2歳息子が乗った車を盗まれた父親「同じ過ちを繰り返してほしくない」と注意喚起(豪)
2023年01月14日 05時00分TechInsight

2歳息子が乗った車を盗まれた父親「同じ過ちを繰り返してほしくない」と注意喚起(豪)の画像
車内で眠っている子供を残して、ちょっとした用事を済ましてしまうことはないだろうか。このほどある父親が車を離れたわずかな間に、2歳の息子が車とともに盗まれてしまうという悪夢のような出来事がオーストラリアで起こった。『UNILAD』『7NEWS Australia』が事件の詳細を伝えている。
豪ビクトリア州チェルシーで現地時間8日の午後3時45分頃、ジェイクさん(Jake)の2歳になる息子を乗せた車が何者かに盗まれる事件が起こった。
当時、フォルクスワーゲン車のティグアン(Tiguan)を運転していたジェイクさんは、電話をかけるために路肩に停車して10メートルほど離れたアイスクリーム店の前にいた。
車の後部座席では2歳になる息子がぐっすりと眠っており、ジェイクさんは「起こすのはかわいそうだ」と思い、車のエアコンをつけたまま鍵をかけずにその場を離れたという。
しかしそんな父親の一瞬の油断を犯人は見逃さなかった。ジェイクさんが車から離れた数分のうちに、2歳の男児ごと車が盗まれてしまったのだ。
車がないことに気が付いたジェイクさんは半ばパニックになりながら、近くのケバブ屋に駆け込んで助けを求めた。
幸いにも、男児は現場から350メートルほど離れた路上で車を降ろされ、おむつ姿で泣いているところを車で通りかかった人に発見され、すぐに保護されたそうだ。
ジェイクさんは当時を振り返り、反省と後悔の気持ちをこのように明かしている。
「私は電話をするために車から10メートルほど離れました。買い物をしていたわけではなく、店先にいたのです。」
「(事件のことは)あまり話したくはありませんが、他の人たちに私と同じ過ちを繰り返してほしくないんです。」
「こういうことが起こり得ると、多くの人に知ってもらいたい。ただただ、息子が無事でよかったと思うばかりです。」
警察では、犯人の男は車に乗り込む前に(車の内部を)確認したものの、子供が乗っていることに気が付かず、車を奪ったとみている。
ビクトリア警察のグラント・ルイス(Grant Lewis)上級巡査部長は事件の詳細を以下のように語っている。
「車を盗んだ男は約350メートル走った後で、子供が乗っていることに気が付いたようです。」
「男は車を停車し、子供を道端に置き去りにするとネピアン・ハイウェイをフランクストンに向かって暴走するように南下しました。」
「男児は降ろされた場所にとどまっていましたが、とても取り乱して動揺していました。」
「気温30度の日に、たくさんの車が行き交う交通量の多い場所です。何が起こってもおかしくなかった。」
「男児に怪我がなく、保護されるまで(その場から)動かなかったことが不幸中の幸いでした。」
そしてビクトリア警察は現地時間10日、ナレ・ウォーレン(Narre Warren、18)とクラリンダ在住の20歳の男をフランクストン・ショッピングセンターにて逮捕したと発表した。
ナレ容疑者は自動車の窃盗、詐欺行為による所有物の取得、依存性薬物の所持、運転違反など25以上の罪に、20歳の男は別件に関連した自動車の窃盗、加重強盗、警察への抵抗、運転違反で起訴された。
また盗まれたジェイクさんの車は11日の朝5時頃、同州クレイギーバーンで乗り捨てられているのが発見されたそうだ。
ビクトリア州では子供の車内置き去りは違法で、罰金刑もしくは6か月以下の懲役が科せられる。しかし警察は「(今回の事件で)ジェイクさんを告訴するつもりはない」として、以下のように語っている。
「我々は(今回の件で被害者であるジェイクさんを)責めたり、貶めたりしたくありませんが、明らかに今後は気を付けなければいけない深刻な問題です。」
「我々は車を安全な場所に停め、子供の安全を守らなければなりません。」
画像は『7NEWS Australia 2023年1月11日付「Dad of toddler asleep in car when it was allegedly stolen with child in the back seat at Chelsea shops in Melbourne speaks out」(Credit: 7NEWS)』『UNILAD 2023年1月9日付「Moment father realizes his car has been stolen with his 2-year-old son in the back seat」(Credit: 9News)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)