母アザラシ、ハワイのビーチで遊泳中の女性を襲う「子を守ろうと攻撃止めず」(米)<動画あり>

母アザラシ、ハワイのビーチで遊泳中の女性を襲う「子を守ろうと攻撃止めず」(米)<動画あり>

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米ハワイ州オアフ島ワイキキの中心部から近いカイマナビーチで今月24日、子連れのハワイモンクアザラシが遊泳中の女性に襲いかかった。母アザラシは2週間前に赤ちゃんを出産しており、子を守ろうとしたとみられている。『Hawaii News Now』などが伝えた。


ハワイモンクアザラシの“ロッキー(Rocky)”が24日午前8時頃、カイマナビーチで遊泳中だった女性に突然襲いかかった。

女性はカリフォルニア州出身の60歳の小学校教師(名前は明らかにされず)で、アザラシが近くにいることに全く気付かなかったというが、泳いでいたのはロッキーが今月9日に雄の赤ちゃんを出産した場所の近くで岸から約6~7.6メートル(20~25フィート)ほど離れていた。

当時の様子を捉えた動画では、1人で泳いでいた女性が水中から頭を上げると、ロッキーが女性に乗りかかるように襲いかかるのが見て取れ、周囲からは「早く岸に上がって!」という叫び声が響いている。

海のそばのコンドミニアムにいて、12階のバルコニーから遊泳中の妻をカメラで撮影していたという男性は「ハワイ州土地自然資源局(DLNR)」に対し、当時のことをこのように説明した。

「妻が泳ぎ始めた時間はまだライフガードはおらず、10人ほどが海に入っていきました。ビーチからアザラシの姿は確認できませんでしたが、アザラシの親子はカイマナビーチから離れた『戦争記念水泳場(War Memorial Natatorium)』の近くにいたようです。」

「赤ちゃんアザラシはその後、眠ってしまった母アザラシから離れ、公には閉鎖されている水泳場に行って泳ぎ始めました。そして眠りから目覚めた母アザラシは、赤ちゃんがいないことに気付いてパニックに陥り、大きな声で鳴き始めたのです。」

「母アザラシが赤ちゃんを見つけた後、親子はいったんビーチに向かって泳いでいきましたが、母アザラシはくるりと向きを変えて妻に向かっていったのです。そうして約30秒後、妻が頭を上げたところで母アザラシが襲いかかりました。ビーチでは50人ほどが岸に上がるよう叫んでいましたが、妻は水泳帽を被り頭を水の中に入れていたため、その声が聞こえなかったのだと思います。」

動画では、逃げる女性を追って母アザラシが何度も女性に噛みつく姿や水中に引き込もうとする姿も映し出されており、周囲からは「オーマイガー」「早く上がって来て!」「ライフガードはどこ?」といった叫び声が上がっていた。

女性の夫は「妻が殺されてしまう」と慌ててビーチまで走っていったそうだが、女性は騒ぎを聞いて駆けつけたカヤックに救助され、顔や背中、腕を裂傷したものの命に別状はないという。

なお襲撃の現場を目撃したカート・オオツカさん(Curt Otsuka)は「カヤックが助けに来なければ、女性は噛みちぎられていたろうね。女性は恐怖で叫んでいたけど、あの襲撃は子を守ろうとする母アザラシの本能だよ」と当時のことを振り返る。

またある目撃者は「女性があの一帯に近づかないよう、以前警告を受けていた」と明かしており、同ビーチによく来るという女性も「どんなに看板を立てて警告してもルールを守らない人は必ずいる。女性はアザラシの生息域に侵入したから攻撃された。あれは女性の責任よ」とあきれ顔で語った。

事故を受け、アザラシの親子の監視を続ける非営利団体「ハワイ・マリン・アニマル・レスポンス(The Hawaii Marine Animal Response)」は、少なくとも今後2週間は同ビーチでの子育てが続くことから、親子を見かけた際は少なくとも45.7メートル(150フィート)の距離を取り、海でのアクティビティを行わないように改めて注意喚起した。

ちなみに女性に非難の声があがっていることに対し、夫は次のように述べて妻を擁護した。

「私たちはハワイ入りして3週間になり、アザラシの赤ちゃん誕生のことも親子に近づかないよう警告する看板があることも知っていました。妻は何も悪いことはしていません。たまたまあの場所にタイミング悪くいたため襲われてしまったのです。」

一方で女性は「夫も私も昨夜は一睡もできませんでした。目を閉じると、母アザラシの口が目の前にちらつくのです」とトラウマとなってしまったことを明かし、こう続けた。

「私は教師で、環境や野生動物については関心があり、生徒に自然保護についても教えています。捨てられた釣り針があれば拾いますし、3年前には釣り糸に絡まったカメを発見し報告したほどですよ。」

なおDLNRは「女性がアザラシの襲撃を誘発したわけではない」と結論付け、女性に対して罰金は科さないというが、アメリカ海洋大気庁(NOAA)は今も調査を継続中だという。

NOAAによると、ハワイモンクアザラシは絶滅危惧種で約1570頭のうち1200頭が北西ハワイ諸島に、他の400頭はハワイの主要な島々に棲んでいるという。オアフ島には約70頭が生息し、体長は1.8~2.1メートル、体重は181キロ~272キロにもなる。雌のほうが大きいそうで、ロッキーはこれまでカウアイ島で12頭の子を産んでおり、ワイキキでは2017年に続き2頭目の出産になるという。

画像は『Inside Edition 2022年7月26日公開 YouTube「Swimmer Gets Attacked by Mama Seal」』のサムネイル、『Hawaii Marine Animal Response 2022年7月13日付Facebook「PO8 IS A…BOY!」、2022年7月26日付Facebook「SAFETY AROUND HAWAIIAN MONK SEALS」』『Hawaii News Now 2022年7月26日付「WATCH: Swimmer injured after encounter with nursing monk seal mother in Waikiki」(Source: HawaiiNewsNow)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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