世界に誇る旗艦店「無印良品 銀座」のブランド力【辛酸なめ子の東京アラカルト#27】

世界に誇る旗艦店「無印良品 銀座」のブランド力【辛酸なめ子の東京アラカルト#27】

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有楽町の無印が2018年12月に閉店してから、無印旗艦店ロスと閉店セールに行かなかった後悔を抱いておりましたが、さらにパワーアップした世界旗艦店「無印良品 銀座」が4月にオープンしました。無印好きの一人として開店した次の日から、4、5回訪れています。

絶妙におしゃれなお弁当は500円〜

開店直後は建物の入口前に列ができるほどにぎわっていました。地下のダイナーも行列で何度かあきらめました。そしてパン屋はいつも売り切れまくっています......。

ビルの中で最も混んでいるのは1階の食品売り場。無印の従来の食品やお茶だけでなく、生野菜が売られているマルシェコーナー、ベーカリー、ジュースバーなどが特徴的です。

そしてさり気なく惣菜コーナーがあるのがありがたいです。キーマカレーやケールのサラダなど、絶妙におしゃれでおいしいお弁当が500〜600円位で売られていて、有楽町近辺で手頃な価格でテイクアウトできる場所として脳内にメモしたいです。無印のレトルトカレーをかける用の単体ライスも売られていました。

地下の「MUJI Diner」は何度か通って空いているタイミングで利用できました。まだオペレーションに慣れていないのか注文が通っていなかったり、隣に間違って運ばれて、そのお客さんが食べてしまってその人はタダになるという、若干理不尽さを感じるできごとがありましたが、マグロやブリが乗ったりゅうきゅう丼や、自家製豆腐などおいしかったです。

無印ワールドに包まれる安心感

食品以外の商品のフロアでは、広い面積を生かして、布や籠などを大々的に展示したり、ペンやボールペンを壁一面の棚に並べたり、天井から掃除用具が下がっていたりと、シンプルながら素材感を打ち出した無印ワールドが各所で広がっています。

2階から上はエスカレーターの横に椅子もあってありがたいです。服のフロアには、親子お揃いで上下ネイビーのデニムのマネキンが。こんな家族実際にいそうです。そしてよく見ると店内にはムジラーっぽい、シンプルなデニム系ファッションのお客さんが多いような。濃いネイビーのデニム素材のシャツに布のトートバッグ、布のトートバッグ、丸みを帯びた形の靴、といった典型的なおばさまも。

上のフロアは意識が高い感じで、6階にはギャラリーもありました。4月は、デザイナーズオブジェや、クリエイターが「デザインとは?」という問いに答えた紙などが展示されていました。1階の喧噪を超えてエスカレーターを上がっていくと、意識の高みに到達できます。6階には「WA」という和食店があり、こちらは結構穴場かもしれません。

地下から6階まで無印の店内を歩いてみて、心地よい安心感に包まれました。無印は、決して無印の範疇を出ないということを実感しました。コンセプトがしっかりしているからでしょうか。想定外の驚きがなくて、常に安定した感情を保てるのが無印が日本人に受け入れられている理由なのでしょう。日本人の死後行く霊界は無印テイストかもしれないと妄想。逸脱せず、でも必要なものは何でもある、無印の魅力を再確認しました。

辛酸なめ子

1974年、千代田区生まれ、埼玉育ち。漫画家・コラムニスト。著書に、『消費セラピー』(集英社文庫)、『女子校育ち』(ちくまプリマー新書)、『女子の国はいつも内戦』(河出書房新社)、『なめ単』(朝日新聞出版)、『妙齢美容修業』(講談社文庫)、『諸行無常のワイドショー』(ぶんか社)、『絶対霊度』(学研)などがある。

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