実在する“別れさせ屋”の恐ろしすぎる手口「下調べに1〜2週間、成功率は最初の10分に。あとはホテルまで一直線」【語り:元探偵ファイル山木陽介】

実在する“別れさせ屋”の恐ろしすぎる手口「下調べに1〜2週間、成功率は最初の10分に。あとはホテルまで一直線」【語り:元探偵ファイル山木陽介】

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 潜入ライターとして活躍するニポポ氏(@tongarikids)がMCを務めるniconico公式番組「ニポポのニコ論壇時評」。今回は情報サイト「探偵ファイル」の元記者で総合探偵社SKY株式会社代表取締役の山木陽介氏(@yamaki_yosuke)をゲストに迎え、その実態は謎のベールに包まれている“探偵業”のアレコレについて特集しました。

 探偵業と切っても切れない関係にある「浮気調査」。本記事では、山木氏によって語られる壮絶すぎる過去の浮気調査エピソードを紹介。さらにフィクションではなく現実に存在する「別れさせ屋」の手口にも言及します。

左からニポポ氏山木陽介氏

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「同性」との関係は浮気に入る?

ニポポ:
 調査依頼してみて、実際に浮気を押さえられた、ホテルに出入りしてる、しかも意外と常連さんで付き合いも長いぞというのがわかった。しかし、相手が“トンデモナイ相手”だった、とのことですが。

山木:
 あと、ほとんどの女性も男性もそうだと思うけど、許せる相手と許せない相手というのがいて。

ニポポ:
 なるほど。

山木:
 大概、女性の心理として、顔の見えない相手だったらまだまだ許す余地が残るんです。キャバクラの女の子だったとか、出会い系で知り合った女の子でしたとか、まあしょうがないって思える何かが残ってるんですよ。これが昔の彼女だったとか、職場の同僚だったとか、あと、奥さんの友達だったとかが最悪で。

ニポポ:
 それはやばい。しかも結構ありそう(笑)。

山木:
 あと、奥さんと面識がある人。これって奥さんからしてみると「私のこと、なめてるにもほどがあるよね」っていうことになるんで。許せないというか、大概泥沼ですね。

 浮気相手が同性でも許せなくなるでしょうね。

ニポポ:
 同性への浮気っていうのは、結構みんな厳しいもんなのかな。

山木:
 どうなんでしょうね。自分の彼女、奥さんが同性と浮気しましたって言ったら許せるかっていう。

ニポポ:
 女性とホテル行ってた。いや、まず話聞かせてよって(笑)。

山木:
 むしろ俺も混ぜてみたいな(笑)。

ニポポ:
 なるなる。「その人は男もいけるのか?」みたいな。

山木:
 やっぱり許せないのは大抵面識がある人ですよ。ちなみに同性なら浮気に認定できないですね。

ニポポ:
 たとえば、僕が誰かとすごい頻度でホテルに出入りしているとします。けれど、その相手がニューハーフだった場合は法的にどうなりますか?

山木:
 離婚を成立させる条件があるんですが、それに抵触するんですよ。浮気、いわゆる不貞行為ではないんだけど、離婚を成立させるほかの要件に抵触してくるから、結果的に浮気じゃないんだけど、離婚はできるんですよね。

 同じ理由として、風俗嬢との浮気はどうなるのかというと、風俗嬢は浮気ではないんです。あれはお金を払っている対価なので。

ニポポ:
 じゃあ、扱いとしては……それこそテーマパークに行って遊んできただけですよね?

山木:
 言ってしまえば(笑)。だけど、これが店舗だけじゃなく、外まで連れ出したら……とか。週6回、同じ相手を指名したらどうなの? とか。それもまた判例では浮気じゃないです。だけど、違う内容によって離婚はできるんですね。

 浮気相手を見つけることが目的ではなくて、離婚したいというのが先にあるゴールなんです。その場合は別に浮気にこだわることは全くないです。それは風俗に1回だけ行ってたとしてもアウトな奥さんもいれば、「昔の男と軽く会ってもいいですよ」ってタバコをくゆらすぐらいの達観してる男もいます。

ニポポ:
 すばらしい(笑)。

20万円の持ち逃げを100万円かけて見つけるケース――「事件の香りですよね」

ニポポ:
 調査で見つけ出した相手が行方不明に。これはいわゆる人探し案件ですよね?

