「東京五輪に向けサマータイム導入」「月曜午前を休みにするシャイニングマンデー」…次々と打ち出される“働き方改革”の施策に意味はあるのか

「東京五輪に向けサマータイム導入」「月曜午前を休みにするシャイニングマンデー」…次々と打ち出される“働き方改革”の施策に意味はあるのか

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?ここがポイント

●経産省が考案した新しい制度“シャイニングマンデー”について議論。
●さらに、「2020年にサマータイムを導入する」という件にも言及。
●この新制度に対し、小飼弾氏は「タイムゾーンを動かすとか、狂ってるのか?」とコメントした。

 プレミアムフライデーに代わり、月曜日午前に一斉に休みを取らせる“シャイニングマンデー”や、2020年の東京オリンピック開催期間中、国内時間を1時間ほど早める制度“サマータイム”が検討されているといったニュースが話題になりました。

 これを受けて、8月6日の『小飼弾のニコ論壇時評』にて、小飼弾氏山路達也氏のふたりが、これらの制度の意義と軽視される時間について、激論を交わしました。

東京2020エンブレム
(画像は『東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会』より)

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プレミアムの次は、“シャイニング” 左から小飼弾氏山路達也氏

山路:
 シャイニングマンデーの話題なんですけれども。

小飼:
 シャイニングって双子の子供がいたじゃないですか?

山路:
 スタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』。

小飼:
 どっちがフライデーで、どっちがマンデーなんですか?

山路:
 (笑)。フライデーの方はプレミアムフライデーという名前なんですか。

小飼:
 プレミアムちゃんとシャイニングちゃん。

山路:
 シャイニングちゃん。

小飼:
 そう、どっちがシャイニングなのか。

『シャイニング』
(画像はシャイニング 特別版 コンチネンタル・バージョン | Amazonより)

山路:
 経産省の方で、日曜の夜に遊んで、月曜の午前中に休むという仕組みを導入しようとしてるんじゃないか、みたいなニュース記事が出たんですね。

小飼:
 要するに日中は休んで、日が沈んでから働けということなんじゃないですか?

山路:
 ああ、それだったら合理的なんですけどね。とりあえずシャイニングマンデーに関して記事は出ていましたけど、経産省は否定していますね。

小飼: 
 シャイニングってどこから来たの?

山路:
 (笑)。あるいは経産省にGガンダムのファンがいただとか。

小飼:
 ああ、そうなの?

山路:
 そういう噂をツイッターで見たんですけど、Gガンダムというアニメに出てくるシャイニングガンダムからきているんじゃないかという。

 「プレミアムフライデーとシャイニングマンデーいらんから水曜休みというのはどう?」(コメント)

小飼:
 水曜どうでしょう?

経産省は休みを舐めてませんか?

山路:
 「日本のストア年中無休制度の廃止」「シャインというのは光ると共に4という意味もあるから」(コメント)

小飼:
 シャインをローマ字読みしたら、SHINE(死ね)だよね。

山路:
 (笑)。確かに。さすがに、そういう意図はないとおもいますけどね。なんで休み方みたいなものを国に決められなきゃいけないんだという感じもありませんか? プレミアムフライデーとかシャイニングマンデーとか。

小飼:
 実は、日本はすごく休日が多い国で、昔は移動祝日日というのはやってなかったんですよね。日付で決め打ちだったんですけども。

山路:
 ハッピーマンデーとか。

小飼: 
 そうそう、この週の第1日曜日とか、アメリカもそのやり方をやっているんです。なんですけども、確か2020年は祝日を動かすんですよね。移動祝日もさらに移動してしまうという。

山路:
 オリンピック開催で、海の日と体育の日を移すんでしたっけ?

小飼:
 もうそこは決まってるんですよね。その上タイムゾーンを動かすとか、狂ってるのか? と。

オリンピックに先駆けてサマータイムを導入

小飼:
 これについては、もう話にならんというか……。もう本当に、シラフでやってられねえよという感じがするんですけども(笑)。

 この組織委員会って何様なの? どういう権限があるの?

