“国家間の対立”の鍵を握るランドパワー・シーパワーとは? モスクワや北京を例に「統治」や「支配」について地政学的に考察

“国家間の対立”の鍵を握るランドパワー・シーパワーとは? モスクワや北京を例に「統治」や「支配」について地政学的に考察

“国家間の対立”の鍵を握るランドパワー・シーパワーとは? モスクワや北京を例に「統治」や「支配」について地政学的に考察の画像

 今回紹介する、あきサルさん投稿の『なんちゃって地政学 ランドパワーとシーパワー』という動画では、、「地政学」における、ランドパワーとシーパワーについて解説を行っていきます。

なんちゃって地政学 ランドパワーとシーパワー

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地政学のキーを握る「ランドパワー」と「シーパワー」

主:
 今回は、「地政学」のランドパワーとシーパワーについて語っていこうと思います。まずはランドパワーの国。ランド国(仮)の話をしていきましょう。ランド国は大陸の内陸部にある国。地続きの国で、人の往来が徒歩で可能。長い年月をかけ、さまざまな土地の様々な民族が流れて住みついている国です。

 ランド国にはA民族のほかに 、B、C、Dの民族がいたとします。彼らはランドの土地を巡って、長い間お互い対立してきました。

霊夢:
 まあ大陸の地続きの国はだいたいどこもそうだっていう話よね。

主:
 ランド国では、A民族が最大の勢力を誇っています。その場合、ランド国の政府はA政府です。ある日、ランドパワーのランド国はシーパワーのS国と条約を結び、国交を結ぶことにしました。ここでシーパワーのS国が注意しなければならないこと、それはランド国と約束を結んだつもりでも、実際にはAの民族としか約束を結んでいないということです。

霊夢:
 シーパワーの多くは島国。比較的に土地が民族や言語でまとまりやすい環境にあるってことね。

主:
 島国のS国の人たちは、ランド国も自分たちと同じだと、土地がイコール民族のまとまりだと思い込んでしまいがちです。ランド国とS国との間に約束が交わされ、国交が開かれ、 S国の国民が商売や観光を行うためにランド国を訪れます。ところがその交わされた約束は守られる前提になっていません。S国の国民は殺されたり、略奪にあったりします。

霊夢:
 B、C、Dにとっては結んだ約束なんて知ったこっちゃない。むしろAに与する敵だってこと?

主:
 ランド国の政府AもSに話を持ち掛けます。「Bはテロ集団です。我々もBに被害を出し続けています。援軍を送ってください。協力してBをやっつけましょう」。 ここでS国がランド国の内情を考えず、援軍を送ったところでバカを見ることになります。たとえAに頼まれたところで、B、C、Dにとってはよそ者の侵略者でしかないんですよ。

霊夢:
 あんたこれ、第二次対戦前の日本と中国のことを言っているのよね?

主:
 満州事変、北支事変、上海事変、日本がチャイナでの戦いを「戦争」ではなく「事変」と呼んだのは、全く正しい表現だったんです。どちらかというと、当時国交を結んだ中国の政府に頼まれて、治安維持に協力しているにすぎなかった。当時の日本の視点からしたら、中国と戦争しているという自覚はまったくなかったんですよ。

霊夢:
 A民族の政府が倒れて、B民族がランド国の政府になったら、過去にさかのぼってランド国にSが侵略しに来たことになると。

主:
 現在、アメリカが中東やアフガニスタンで沼っているのも完全にこれですね。ヘタにAに肩入れして介入すると 、B、C、Dの本来敵であった者たちを協力させてしまう。 「統治」イコール法や条約の秩序によって国がまとまるのは、シーパワーという環境であるからに過ぎません。

 約束や法律ではまとまることができない環境がランドパワーです。話し合って約束を交わしさえすれば問題は解決すると考えるのは、完全にランドパワーの内情を無視した相手をバカにしている行為であると思います。

霊夢:
 ランドパワーが相手だと、約束を交わすことに意味がないと?

主:
 ランドパワーとは「支配」によってでしかまとまることができない環境なのだと思います。「シーパワーという環境をまとめるのは統治」、「ランドパワーという環境をまとめるのは支配」であると主は考えています。

霊夢:
 いまいち意味がわからないわね。「統治」と「支配」はどう違うって言うの?