山木:
 そうそう。

ニポポ:
 でも、人探しってめちゃくちゃ大変じゃないですか。これって、もちろん依頼者さんからいろんな手がかりになるようなキーワードをいっぱい聞くと思うんですけど、それをきっかけに「ここにいそうだな」となってから調査開始の依頼を受けるんですか。それとも、何となくいけそうな気する、みたいな感じで受けちゃうのか。

山木:
 そのあたりもお話をしっかり聞かなきゃいけないんですけど、大前提として行方調査は尾行調査を前提とする不倫調査とかに比べてお金がかかるんですね。

ニポポ:
 そりゃそうですよね。

山木:
 一般的な予算の話をすると、100万円を切ることはまずないんです。簡単に見つかろうが見つからなかろうが、僕らが最初の経費として半分、50〜60万円もらっておかないと、調査がそもそもできないっていうようなものもある。

 これが前提になってくる一方で、それでもお願いをしてくるっていうことは、大概お金が絡むか、愛憎が入り混じってるんです。見つけ出した相手に何するの? っていう話なんですよね。

 「20万円を持ち逃げして俺のことを裏切った元社員を見つけ出したいです」という依頼に対して「それには100万円かかります」という返事に、「はい、わかりました」とはなかなかならず……。これ、20万円とかお金の問題じゃなくて、事件の香りですよね。

 100万円を持って逃げたやつを同じ100万円を使って見つけ出すということもないんですよ。メリット、デメリットを考えてられなくなっちゃってるから。1000万円、1億円を持って逃げた人を100万円使って調べたいですっていう依頼はわかるんですけど、でも、見つけ出しても同じく事件の香りですよね。

 同じように100万円払って昔の彼女が何してるか調べたいって言ってくる人がいたとして、その人の所得はいくらあるの? という疑問が湧きますよね? これが3000万円ぐらい年間の所得である人だったら、1割ぐらいの金額である300万円ぐらい払う人はいますよ。

 これは女性に多いんですけど、自分が結婚することが決まったときに、昔の彼氏が何してるか知りたいという依頼もあります。

ニポポ:
 気持ちはわからなくないですね。

山木:
 自分が選んだ男が正しかったのか。あと、自分が振ったあのときの選択は正しかったのか。それが知りたいということですね。女性に多いです。男性には……まあ、いない。

ニポポ:
 かわいい感覚ですね。

山木:
 ただ、それについても「100万円かかります」って言ったときに、「えっ?」ってなるのがほとんどですね。

 これもまた高額な報酬を払える所得がある女性だと払うんですね。見つけ出して満足して終わる人であればいいんですけど、満足しなくて終わる人が9割9分です。

ニポポ:
 めっちゃ多いじゃないですか。

山木:
  多いですよね。金か情念が絡まなければやらないんですよ。見つけ出した上で何かが起こる可能性があるから、「調査報告書の内容を悪意ある使い方をしません」と書かれた契約書を依頼人との間で組みます。

 実際、調査報告をもとに依頼人が調べた相手に何かやってしまいましたっていうときは、大抵僕らに嘘をついて依頼をしているんですね。調べてほしい相手は“生き別れた妹さん”でも“恩師”でも“蒸発したお嫁さん”でもなかったんです。

 見つけ出した結果、大体半年から1年後ぐらいに警察が僕たちの事務所に来て、依頼人と交わした契約書を見て「探偵さんに非はないね」って免責にしてくれるのは、後々2年から3年後になって初めてわかる話です。リアルタイムじゃわかんないですね。大概、細かくしっかりしたうそを依頼人がついているがゆえにわからない。

ニポポ:
 じゃあ見つけたときは「やっと家族に会えます。本当に助かりました、恩に着ます」みたいな?