山路:
 別に政策に関してアドバイスをするような権限というのも公的に持っているわけでもないし、あくまでもオリンピックの組織委員会に過ぎないわけですよね。

小飼:
 そうそう。だからなんで政府はホイホイ聞いちゃうの? と思うんですよ。 

山路:
 ただ、このサマータイム導入論についてちょっと言っておくと、菅官房長官はこういうことに関しては、とりあえず否定のコメントを出しているんですよね。

小飼:
 いやでも、もはや政府の言うことは信じられないじゃん。ないはずの書類があることになっているし、あるはずの書類がなかったことになっているし。

山路: 
 これ、ちなみに五輪のために「2年限定でサマータイムを導入したらどうか」みたいなことを組織委員会が言ってるんですけど、これって現実的なんですか?

小飼: 
 馬鹿じゃないの?

山路:
 今までにも、散々サマータイムの害というかデメリットを、この番組でも言ってきたと思うんですけど。

デメリットだらけのサマータイム

山路:
 EUの方では、サマータイム廃止の論議が起こってますよね?

小飼: 
 はい。実は確かEUの中では、ドイツって比較的後の方で導入したんですよね。1980年か、それくらいの頃というのは、時計というのがコンピューターネットに繋がっていなかったんですよね。

山路:
 まあ、コンピューターのパソコンの時計というのも、いちいち手で合わせてたみたいな感じですよね。

小飼:
 そうそう。それでもう6割は「やめたい」と。3割の人は、サマータイムが来た時に時計をどうやって直したらいいのかわからない。

山路:
 現在は、サマータイムに合わせて自動で合わされるようになっている?

小飼:
 なっているんですけれども、ちょくちょくバグっていて。Appleもやらかしています。あの規模の会社でもやらかすんですよ。

山路:
 仮にOSの対応をやったとしても、アップデートのタイミングは、人によってやる人もいれば、あんまりやらない人もいて。アプリの対応や、あるいはいろいろなシステムの対応とか、サマータイムの導入だけでも大変なのに、それを2年限定でやって、また戻すんかい! みたいな。

小飼:
 実は、サマータイムというか、正式には、“Daylight Saving Time”でDSTという言い方をするんですけど、その情報というのは、少なくともメジャーなOSではMacOS、Linux、Windows含め、全世界的に共有されます。というか、全世界的に共有されないと話にならないんですね。だって今のコンピューターというのは、もう単体で使われているのではなくて、ネットで繋がってますから、相手が何時っていうこともわからなければいけないんです。だからもしやるとしたら、自分だけのことではすまないんですよ。

山路:
 そうか、他人をまたいでデータのクラウドとか登録してたりするわけですもんね。

小飼:
 そうそう、全世界をまたぎます。

経済効果7千億円でもかかる経費は10兆円以上

山路:
 このサマータイムに関連したニュースで、第一生命経済研究所のエコノミストの方が、サマータイム導入で個人消費が押し上げられ、年間7千億円の経済効果があると試算していますが。

小飼:
 たった7千億なの? では、その7千億というのは、損失込みの数字ですか? サマータイムを導入することにかかる費用とか、それで起こる事故とか、損失になりますよね。それをちゃんと引いた上での数字ですか? そうはなってないはずです。しかもそれもたった7千億? 損失込みでは7千億ではすみませんよ。日本くらい大きな規模の国で、時刻の仕組みを変えるには、どう計算しても7千億ではすまない。

山路:
 利益が吹っ飛ぶくらいのコストがかかっちゃう。

小飼:
 たぶん桁しか合ってませんけど、10兆は下りませんよ。株式市場とかあの辺の絡みだけでも、おそらく1兆円は持っていかれます。

山路:
 最近は、すごい高速取引とかで、時間とかも重要になってたりしますから。

小飼:
 そう取引所が開いてる時間はどうだとかというのも、そういった情報というのがガタガタ崩れるんですよ。実はアメリカとかは、それでコンスタントにトラブルが起こっているんですよ。

山路:
 取引所が止まる?

