アメリカ空軍が次世代ステルス爆撃機B-21の開発拠点と整備拠点を発表

アメリカ空軍が次世代ステルス爆撃機B-21の開発拠点と整備拠点を発表

B-21の完成予想図(画像:Northrop Grumman)

 2018年11月16日(アメリカ東部時間)、アメリカ空軍は次世代ステルス長距離爆撃機、B-21「レイダー」の開発拠点をカリフォルニア州エドワーズ空軍基地に、そして整備拠点をオクラホマ州ティンカー空軍基地に決定したと発表しました。2018年5月には一足先に、2020年代中頃に予定される実戦配備の基地を3か所発表していましたが、これで開発・運用・整備の拠点が出揃ったことになります。

 B-21レイダー(Raider)は、現在運用されている長距離爆撃機のB-1とB-2を置き換えるために開発がスタートしたステルス爆撃機。B-2に続き、第二次大戦中から全翼機の開発に長い経験と実績を持つノースロップ・グラマンが開発を担当します。「今どき戦略爆撃機?」という疑問ももっともですが、大量の爆弾を積み、敵にギリギリまで知られることなく侵入して攻撃を加えられるステルス長距離爆撃機は、発射の瞬間から捕捉されてしまうミサイルに比べて隠密性が高く、同じくステルス機であるF-22やF-35の反復攻撃よりもコストが安くすむ……というのがアメリカ空軍の試算です。


 実例を挙げると、2017年1月19日、2機のB-2がリビアにあるテロリストの拠点に合計108発の精密誘導爆弾を投下しました。これと同じだけの爆弾をF-22やF-35がステルス性を損なわずに投下するには、多くの機数とパイロットを必要とします。攻撃後にはパイロットに休息を与え、機体も整備しなくてはなりませんが、一度に多くの爆弾を搭載できる爆撃機であれば、その人数も減らすことができ、反復攻撃も容易ということが成り立ちます。もちろん、このような大型機を普段から維持できるのは、アメリカのように予算が潤沢な国である必要がありますが……。

 アメリカ空軍のデービッド・リー・ゴールドファイン参謀総長は「モハーベ砂漠の中に位置するエドワーズ空軍基地は、X-15の時代からF-117に至るまで、常に我が空軍の技術開発の最先端分野を牽引する飛行試験を実施してきました。今またここに、B-21レイダーという新しい歴史的1ページをか加えることになります」とコメント。アメリカ空軍の飛行開発拠点として長い歴史を持ち、現在も空軍飛行試験センターが置かれているエドワーズ空軍基地の歴史を考えれば、ここ以上にふさわしい場所はないでしょう。

 オクラホマ州のティンカー空軍基地で、B-21の整備拠点がここに置かれることに決まったと発表したヘザー・ウィルソン空軍長官は「非常に優秀な人員が揃い、航空機整備に関して何十年もの経験を持つティンカー空軍基地ならば、この重要な任務を担当するに最適な場所です」とコメント。合わせてティンカー空軍基地の補助的役割を果たす基地として、ジョージア州のロビンス空軍基地とユタ州のヒル空軍基地を指定しました。


 発表後、ウィルソン空軍長官はティンカー空軍基地の将兵に感謝祭のターキーを振る舞いました。エプロン姿でターキーを配る姿は、空軍長官というよりも「食堂のおばちゃん」といった雰囲気ですね。

 B-21が配備される予定となっているのは、現在B-1を運用しているテキサス州のダイエス空軍基地、サウスダコタ州のエルスワース空軍基地、そしてB-2を運用しているミズーリ州のホワイトマン空軍基地の3か所。どこが最初の配備先になるかは未定ですが、時期は2020年中頃の予定です。


これに対し、ルイジアナ州のバークスデール空軍基地、ノースダコタ州のマイノット空軍基地で運用されているB-52Hは、体質改善改修を行いつつ、少なくとも2050年までは現役にとどまる予定。原型機XB-52の初飛行が1952年、就役が1955年ですから、100年近く配備され続けることになります。すでに親子2代にわたってB-52のクルーというケースが出てきていますが、近い将来「親子3代B-52乗り」という一家も出てきそうです。

Image:Northrop Grumman/USAF

(咲村珠樹)

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