山木:
 そりゃあ、見つけ出してもらえてうれしいでしょうね。

ニポポ:
 恐ろしいな……。これ、契約書の捺印を取り忘れたとかいったらとんでもないことになるでしょうね。

山木:
 だから先に書かせなきゃやらないですね。行方調査って、関西じゃできないですもん。

ニポポ:
 どういうことですか。

山木:
 できないわけじゃないんだけど、関西だと広告をおおっぴらに出せないんです。関東だと別にそんなでもないですけど、関西だと結構みんな及び腰ですね。

 世間一般の風習として関西のほうが、どうしても差別が強いんですよね。「何でその人を調べたいの?」っていうことになってきて、行方調査っていうのも結婚調査とかいわゆる部落、特定の外国人、そういうような関わりを見つけ出すってなってきた時、アレルギー反応が強いのが関西なんですよ。

ニポポ:
 そういう身辺調査をしてくれっていう依頼もないことはない?

山木:
 多いですよ。お金かけて調べたいっていうのは人の知られたくないところだったり、でも、逆を返せば暴きたいことでもあるし。

ニポポ:
 街歩きする人は見たことたまにあると思うんですけども、関西だと行方不明の案内で個人情報が沢山載っている、A4のチラシみたいなのが街中にとか電信柱とかに貼ってあったりして。

山木:
 本人がその辺を気にしなくても、家族が気にして結婚に至らないとか。調査を依頼してくるのが親御さんだった時に、大抵何を知りたいのかって、そこなんですよ。

 気持ちはわからなくはないんですけど、僕の出した報告書を元に相手の人生が100%狂っちゃうんですよね。

ニポポ:
 本当ですよね、そこで結婚が破談になったりとか。ここで何か知っちゃった人がそれをまたどう使うのかって、一応調べた側としては、「悪いことに使うなよ」とは言いますけどね。

山木:
 悪用以外しようがないですよね……。

 大概、結婚が破談になるのがそのケースで、探偵のNGの一つが「差別」。でも、はっきり言う依頼者は少ないんですよ、最初の段階で「息子の付き合ってる彼女が部落かどうか調べろ」なんて、そんな入り口の時点でシャットアウトなんていうのはなかなかなくて、「せがれが付き合ってる方を調べないと、自分の納得がつかないんだ」とかそういうところから始まって。

 借金が一番多い理由なんですけど、借金を持ってたときに、うちの家族に降りかかるのは困るとか。あと、特定の宗教を信じてないかとか、特定の思想団体に入ってないかとか、政治団体とか、そのようなことを言ってくるんですけど、それがじゃあ正当な理由かってなってくるときに、関西だとNGなんですよ。

ニポポ:
 だめなんですね?

山木:
 だめというか、アレルギーがあるので。関東だと受けちゃう人も多いんですよね。大概それも後々になってわかってもめ事になって、訴訟沙汰になることもあるので、例の契約書にサインさせておく。そのサインをもらうのも面倒臭いっていうのが先立つんで、だから入り口の時点でシャットアウトしちゃいます。

「別れさせ屋」の特徴

ニポポ:
 「別れさせ屋っていうのはどう?」みたいなコメントも視聴者からきてますよ。

山木:
 そりゃ当然ありますよね。

ニポポ:
 じゃあ、その別れさせ工作のためにストーリーを書いて……で、あるカップルを別れさせる。これ、結構パワー使いそうな気がしますけど。

山木:
 別れさせ屋は、本当に博打の世界です。別れさせることはできても、そのあと依頼人と付き合うかどうかっていう問題もあるし、事件にもなりやすいので(笑)。

ニポポ:
 事件になっちゃうこともあるんですね。

山木:
 やらないに越したことはないです。警察からのやらないでくださいっていう指導もあります。結果的にやったことが別れさせになっちゃったとかそういうのはあるんですけど。テレビとかで話題になる別れさせ屋の工作員が対象者に近づいて、対象者と工作員とが何とかなっちゃってとか、あれは、結構簡単なパターンですよね。

