インフルエンザで4歳児が視力を失う 母親が注意喚起「毎年同じ時期に予防接種を受けて」(米)

インフルエンザで4歳児が視力を失う 母親が注意喚起「毎年同じ時期に予防接種を受けて」(米)

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米アイオワ州に住むジェイド・デルーシアちゃん(Jade DeLucia、4)が体調不良を訴えたのは、昨年12月19日のことだった。それから4日間、ジェイドちゃんは微熱が続いたものの食欲もあり、元気に走り回って遊び、時折高くなる熱は市販の解熱剤を飲むことでおさまっていた。

しかしクリスマスイブの朝、ジェイドちゃんに異変が起こった。その日は祖父の家を訪ねる予定だったが、いつまでたっても起きてこない娘を心配した父親のスティーブンさんが寝室に様子を見に行くと、ジェイドちゃんは高熱を出し、呼びかけても何の反応も示さなくなっていた。慌てた両親は地元の医療センターに車で向かったが、救急救命室に到着したジェイドちゃんは白目をむいたまま痙攣発作を起こし、そこから約128キロ離れたアイオワ大学ステッド・ファミリー・チルドレンズ病院(University of Iowa Stead Family Children’s Hospital)の集中治療室にヘリで搬送された。スティーブンさんはジェイドちゃんが激しく身体を震わせるのを目の当たりにし「もう元気な娘には会えないのではないか。これが最期のお別れになるのではないか」と気が気でなかったことを、後のインタビューで明かしている。

そして翌日のクリスマス、両親は医師からジェイドちゃんがインフルエンザB型に感染し、脳全体が腫れあがる脳症を起こしていることを告げられ愕然とした。母親のアマンダさんは、当時の心境をこのように語った。

「ジェイドは目を覚ますことがないまま人工呼吸器に繋がれました。医師からMRIの画像を見せてもらったのですが、娘の脳はまるでライトアップされたクリスマスツリーのようだったのです。脳がかなりの損傷を受けており、意識が回復しないかもしれないこと、また助かったとしても以前と全く同じ状態ではないことを知らされ、私たちはただ祈るしかありませんでした。」

「その後数日間は呼びかけてもほとんど反応もなく、12月31日にはジェイドが急性壊死性脳症(ANE)を発症していることを知りました。娘には脳の腫れを抑えるためのステロイドが処方されていたのですが、1週間経っても一向に良くならず、最悪の事態も頭をよぎりました。」

アマンダさんはその時の揺れる気持ちをFacebookに綴っており、そこには「7日。7日も経つのにジェイドは私たちから遠く離れていくだけ。望みはない。ジェイドが私たちのもとに返ってくることはないのだ。インフルエンザに感染したばかりに…」と絶望に似た言葉が並んでいた。

一方でジェイドちゃんを担当していたテレサ・チェコ医師は「ANEは非常に稀な症例であるため、過去に発症した子供についてリサーチをしたところ、ある研究結果を発見したのです。それによると子供4人のうち3人が死亡していたことが分かりました」と語り、ジェイドちゃんの経過を注意深く観察していたそうだ。

しかしその翌日の1月1日、ジェイドちゃんに奇跡が起こった。目を開けるとアマンダさんがそばにいることに気付いたのか、その手をギュッと握って笑ったのだ。ジェイドちゃんはその後、ゆっくりとだがベッドに座ることや食事もできるようになり、人工呼吸器が外された。

「ママ、私大変なことになっちゃったのね」―そんな言葉を発するまで元気になったジェイドちゃんだったが、医師はある異変に気付いていた。ジェイドちゃんは目の前に大好きだったぬいぐるみが置かれても見向きもせず、ボールを投げても目で追うことをしなかった。ANEにより脳内の視覚を司る部分が影響を受け、視力を失ってしまったのだ。

チェコ医師はジェイドちゃんの状態やインフルエンザの後遺症について、このように述べた。

「ジェイドちゃんは目に異常があるわけではありません。問題は脳なのです。視力が戻るかどうかは現時点ではわからず、3〜6か月間様子をみることが必要です。ただ6か月後にも同じ状態が続くようであれば、視力の回復はないでしょう。命が助かったことは非常に幸運でしたが、今後は認知・発達・学習能力などに問題が生じる可能性もあるのです。」

ジェイドちゃんは約2週間の入院を経て1月9日に退院することができたが、母親のアマンダさんは次のように注意喚起している。

「私の2人の娘は昨年3月にインフルエンザの予防接種をしており、1年間は注射の必要がないと思っていましたが、それは私の勘違いだったのです。医師には毎年ウイルスの型が違うので、冬のインフルエンザが流行する前の10月末頃までに予防接種をすることを勧められました。インフルエンザ感染による合併症がいかに怖いものかをより多くの人に知ってもらい、毎年同じ時期に予防接種を受けて欲しいと思うのです。」

なお専門家は「予防接種をした場合、インフルエンザの発症予防効果は40〜60%と言われています。完全に抑え込むことはできませんが、大切なのは予防接種をすることで重症化を抑えられるということなのです」と述べている。

ちなみにアメリカでは、今年に入ってすでに32人の子供がインフルエンザで亡くなっている。うち約3分の2にあたる21人がインフルエンザB型の感染者だったそうだ。

画像は『The Sun 2020年1月13日付「ROBBED OF HER SIGHT Unvaccinated girl, 4, goes blind and suffers brain damage after nearly dying from the flu」(Credit: GoFundMe)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)