海上自衛隊向けSM-3と航空自衛隊向けAMRAAMの追加分が正式発注

海上自衛隊向けSM-3と航空自衛隊向けAMRAAMの追加分が正式発注

飛翔するSM-3のCG(画像:Raytheon)

 2018年11月19日、アメリカ国務省は日本の自衛隊向けとなるSM-3艦対空ミサイルとAMRAAM空対空ミサイルの有償軍事援助(FMS)契約を承認し、これを受けて国防安全保障協力局(DSCA)は、メーカーであるレイセオンにこれらのミサイルを正式発注しました。契約の内訳は、SM-3がブロックIB(整備・技術・輸送サポートと発射用キャニスター付き)8発とブロックIIA(キャニスター付き)13発で5億6100万ドル、AMRAAM(整備・技術・輸送サポートと補修用部品、輸送用コンテナ付き)が32発で6300万ドルです。

 SM-3は艦対空ミサイルであるスタンダード・ミサイル(SM)の第3世代。ブロックIIAは日米が共同で開発した弾道ミサイル防衛用の最新バージョンで、弾道ミサイル防衛(BMD)の要となる存在です。

 現在、海上自衛隊の護衛艦のうち、こんごう型ミサイル護衛艦の4隻(こんごう、きりしま、みょうこう、ちょうかい)が弾道ミサイル防衛に必要なイージスシステムの改修を終了し、弾道ミサイル防衛任務についています。2018年にはあたご型ミサイル護衛艦のあたご(DDG-177)が弾道ミサイル防衛用のイージスシステム改修を終了し、9月12日にSM-3ブロックIBアップグレード型を用いた弾道ミサイル迎撃試験を実施。模擬ミサイル標的の迎撃・破壊に成功しています。あたご型護衛艦の2番艦であるあしがら(DDG-178)も、弾道ミサイル防衛に対応したイージスシステムのアップグレードを含む改修工事を行なっています。


 また、SM-3は地上配備型のイージス対空防衛システム「イージス・アショア」でも主要兵装として使用されます。2018年7月31日には、日本政府の代表団がルーマニアのデヴェセルにあるNATOの弾道ミサイル防衛施設(ルーマニア軍第99基地敷地内に併設)を視察。日本でも設置が検討されているイージス・アショアのシステムについて情報を収集しています。

 AIM-120C-7「AMRAAM」は、アクティブレーダー誘導方式の中射程空対空ミサイル。現在アメリカ軍の主力空対空ミサイルのひとつであり、幅広い機種に適応することからこれまでにアメリカを含む27か国で正式採用されています。また、地対空ミサイル型もあり、スウェーデンやノルウェーなどで採用されています。


 航空自衛隊には日本が独自に開発したアクティブレーダー誘導ミサイル、99式空対空誘導弾(AAM-4)があるのですが、直径がAMRAAMより太く、ミサイルの方向を制御する翼もAMRAAMより大きいため、F-35の胴体内ウエポンベイに入りきらないとされています。また、F-35の火器管制システムはAMRAAMの制御を前提として設計されているため、日本独自仕様の99式空対空誘導弾を制御するには追加改修が必要となります。

 このため、日本も2014年度からAMRAAMを有償軍事援助(FMS)の形式で調達を始めています。今回の32発分の発注は、2017年10月4日に発注された56発分(総額1億1300万ドル)に続くものです。日本政府では、F-35Aの調達を当初の予定(F-4EJ改の置き換え分)から、F-15J初期調達型(Pre-MSIP)の置き換えを視野に入れて増やされる方針が打ち出されており、AMRAAMの調達も今後さらに増やされることが予想されます。

画像:Raytheon/USMDA/U.S.Navy/USAF

(咲村珠樹)

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