ニポポ:
 そういえば僕、セクシー女優さんの友達が何人かいるんです。今から7、8年前、まだ別れさせ屋という言葉がない時代に、「いろんな仕事をしている」って言うセクシー女優さんの友達に、「どんな面白いことやってるの?」と聞くと、「別れさせる」ということやっている子がいましたよ。

山木:
 セクシー女優さんだったらそのあたりのハードルは低いでしょうからね。

ニポポ:
 それが、「面白いようにできる」って言ってました(笑)。

山木:
 男はバカな生き物ですから、7、8割ぐらいの男はどんなに心に決めた女性がいても、バーで横にいた女に気を許すんですよ。

ニポポ:
 そう、いっちゃう(笑)。

山木:
 これが残りの2割の流れない男になってくると結構難しいんですよ。別れないんで。

ニポポ:
 流れるくせに別れないやつもいますからね(笑)。一番扱いにくい。

山木:
 あと、実際、男性も女性もそうなんですけど、好みの異性を見つけるのがまた難しいんです。胸元全開の香水ぷんぷんのっていうのを嫌う男性もまたいるんで。実際に自分なんかそうなんですけど、バーとかでそんな感じで女がきたら工作だと思う。

ニポポ:
 すごい人生歩んでますね(笑)。

山木:
 誰かの工作か、あるいは何か後ろで糸を引いてるやつがいるに違いないと、絶対に思います。

 とりあえず名前を聞いて、Googleで検索をかけるんですよ。それでSNSに出なかったらおかしい。今、25歳から35歳ぐらいの女性が、SNSを何もやってないなんていうことはまずないですよ。

ニポポ:
 そこに出てこないっていうことは、「これ、偽名か?」みたいな?

山木:
 でも、やってないのと隠しているのはまた違うから。大概そんな承認欲求の塊みたいな女がSNSをやってないわけもないし。やってなきゃやってないで、逆に「Facebookとかインスタやってる?」と聞くんです。やってないっていうふうに言ったら、「何でやってないの?」っていう話に当然なるし、そんな会話になる、ならない以前に、なぜ横にいる俺に話かけてくるんだ? っていうことですね。

ニポポ:
 (笑)

山木:
 でも、実際に酔っ払ってると、男性も女性もその辺の警戒心が下がります。成功率は、やっぱり最初の10分にかかってるんですよ。最初の第一印象がとにかく重要で、5〜10分話し込んで自分に興味を持たせること、それにすべてかかってるようなものですね。

ニポポ:
 すごい。

山木:
 だから最初の接触までに1〜2週間、調査の時間がかかるんですよね。そして、そこにお金もかかるんですよ。

ニポポ:
 下調べであったり?

山木:
 そうです。あとはもうホテルまで一直線なんで、簡単なんですよね。そこに至るまでが難しくて。

ニポポ:
 その対象者がラッキーと思える状況を作り込めばいけなくはない?

山木:
 あと、接触できる場所に行かない人も困るんですよ。今、バーでのお話をしましたけど、お酒を飲まない人ならどうするの? 飲まなくても飲んでも、いわゆる人と接触する場所に行かない人はどうするのかと。1週間ぐらい尾行して、趣味が一つも二つもある人だったら楽ですよ。

 例えば、お酒は飲まなくても趣味がボルダリングとかいう人だったら、同じジムに入会すれば楽ですし。映画を見るとかだったらわざと隣に席なるようにとか、あとは、何度も何度も面識ができるようにすれ違うとか、いくらでもそういう方法はあります。ただ、これが家でずっとFXやるような方だと、どう接触するの? という問題があります。

 ちなみに、こういったハニートラップの着手金は100万円からですよ。女性工作員の報酬も当然高いです。あと、事前調査にもすごい時間がかかります。

ニポポ:
 確かに。そこも割り切ってしっかりとお金をためてから頼もう。

山木:
 200万円ぐらい請求されて、払おうにも払えないとかいう人もいますから。

▼記事化箇所は57:12から視聴できます▼

「探偵やってるけど質問ある?ニポポのニコ論壇時評」

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