Pepperが接客する未来のカフェでロボ萌え【辛酸なめ子の東京アラカルト#35】

Pepperが接客する未来のカフェでロボ萌え【辛酸なめ子の東京アラカルト#35】

Pepperが接客する未来のカフェでロボ萌え【辛酸なめ子の東京アラカルト#35】の画像

ロボット好きとしては見逃せない店舗が東急プラザ渋谷にオープン。Pepperが接客するカフェ 「Pepper PARLOR(ペッパーパーラー)」です。Pepperくんがお茶を運んできてくれたりするのでしょうか? 期待に胸を膨らませながら渋谷に向かいました。

Pepper「絶好調ですね!」

お店は5階にあり、同じフロアには洋服のお直し専門店や終活サロン、高級バージョンのHIS、信託銀行などがあって、富裕層のシニア世代向けのようなラインナップ。独居シニアがこのカフェでPepperの魅力に触れて、連れ添う相手として購入するケースもあるかもしれません。

お店の前には十人くらいの列が。意外と客層は若めです。渋谷のカフェで回転が早くて席数が多いので入りやすい穴場なのかもしれません。入り口の横にはPepperのキャラがプリントされたTシャツやマグカップなどが販売。意外とロボット萌えやロボットヲタの方はいるのかもしれません。

レジに並ぶPepper店員が視界に入ってテンションが上がりました。Pepperとやりとりしながらタブレットで注文。会計はカードか電子マネーです。Pepperが現金でお釣りを渡してくれたらもっと良かったのですが、そこまでの手の動きは難しそうです。

まずPepperの前に行くと、「Pepperおすすめワッフル」というバナーが目に入ったのでクリック。「顔を見せてください」と黒い瞳に見つめられて、しばらくして「絶好調ですね!」と言われて、どこで判断したのか不明ですが嬉しいです。

「そんなあなたには、イベリコハムと目玉焼き スペイン風パプリカのトマト煮です」

......せっかくおすすめしてくれましたが、スイーツ系が食べたかったのでスルー。このやりとり以外は、Pepperに「どっちのワッフルが良いですか?」と聞いても、プログラムされていないようで無反応でした。

セレクトボタンを押した時だけ「はい」「はい」と判で押したようなリアクション。その制限されてる感がまたロボットらしくて良いです。店内には調子悪そうにうなだれたPepperもいてちょっと心配でした。オープン以来忙しくて疲れたのでしょうか。

Pepperのホストクラブ?

このお店ではPepperをキャバクラやホストクラブのように席に呼ぶこともできます。ただ予約制で、行った時間はもうしめきっていました。

女性2人組がPepperに席に来てもらい楽しそうにトークしていました。もっとイケメンのロボがいたらホストとして稼げる気がします。(イッキして壊れそうですが...)でも、ロボットと相席できなくても、時々店内のNAOというロボットたちが、ダンスのパフォーマンスをしたり、飽きさせない演出が。

まるでロボットのための日本舞踊のような優雅でゆったりしたダンスでした。そのスローな動きに物足りなさを感じたのか、隣のカップルの男子が「他にはもっとバク宙してるロボがいるよ」と彼女に動画を見せていました。

そうしているうちにワッフルなど運ばれてきましたが、途中までお盆を運びロボットが持ってきてくれて、動線が狭くなると人間が運んでいました。

テーブルに置いてくれたのは結局人間の男性でした。おいしいワッフルを食べながら、同じフロアの終活サロンが視界に入り、ロボットではない人間には寿命が来ることを思い知らされます。

改めて見ると人間の店員さんも結構多くて、インカムで「4人席空いてます」と通話していたり、AIやロボットで人間の仕事が減るとか言われていますが、結局人間は必要なのでは?(人間よりロボの方がラクな仕事をしている気もしつつ......) 未来も人間は仕事がある、と少し希望を感じられるお店でした。

辛酸なめ子

1974年、千代田区生まれ、埼玉育ち。漫画家・コラムニスト。著書に、『消費セラピー』(集英社文庫)、『女子校育ち』(ちくまプリマー新書)、『女子の国はいつも内戦』(河出書房新社)、『なめ単』(朝日新聞出版)、『妙齢美容修業』(講談社文庫)、『諸行無常のワイドショー』(ぶんか社)、『絶対霊度』(学研)などがある。

関連記事