映えとおいしさがうずまくLINA STORES【辛酸なめ子の東京アラカルト#54】

(絶妙なグリーンのストライプが目を引きます。インスタグラマーは外の席でよく撮影してます)

このところインスタでおしゃれピープルがしきりに投稿しているのがLINA STORES。淡いグリーンを貴重にした外観の映え度が高く、ぜひあの空間に行きたいという思いにかられていて、先日ついに訪れることができました。

■ロンドンで人気のデリカテッセン

東京・表参道の246からちょっと入った場所に、インスタで眺めていた憧れの建物がありました。1944年に創業されたロンドンで人気のイタリアンデリカテッセンの、英国外初の旗艦店。半径10mにはヨーロッパのような空気が漂っています。適度に高級感があって、でも敷居が高すぎない素敵な店構えです。

(オープンキッチンを眺められる席も。照明もかわいいです)

中に入ると結構な広さ。オープンシアター型のキッチンとパスタ工房を併設していて、手作りの生パスタが推されています。

(デリのコーナーに並んでいた生パスタ。乾麺も売られていますが生の訴求力が高いです)

入って右側にはデリのコーナーがあり、生バスタが100g250円とかで売られていて、意外とお買い得です。他にもハムやチーズ、本場のマリトッツォ、カンノーロ、パニーノなどが並んでいました。開店してわりとすぐに行ったのでまだ惣菜系はあまり売られていなかったのですが、今後はラインナップが充実する予定だとか。

ロンドンのデリといえば思い出されるのが同じ表参道にあったフランツアンドエヴァンス ロンドンです。

ロンドンの食のイメージを変えてくれたヘルシーでおしゃれな料理でしたが、7月に惜しまれつつ閉店してしまいました......。その思い出を胸に、新たなロンドン発の店の料理を試したいです。

 

■実はコスパがいい? 上質なテイストの料理

(ボックス席のインテリアも素敵でした。友だちと集まれる時代になったら利用したいです)

行った日はまだ席の余地があったので、人気の生パスタをオーダーしてみました。

パスタのメニューを見ると「豚ひき肉とポルチーニの煮込みソース」(1500円)、「蟹と帆立のロンディーニ(詰め物パスタ)ビスクソース」(2100円)といった豪華な具のパスタもありますが、ロンドン人気NO.1はシンプルな「フレッシュトリュフとバターを使ったタリオリーニ」(2000円)だそうで、トリュフという響きに惹かれてオーダー。お皿が運ばれてくるときからトリュフの香りがしましたが、お皿を見ると想像以上にのっています。

(「フレッシュトリュフとバターを使ったタリオリーニ」は黒トリュフがサラミのようにトッピング)

以前、フレンチのディナーで「黒トリュフをトッピングしませんか?」とシェフに言われて「はい」と気軽に答えたところ、ひと削りでひとり5000円も加算されたことがあり......トリュフにはトラウマがあったのですが、2000円でこんなに大量にトリュフが食べられるとはコスパが高い気がしてきました。

トリュフの思い出もポジティブに更新。店内を見ていると10分に1皿は出ている人気メニューです。

(「3種のたっぷりきのこソース ほうれん草入りマファルディーネ」も、具がきのこのみというシンプルさがおしゃれです)

さらに頼んだ「3種のたっぷりきのこソース ほうれん草入りマファルディーネ」(1600円)も、見たことがない珍しいちぢれパスタで濃厚なソースがひだに絡んでおいしいです。ほうれん草が練り込まれた麺なので完全食と思えば安いです。

「イタリア風茄子のコロッケ」(850円)は衣が薄く、ナスの凝縮した味わいを楽しめる一品。どれも洗練されていました。

つい手頃な価格の料理ばかり頼んでしまいますが「スズキのソテー グリルドトマトとレモン添え」(3500円)、「骨付き牛肉のグリル フィオレンティーナバターソース」(4500円)といった高めのメニューもありました。

でも肉好きの人によると牛肉のグリルは400gなのでそんなに高くないのでは? とのこと。緊急事態宣言下だったのでノンアルコールカクテルも充実していて700〜800円でした。

イギリスに行ったらもっと物価が高いと思われますが、日本のイギリスだからこそ、こんなに手軽に素敵な料理が食べられるのでしょう。旅行できない今、ありがたいです。

(マグカップやトートバッグ、Tシャツなどのアイテムも売られています。何もかも映えそうです)

写真映えするからか、お客さんの7割は若い女性だったので、若いエネルギーも吸収できました。彼女たちのインスタの風景の一部にでもなれれば光栄です。

辛酸なめ子

東京都生まれ、埼玉県育ち。漫画家、コラムニスト。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著に、『ヌルラン』(太田出版)、『タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後』(PHP研究所)『スピリチュアル系のトリセツ』(平凡社)『愛すべき音大生の生態』(PHP研究所)などがある。

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