主:
 「支配」とは、文字通り「配って支える」ことであると主は考えています。ランドパワーの「支配」とは何か。それはランドパワーの国の首都、北京やモスクワ、あるいは洛陽や長安の地図を元に語らせてもらいます。 まずはチャイナの地図、中華王朝の都、洛陽や長安、北京、これらの地には共通点があると主は考えてます。まず、大きな河が流れていること。

霊夢:
 まあ、人が住むには水が必要だからね。

主:
 そしてもうひとつ。河によって山脈が削られている場所にあるということです。そして、山脈の向こう側は、本格的な不毛なる土地です。山脈というのは人の行き来を制限する地形。

霊夢:
 肥沃な土地と不毛な土地を山脈が隔てていて、不毛な土地の人が入り込んでくる時、必ず通らなければならない場所。それが中華王朝の首都に適した条件だってこと?

主:
 ずっと疑問に思っていたんですよ。中華王朝の人が黄河に置かれ、長江の側にない理由って何故だろうって。肥沃なる土地に不毛な人々が入り込んで来ないための門番。それが中華皇帝の役割だったんじゃないかって考えてるわけなんですよ。

 そしてこの門番がこの環境で国をまとめる方法、この不毛なる土地を「支配」、つまり食糧を配って支えなければならない。

霊夢:
 ランドパワーの「支配」とは、その土地だけでやっていけないがために、「配って支える」ことだって言いたいの?

主:
 配る。そのために配るだけのものを持つ必要がある。肥沃なる土地を征服し、その土地から集めた食料を不毛なる土地の人々に配って言うことをきかせる。

霊夢:
 飯が食えてるうちは、周りも自分の言うことを聞いてくれると。

主:
 それではもうひとつのランドパワーの代表例、ロシアの首都モスクワの地図を見てみましょう。モスクワは河川と鉄道のクモの巣の中心となれる土地です。あの一帯の物資を集められる場所。この地図なんか、帝政ロシア崩壊からソビエト建国あたりの河川と鉄道が一番わかりやすい地図だと思い拾ってきました。

 農業条件の悪い内陸部深くにおいて、ウクライナの穀倉地帯と河川や鉄道でつながり、物資の集積地となれる場所。「支配」、配って支えるのに適した土地。それがランドパワーの国の首都となれる条件なのだと思います。持っているものから徴収し、持たざる者ヘ配る。 これがランドパワーの国がまとまる本質であると思います。

霊夢:
 ランドパワーの国とは、共産主義や社会主義の思想と相性が良いと言いたいの?

主:
 ランドパワーの国はまとまるため、配るだけの物資を占めておきたい。それゆえに食料のできる土地、水のある土地、海の近くを確保したい。ですが、このランドパワーの「支配」を、穀倉地帯の人たちから見た場合どのように映るでしょうか。

霊夢:
 つまり農業が何かも分からない不毛な人たちに支配されちゃうわけよね?

主:
 ありったけの食料を奪われ、農業を知りもしない者たちのデタラメな命令に従わされ、食料を作る者たちが餓死をする。穀倉地帯ウクライナで、1000万人が餓死するまで食料を挑発し続けたソビエトのホロドモール。あるいは4000万人が餓死したと言われる中華人民共和国の大躍進政策。

 ランドパワーに支配された穀倉地帯は大体が悲惨な目に遭います。主はこれらの失敗は、わざとやっている面もあると思っています。不毛な土地の人々にとって、肥沃な土地の原住民は死んでくれた方がその土地を「支配」しやすくなりますから。

霊夢:
 相変わらず妄想で好き勝手言うわね。

主:
 まあ、そこまでランドパワーを考えたところで、「地政学」とは何かを語らせてもらいます。一般的に「地政学」がどう言われているかと言うと、ゲオポリィテク、ジオポリティクス。国家の政治、経済、軍事というものは、地理的条件や環境に影響を受ける。その影響を研究し、国家戦略に活用していこうという学問です。

