新型コロナと闘う―グアム編 ビーチ立ち入り禁止 土産物の棚にロープ

新型コロナと闘う―グアム編 ビーチ立ち入り禁止 土産物の棚にロープ

新型コロナと闘う―グアム編 ビーチ立ち入り禁止 土産物の棚にロープの画像

日本の各都市からわずか3時間半で渡航できる、常夏の島グアム。人口16万8000人、総面積は約200平方マイル超(約520平方キロメートル。東京23区の約84%)という小さな島も、新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けている。グアムから現地の様子をお伝えしたい。


グアム島で最初の新型コロナウイルスの感染者が確認されたのは、3月15日。その翌日には知事が公衆衛生緊急事態を宣言し、島内全ての学校が閉鎖され、20日からは本格的なロックダウン(都市封鎖)が開始された。これに伴い食料品店、ガソリンスタンド、医療関連施設、薬局、銀行、ホームセンター等を除く施設が閉鎖され、約10日間の予定で不要不急の外出が規制された。現在、ロックダウンは5月5日まで延長されており、島民の多くは一時的に仕事を失い、自宅待機を余儀なくされている。また公園やビーチも立ち入りが禁止されている。

4月10日の時点でのグアムでの新型コロナウイルスの感染者は128人で、そのうち33人が回復、4人が死亡している。感染者は島に2つある大きな病院のうちの1つ(250床)に入院、症状が安定するとホテルに移動、隔離されて治療を受けている。感染防止のため患者の家族は自主隔離となり面会も禁止されているが、このまま感染者が増え続ければ病床が足りなくなることが懸念されている。

さらにグアムに寄港した米空母「セオドア・ルーズベルト」での感染者が200人を超え、島内のホテル数か所に乗組員約3000人が隔離されている。食事は部屋の外に置かれ、ホテルの入り口では検問所が設置されていはいるが、一部島民の中からは不安の声があがっているのも事実だ。

グアムの経済を支えているのは米軍基地関連産業と観光業だが、先月31日から入国する全ての人に14日間の検疫(隔離)を義務付けており(一部例外あり)、航空便の大幅な減便や運休も相次いでいる。この時期、通常であれば人で賑わうホテル街はまさにゴーストタウンそのもので、ほとんど人が歩いていない。レストランの営業やアウトドアのアクティビティが禁止された常夏の島にわざわざやって来る人は皆無に等しく、観光業が島の収入の40%を占めるグアムにとって、ロックダウンによる経済的損失は計り知れないのである。

<スーパー>
生活用品、生鮮食品などほとんどを輸入に頼っているグアムでは、ロックダウンが噂された当初、スーパーで数週間分の食材やトイレットペーパー、衛生用品を買いだめする人が長い列を作った。しかし現在、数は減ってはいるもののマスクや消毒剤以外のほとんどの物はなんとか手に入る。ただ必需品でないものは先週から販売が禁止されており、土産品が並ぶ棚の前などにはロープが張られている。

船便は引き続き運航が続けられているようで、毎週木曜になるとスーパーの棚に新しい商品が並ぶ。また現在国際線の約90%、国内線の50%を運休しているユナイテッド航空は、旅客機(Boeing 777-300 ER)を利用して米サンフランシスコから医療用品や食料品の運搬を積極的に行っており、島民のライフラインの確保に努めているようだ。

スーパーでの規制は厳しく、マスクをしていないと入店はできない。また人数制限を行っており、店の外には入店を待つ人々が、6フィート(約1.8m)の社会的距離を確保しながら並んでいる。これはレジを待つ時も一緒で、足元には6フィート毎に線が引かれているのである。また早朝の1時間を、高齢者や基礎疾患などを持つ人々だけに開放する「ゴールデン・アワー(午前5時〜6時)」を設定している店もあり、好評のようだ。

スーパー側の感染対策も徹底している。入店する前に簡易洗い場を設ける店や、自動で手の消毒ができるサニタイザーが置かれている店、さらには消毒スプレーを持ったセキュリティーが入口に立っている店もある。カートやかごも全て消毒されており、2週間ほど前からはレジに店員と客を仕切るクリアガラスが設置された。

ちなみに我が家では、スーパーでの買い物はなるべく1週間に一回、新しい食材が入荷する木曜日か金曜日に行くことにしている。ロックダウン当初は、野菜を買い過ぎて腐らせてしまったので、無駄のない範囲で買い物をするように心がけている。それでもどうしても何かが足りなくなった場合は、近所の親しい友人が買い物に行く際に「○○をお願いできる?」と声掛けをして、ドアノブにかけておいてもらっている。

<学校>
グアムの学校が修了するのは通常5月末から6月初めである。しかしロックダウンが5月5日に延長されたことで、保護者からは「今学期中の学校再開は絶望的」との声があがっている。学校内外で行われていた放課後の全てのスポーツも禁止されており、子供たちのストレスも溜まる一方のようだ。

オンライン授業は、私立のいくつかの学校で行われているが、公立学校では全員が足並みを揃えるのは難しく、グアム教育省は生徒が自主的に学習できるよう2週間毎に教材の配布を開始するなどの対策に追われている。また子供たちに体育の宿題を課している学校もあり、自宅や敷地内で個人や家族のメンバーと運動をしている子供たちもいるようだ。

6月には平均2か月超の夏休みに突入するグアム。子供たちは「今度友達に会えるのは8月になるかもしれないね」と半分諦めモードであるが、「これを機会に掃除、洗濯、料理なども少しずつマスターしてくれればいいな」と願う筆者であった。

画像は『The Guam Daily Post 2020年3月24日付「Gallery: Guam destinations empty」(Dontana Kerakes/The Guam Daily Post)(David Castro/The Guam Daily Post)』『Pacific Daily News 2020年4月10日付「Grocery to Go service lands in Piti」(Photo: Rick Cruz/PDN)、2020年3月25日付「Cancelled flights leaves Guam airport virtually empty」(Photo: Rick Cruz/PDN)、2020年3月19日付「‘It’s impossible for anyone to predict’: Layoffs, uncertainty in the face of COVID-19」(Photo: Rick Cruz/PDN)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)