(山口弘剛)

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