ビールに溺れる人も発生「ロンドンビール洪水」とは? 25mプール4つ分のビールが流出した1814年の事故を解説

ビールに溺れる人も発生「ロンドンビール洪水」とは? 25mプール4つ分のビールが流出した1814年の事故を解説

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 今回紹介する、ゆっくりするところさん投稿の『【1814年イギリス】ビールの洪水で水没した人々…中にはカップをもって駆け付けた人も【ゆっくり解説】』という動画では、1814年のイギリスで発生した「ロンドンビール洪水」について解説を行っていきます。

【1814年イギリス】ビールの洪水で水没した人々…中にはカップをもって駆け付けた人も【ゆっくり解説】

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ビール樽の大爆発がロンドンを襲う

魔理沙:
 今回紹介するのは、以前からリクエストをもらっていたロンドンビール事件だ。

霊夢:
 ビールってお酒の?

魔理沙:
 ああ。これは非常に古く、また珍しいものなんだが、世界中で語り継がれるほどの大惨事となった事例のひとつだ。今回も例によってその紹介の一部でショッキングな表現をせざるを得ない部分がある。

 それに、これはあくまでも事故の概要を伝えるものであり、すべての事柄を詳細に正確に解説する動画ではないなので、以上のことを理解し了承できる人のみ視聴を続けてくれ。

 それじゃ早速本題に入る。イングランド南東部にある首都ロンドン。ここはヨーロッパ圏最大の都市であり、芸術や娯楽をはじめとするさまざまな産業分野で強い影響力を持つ地域だ。

 1814年、そんなここロンドンのほぼ中心にある地区「セントジャイルス」。ここにはモイクス醸造所という巨大なお酒の製造拠点があった。この醸造所は当時、この家に存在した貧民街と救貧院の中間に建設されており、多くの従業員が働いていた。

霊夢:
 救貧院ってあんまり聞かない言葉ね。

魔理沙:
 そうだな。これはかつて公的に運営していた施設のひとつで、生活に困窮している人や、高齢で働けなくなった人など社会的経済的に困窮し、それが認定された人たちが暮らす施設だ。

霊夢:
 生活保護の施設版みたいな感じかしら。

魔理沙:
 国や地域によっては慈善団体や民間が運営している場合もある。当時のこの地域は非常に治安が悪く、また就業率もあまり高くなかったからな。この醸造所ではビールを大量に生産していた。

霊夢:
 ビールってどうやって作るんだっけ?

魔理沙:
 ビールは麦やホップという植物を発酵させてつくるものだ。簡単に言うと、収穫した麦を寝かせて芽を出させ、麦芽という状態にしたものを水で煮て糖化させ、それに酵母を加えて貯蔵、発酵させた液体。

霊夢:
 なるほどね。発酵させてるからあんな感じでシュワシュワするのね。

魔理沙:
 醸造所にはビールを貯蔵するための樽がいくつも設置されており、その中では発酵が進んでいた。しかしこのビールが原因でこの街に恐ろしい災害が起こってしまう。

 10月17日、午後6時ごろ。醸造所に保管されていた高さ約7メートル、幅18メートルの巨大な醸造タンク(樽)を固定していた、金属ベルトのひとつが勢いよくはち切れた。

 このベルトはタンク中央部から29個巻き付けられており、タンクの形状を保ち固定するためのものだった。最初の1本が切れた後、次々と他のベルトもちぎれていき、醗酵により内圧が高まっていたタンクの形状を保持することができなくなった。

霊夢:
 そんな大きなタンクが壊れたら……。

魔理沙:
 そしてタンク中央部に亀裂が入り、そこから中身のビールが勢いよく飛び出した。このタンクから飛び出したビールは醸造所内のほかのタンクを破壊し、施設内にビールの洪水が押し寄せた。

霊夢:
 ビールの洪水……。

魔理沙:
 このビールの波は、他の樽までをもなぎ倒し、醸造所内のほぼすべての樽を破壊していった。数分ほどで醸造所内はこのビールに沈んでしまったが、被害はこれだけではなかった。

 およそ150万リットルものビールの波は、醸造所から勢いよく飛び出し、周囲の施設、民家2軒を飲み込んでいった。「ビールならいいじゃん」と一瞬思った人もいるかもしれない。しかし、ここまで大量のビールに襲われれば人間はおろか、建造物でも容易に破壊され流されてしまう恐ろしさがある。

霊夢:
 150万リットルって多いのはわかるけど、いまいちピンとこないわね。

魔理沙:
 そうだな。たとえが難しいが、25メートルプール約4杯分といったところだな。

霊夢:
 それが一気に……。

魔理沙:
 この醸造所が建設されていた地区は、人が密集した場所ではなかったものの、先述したとおり貧民街や救貧院がすぐ隣にあった。これらの建造物はビールの波によってその基礎ごとなぎ倒され、倒壊。甚大な被害、そして大混乱を巻き起こした。

 このように周囲の建造物も大きな被害を被ったわけだが、もっとも悲惨だったのは醸造所の地下だった。

霊夢:
 地下?

