新型ロケット「ヴァルカン」用固体ロケットブースタ 地上燃焼試験に成功

新型ロケット「ヴァルカン」用固体ロケットブースタ 地上燃焼試験に成功

GEM-63XL地上燃焼試験の様子(Image:Northrop Grumman)

 ノースロップ・グラマンは2020年8月13日(現地時間)、ULAの新型ロケット「ヴァルカン」用固体燃料ロケットブースタの燃焼試験をユタ州の試験施設で実施し、成功したと発表しました。この固体燃料ロケットブースタを使用する新型ロケット「ヴァルカン」は、2021年の初飛行が予定されています。

 ノースロップ・グラマンの固体燃料ロケットブースタは「GEM(Graphite-Epoxy Mortor)」と呼ばれ、その名の通り炭素繊維強化エポキシ複合材(Graphite-Epoxy)をケースに使用したもの。金属を使用する従来のブースタよりはるかに軽量で、結果としてより多くの推力を装着するロケットに提供することが可能です。

 GEMのシリーズは、1990年にULAのデルタIIロケット用に開発された、直径40インチ(1m)のGEM-40に始まります。以来GEMは大きさと推力を拡大し、デルタIIIロケット用に開発された直径46インチ(1.2m)のGEM-46、デルタIVロケット用に開発された直径60インチ(1.5m)のGEM-60と進化を続けてきました。


 GEMの最新モデルは、2020年の第4四半期での初飛行が予定されているアトラスVロケット用のGEM-63で、直径63インチ(1.6m)、全長20.1mのもの。44.2トンの固体推進剤を燃焼させ、37万3800ポンド(約170トン)の推力を94秒間提供します。

 ヴァルカン用に開発が進められているGEM-63XLは、直径はGEM-63と同じ63インチですが、全長が約21mに延長されました。これにより推進剤の量も48トンに増加し、その分推力も大きなものになります。

 ユタ州プロモントリーにあるノースロップ・グラマンの試験施設で実施された地上試験では、90秒間の燃焼で約44万9000ポンド(約203.66トン)の推力を発生。同時に燃焼中の内部断熱材や推進剤の燃焼の様子、ノズルの状況を低温環境でテストしました。

 試験を終え、ノースロップ・グラマンの推進システムを統括するチャーリー・プレコート副社長は「新しいGEM-63XLは、従来のGEM-63と比較して15〜20%推力が向上しています。これまでの実績に立脚し、さらに最新の製造技術を用いることで、打ち上げロケットの能力を強化することができます」とのコメントを発表しました。

 このGEM-63XLを使用することになるヴァルカンは、ULAが退役したデルタロケットの後継として位置付けている新型ロケット。直径はデルタIVと同じ5.4mで、1段目エンジンにメタンガスを推進剤とするブルーオリジンのBE-4を2基搭載します。初飛行は2021年7月ごろを予定しています。

<出典・引用>
ノースロップ・グラマン ニュースリリース
Image:Northrop Grumman/ULA

(咲村珠樹)

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