霊夢:
 要は国家戦略を語るための学問ね。

主:
 しかし主は「地政学」とは「中二病患者の妄想」であると思います。

霊夢:
 あんたの「なんちゃって地政学」だとそうなるわね。

主:
 でも実際どうしようもなく、そういうものだと思っています。「地政学」とは「戦略」の学問ですからね。

霊夢:
 ちょっと意味がわからないわ。

主:
 まあこの図を見てください。これは戦略のピラミッドと呼ばれるものです。

霊夢:
 戦略とは階層に分かれており、上位の階層が下位の階層を決定し、その逆はないという考えが戦略のピラミッドよね。

主:
 戦略は戦術の上位の階層に位置し、戦略の失敗は戦術で取り返すことはできない。よく言われていることです。

霊夢:
 第二次対戦の日本は、戦略の無さを戦術で補おうとしたとよく言われるわね。

主:
 まあ、そんなことすりゃそりゃ負けるわなと。それで地政学というのは、戦略のこの部分、「世界観」を語ることであると主は思っています。「世界」の「観」、世界のイメージ、想像。それは形のない概念的なものです。形のない概念武装なのですから戦略を語るというのは妄想を語るに等しいわけです。

霊夢:
 地政学が妄想だと言ったのは自分のイメージを語ることだからってこと。

主:
 個人の世界観というのは妄想です。その「妄想」に名前を付けて、多くの人々が共有するイメージとなったとき、その妄想は「世界観」となる。国家戦略とは多くの人々の集合意識、その国の「世界観」の上に打ち立てられるものですから、主はこの戦略の階層は上下が逆だと思っています。

 「世界観」は戦略の階層の一番下。戦略という建物を打ち立てる基盤であると思います。

霊夢:
 まあ上か下かはさておき、戦略には階層があるということにはあんたも同意してるわけよね。

主:
 「戦略」には目的があり、その多くは「自分に都合のいいようにする」というものです。つまり自分に都合のいい「世界観」を打ち立てるための学問が「地政学」であると思います。 ちょっとここで日本と似た立地条件の国、イギリスの地政学について主の妄想を小出しさせてもらいます。

 日本になくてイギリスにはあったものの。イギリスには英仏百年戦争で、大陸と関わってもロクなことがない、何も得られるものがないという苦い経験がありました。 その経験からイギリスの地政学者マッキンダーは、海洋勢力と内陸勢力にランドパワーとシーパワーと名前を付け、そこには境界線があるという世界観を作り出したのだと思います。

霊夢:
 イギリスは日本と違い、「同じ白人だから」なんて理由でフランスやドイツ、ロシアと一緒にやっていけるなんて考えなかったと。

主:
 海洋と内陸は明確に環境が異なり、そこに住まう者たちとの世界観は相容れることはないという経験のもと、「あまり内陸部に関わらないようにしよう。ろくなことがないから」というのが世界の覇権国イギリス、アメリカの国家戦略の基盤となっている世界観なのだと思います。

 さきほども言いましたが、もし第二次対戦前に日本がこの地政学を持てていればと思わずにはいられません。なんでドイツから地政学を学ぼうとしたのか、国の立地条件的に見習うとしたらイギリスだろと。

 イギリスの地政学者マッキンダー、アメリカの地政学者マハンが提唱したランドパワーとシーパワー。これらの世界観は、どちらかといえばシーパワー側の世界観であると思うのです。

霊夢:
 現在の地政学=ランドパワー、シーパワーであるかのように教科書に書かれるのは、覇権国家アメリカとイギリスの世界戦略がそうだからに過ぎないと?

主:
 ランドパワーに多少は干渉してでも、大陸勢力がひとつにまとまることがないようにしなければならないというイギリスのマッキンダー。大陸ヘの干渉は放っておいてもイギリスがやってくれるから、シーレーンだけを確保してヨーロッパにはできるだけ干渉しないようにしようというアメリカのマハン。

 マッキンダーとマハンの視点の違いは、アメリカとイギリスの視点の違い。ドーバー海峡と大西洋の海の広さの違いであると主は思うのです。それに対してドイツのラッツェル、スウェーデンのチェーレンのような、いわゆるランドパワー側の地政学は、あまりランドパワー 、シーパワーの世界観を意識していない気がするんですよ。

霊夢:
 国家戦略は国の数だけ存在すると?