小飼:
 止まるのではなくて、ディーラーが時間の変更についていけないんで、事故るんですけれども。

山路:
 もしも時間変更で売買が出来なかったりしたら、大損が出たりしますよね。

小飼:
 その通りです。

山路:
 コメントなんかでも、「確実に混乱は起きそうですね」とか。

小飼:
 今、サマータイムをやっているところというのは、惰性でやっているんですよ。

山路:
 一度導入しちゃったからしょうがない。変えるのもまたコストが掛かるから踏み切れずにいる、という。

小飼:
 辞めるほうのコストが掛からないというのは確かです。システム上で、このタイムゾーンはDaylight Savings Timeは使ってないと。フラグを落とすだけでいいんですよね。

山路:
 コメントでも「老人が多いからおかしな政策になる」「コンピューターに詳しいんでしょ。すぐできるよね。みたいなノリでなんかサマータイムって言ってるんじゃねえか」というものが。

偉い人の言うことに従いすぎている

小飼:
 一番おかしいのは、掛け声をかければ、みんなそれに着いてくるだろうと。偉い人の言うことだから「仕方がない」とか言わずに従いすぎている。みなさんもっと怒れよ! ちゃんとNOと言うべきなんです。日本に何が一番足りないかと言ったら、怒りなんじゃないですかね?

山路:
 ああ、理不尽なことがこのオリンピック絡みだけでも、2つ3ついろいろ出てくる(笑)。

小飼: 
 2つ3つどころじゃないでしょう。。ちょっと言い方が難しいんですけど、怒る時には、やはり正しく怒るというのか、精密に怒る。だから国立競技場も怒った結果、代わりましたよね。サマータイムについてはすごく簡単で、やめるだけでいい。「そんなしょうもないものはやめろ」と、「何もするな」「余計な仕事を増やすな」だけでいい。

山路:
 これだったら文句の言い方も簡単ですよね。

 みんなが責任をとらないで、適当なことを言ってるからそうなるんですかね? 例えばサマータイムに関しても、いちいち導入しなくても、時間をちょっと繰り上げてやればいい話で、そんなに難しいことと思えないんですけどもね。

小飼:
 サマータイムを言い出したのは、前世紀の人なんですよ。時計が高価だった時代で、教会とかの鐘で時間を知らせていたんですよね。まだその頃というのは、個人が腕時計どころか、懐中時計すら持っていない頃の発想なんです。

山路:
 確かにそれを変えられるんだったら、みんなの生活リズムが変わりそうな感じもありますよね。

小飼:
 今は全世界の人口より一桁以上時計は多いんです。孫正義さんが買ったARMという会社は、1兆のIoTデバイスとか言っているじゃないですか。

山路:
 プロセッサーが全部そのデバイスに入ってる。

小飼:
 はい。あれ全部に時計が入っています。

山路:
 ネットに繋がってるということですもんね。

小飼:
 まだ1兆は、いっていないですけれど、もう1000億はいってるはずです。ARM以外のものも含めれば。

山路:
 データとか全て同期するわけですもんね。

小飼:
 だから、今ですら時計というのは、人の数の10倍あるんですよ。これが100倍以上になろうとしている時に、何を眠たいことを言っているのか。それよりも、全世界的にタイムゾーンそのものをなくそうという方が、まだ建設的です。

山路:
 「日本の始業時間は18時位から」みたいな。そんな感じで、勝手にそれぞれのところの都合のいい時間に合わせりゃいいじゃん、ということですよね。

小飼:
 こればっかりはお金だけでは済まないんです。

山路:
 開発会社が対応するかどうか。

小飼:
 そういうことです。さらにそれを元にして、現場の人たちが、血と汗と涙を流さなければいけないわけですね。

山路:
 そもそも、どこを対応しなければいけないのかと、一括的にやるところがあるわけでもないから、インターネットはインターネットで、開発メーカーは開発メーカーでバラバラに対応しなければいけないんですよね。

小飼:
?その通りです。

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シャイニングマンデーのおかげでサザエさん症候群とおさらばか!?他【小飼弾のニコ論壇時評8月号】

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