ヨーロッパの実験モジュール「バルトロメオ」国際宇宙ステーションに取付完了

ヨーロッパの実験モジュール「バルトロメオ」国際宇宙ステーションに取付完了

国際宇宙ステーションのコロンブスモジュールに取り付けられたバルトロメオ(Image:ESA)

 ESA(欧州宇宙機関)は2020年4月7日(現地時間)、ヨーロッパ初の民間向け曝露型実験モジュール「バルトロメオ」が4月2日にロボットアームにより、無事所定の場所である「コロンブス」モジュールの外部に取り付けられたと発表しました。

 バルトロメオは、国際宇宙ステーションの無重量状態や宇宙放射線など、宇宙空間ならではの環境を民間企業の研究開発に活用してもらうことを目的として作られたもの。ESAの有人実験モジュール「コロンブス」の外部に取り付けられることから、コロンブスの名の由来であるイタリア出身の冒険家クリストファー・コロンブスの弟で、兄と同じく冒険家となったバルトロメオ(英語読みではバーソロミュー)・コロンブスの名前が付けられました。

 エアバスによって設計・製造されたバルトロメオは、スペースXのドラゴン補給船(CRS-20)に搭載され、アメリカ東部時間の2020年3月6日23時50分にフロリダ州のケープカナベラル空軍基地、第40発射施設から打ち上げられました。


 バルトロメオを含む約2トンの物資を搭載したドラゴン補給船は、3月9日に国際宇宙ステーションへ到着。ロボットアームに把持されてドッキングを果たしたのちは、宇宙飛行士の飲用と同時に電気分解により酸素のもとになる水や食料、船外活動用の物資など、ミッションのスケジュールに沿った順番で荷ほどきされていきます。

 バルトロメオの順番が回ってきたのは4月に入ってから。取付作業に先立ち、宇宙飛行士が船外活動でバルトロメオを取り付けるピンをコロンブスに設置し、その後ロボットアーム(カナダアーム)により設置されました。

 設置段階でバルトロメオに装着されている実験・観測モジュールは、ノルウェーのオスロ大学と民間企業が共同で開発した、大気中のプラズマを観測する「m-NLP」のほか、宇宙での磁気嵐と地球の気象との関連を探る「ASIM」など。これらのモジュールで観測されたデータは、ESAが新たに開発した高速データ中継システム「ColKa」で地上に送られます。

 今後、仕上げの作業を宇宙飛行士による船外活動で行い、ColKaの初期設定も実施されます。ColKaは将来の有人月探査で使用される月周回軌道上宇宙ステーション「ゲートウェイ・ステーション」用に開発されたもので、従来のデータ中継システムより1000倍の通信速度を有するとか。月探査に先立つ技術実証にもバルトロメオは役立つことになります。

<出典・引用>
ESA(欧州宇宙機関) ニュースリリース
Image:ESA/NASA

(咲村珠樹)

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