主:
 そう思います。そしていわゆる我々がランドパワーと呼んでいるロシアや中国の国家戦略、それは社会主義、共産主義の世界観にかなり近いと思うのです。

霊夢:
 どういう世界観なのよ。

主:
 世界の国境をなくそう。そして世界中の富を一度自分に集め、自分が世界中の人々に均等に配るよ。そうすれば戦争もなくなり、皆平等で平和だよね。

霊夢:
 なんでだろう?主張だけ聞くと日本以上にお花畑なのに、ちっともお花畑な感じがしないのは。

主:
 すべての人類が完璧に平等で幸福な社会です。何の問題もないでしょう。

霊夢:
 なぜか怖さが倍増したわ。

主:
 社会主義、共産主義の考え方は、ランドパワーのありようと相性が良かったのだと思います。ランドパワーとシーパワーという言葉を作ったのはイギリスやアメリカ、いわゆるシーパワー側の勢力。言葉を作ることで世界に境界線を設けた。それがイギリスやアメリカの国家戦略の基礎となる考え方だったからだと思います。シーパワーはランドパワーに深入りしてはならない、そこには超えられない、超えるべきではない壁があるから。

霊夢:
 あくまであんたの勝手な妄想よね。それであんたは中国の考察の一環としてその前提となる話、ランドパワーとシーパワーの話をしているのよね? これがどう関係してくるって言うの?

主:
 ランドパワー、シーパワーを軍事的な視点で言うと、ランドパワーはインファイター。シーパワーはアウトボクサーであると思っています。産業革命以降、シーパワー側が世界の覇権を握ってきたのは、相手の攻撃の届かない遠くから一方的にボコれる射程と、相手が追いつけない機動力を手に入れたからであると思ってます。

霊夢:
 大艦巨砲主義、戦略空母と艦載機、大陸弾道ミサイル。軍事衛星。どんどん距離を伸ばしていったってこと?

主:
 攻撃が地球を飛び越える範囲に達してしまった現在、シーパワーが一方的にボコれる射程はなくなってしまったのではないか。大量の無人兵器が軍事力の主力となる現在、ランドパワーは存在するのか。また仮にランドパワーとシーパワーに意味が残るのだとして、現在平和な世界であるらしいので、相手はどんどん日本に上陸してきています。

 ランドパワーがすでに懐に入り込んでいる状態で闘いとなった時、アウトボクサーは果たして勝てるのか?? 「ランドパワーとシーパワーは両立できない。ランドパワーである中国が海に出ようとしている。中国はもうすぐ滅びるに違いない」このような話をよく聞きます。

 この考え方は本当なのだろうか。テクノロジーの進歩が、人の思想が、この常識を覆すことはないのだろうか。主はそう思うんですよ。

霊夢:
 なんか一気にまくし立てたけど、結局あんたは移民排斥でも訴えたいわけ?

主:
 科学技術の発達により、どんどん海は狭く、世界は小さくなっています。江戸時代に本州から四国に渡るのと、現代で太平洋を渡るのはどちらが大変なのでしょうか。人の往来は簡単となっている。移民は受け入れるしかないのか。なんか最近の世界の情勢を見ていると、そんなことを考えてしまうわけなんです。

霊夢:
 結局あんたは自分の疑問に何一つ答えを見つけられてない状態なのね。

主:
 申し訳ないことにそういうことです。そろそろ今回のまとめをやっていきますか。

霊夢:
 地政学とは戦略の学問である。戦略には階層があり、その基盤となるのは世界観である。ランドパワーとシーパワーは地政学のひとつの世界観であり、ランドパワーとシーパワーイコール地政学ではない。

 それを踏まえた上で、シーパワーという環境でまとまるには「統治」、ランドパワーという環境でまとまるには「支配」が必要である。軍事的な視点で語るならばシーパワーは相手の攻撃が届かない場所から一方的にボコる。ランドパワーは強いものが法、生き残ったものが正義。

霊夢:
 こんななんちゃって地政学で納得してくれる人いるのかしら。

 地政学を語る上で重要なキーワードになる「ランドパワー」と「シーパワー」。なかなか複雑なようです。解説をノーカットでご覧になりたい方はぜひ動画をご視聴ください。

▼動画はこちらから視聴できます▼

『なんちゃって地政学 ランドパワーとシーパワー』

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