魔理沙:
 ああ、実はこの醸造所には地下室があり、そこにはここで働く従業員たち、そしてその家族が寝泊まりしていたんだ。彼らはその居住区で普段通りに生活していたが、突然地上から大量のビールが流れ込み、地下室は水没。

 建物自体も一部が倒壊していたため、その落下してきたがれきや流れ込むビールの勢いで脱出することができず、地下には子どもたちなどもいたが、そのほとんどが亡くなっていた。

 事故発生後、すぐに被害者たちの捜索、生存者の救出などが開始された。奇跡的にあの地下から1名の男性が救出されたが、体内に侵入した大量のビールによって急性アルコール中毒となり、その後病院で亡くなった。

 ビールの海で溺れてしまっていたため、意図せず短時間で大量のビールを飲み込んでしまっていたのかもな……。

霊夢:
 ただ溺れるだけじゃなくて、アルコール中毒にまで……。

魔理沙:
 最終的な被害としては、隣接するパブの従業員女性1名、醸造所の地下室で亡くなった7名。一度は救助されたがその後急性アルコール中毒で亡くなった男性の合計9名。その他重軽傷者も多数出ていたとみられている。

 これはほんの数十分間の出来事だった。その後、醸造所は約150万リットル(推定)ものビールを流出させ、深刻な被害をもたらしたとして、法的な追及を受けたが、「ビール樽の破損は不可抗力であり、醸造所側に過失は認められない」として、最終的に「不可抗力だった」という結論になった。

霊夢:
 でも何か不備があったから爆発したんじゃないの?

魔理沙:
 ああ。樽が破損した直接的な原因は現在でも明らかにはなっていないものの、状況などからの推測では、ビールの発酵時間が長すぎたことで想定以上に内圧が上がり、固定していたベルトがそれに耐えられず、ちぎれてしまっていたものだと考えられている。

霊夢:
 それでも醸造所側の過失な気がするけど。

魔理沙:
 現在の常識で言えばな。これはあくまでも当時の司法判断なので、現在の感覚や常識を当てはめるのは、あまり良いことではない。しかし当時はこの判決よりも、事故直後の市民たちの行動の方が問題視されていた。

霊夢:
 市民の行動?

魔理沙:
 ああ。ビールが大量に町に流れ出していたことを聞きつけた市民たちは、その危険などを考えずマグを持参し、地上に流れ出てきたビールで酒盛りを始める人が続出したんだ。

霊夢:
 えええ? よくそんな道路とかに流れてるビール飲めるわね。

魔理沙:
 これは背景として地域的な治安の影響もあったかもしれない。貧民街だったこのあたりは、普段から非常に治安が悪く、事故や事件が頻繁に発生しており、路上生活者も多かった。

 その影響か、犠牲者の遺体を見せ物にし、金銭を得ようとしていたものが現れ、逮捕されるなどの騒動もいくつか発生していた。

霊夢:
 遺体を?

魔理沙:
 ああ。しかもそれらは被害者の家族や親族によって行われるケースが多く、ビールで一杯になったあの現場自体を展示物として、勝手に料金所などを設置していた者もいた。

霊夢:
 家族がそんなことするって治安が悪いってレベルじゃないんだけど。

魔理沙:
 これらは直ちに警察が介入してすぐに撤去されたが、しかしこういった行為によって、被害者や生存者捜索の妨げになっていたそうだ。この醸造所は貯蔵していたビールのほとんどをロスト。

 これらにかかっていた税金はすでに納付済みだったため、会社は巨額の損失を被ったが、損失分の税金に対しては返還が認められ、その後事業を立て直したという。

 その後、この醸造所は1922年まで操業されたが、現在はドミニオンシアターという劇場が立っている。事故後の数カ月間はこの地区でビールの匂いが漂い続けたらしい。

 プール4杯分のビールの海……考えただけで恐ろしいですね。解説をノーカットでご覧になりたい方はぜひ動画をご視聴ください。

▼動画はこちらから視聴できます▼

『【1814年イギリス】ビールの洪水で水没した人々…中にはカップをもって駆け付けた人も【ゆっくり解説】』

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