新型コロナと闘う―ロンドン編 自宅に届いたジョンソン首相の手紙と女王のスピーチ 静かに助け合う人々

新型コロナと闘う―ロンドン編 自宅に届いたジョンソン首相の手紙と女王のスピーチ 静かに助け合う人々

新型コロナと闘う―ロンドン編 自宅に届いたジョンソン首相の手紙と女王のスピーチ 静かに助け合う人々の画像

英国のボリス・ジョンソン首相が英国全土に向けてロックダウン(都市封鎖)宣言を行ったのは、現地時間3月23日だった。それから3週間が経過し、自宅待機中のルーティンにもようやく慣れてきたところだ。現在ロンドンに住む筆者の自己隔離生活についてお伝えしたい。


ロックダウンが宣言される前の週、政府は20日の金曜日を最後に英国全土の学校を閉鎖すると発表した。セカンダリースクールに通う我が家の子供達は最後まで学校に通ったが、発表の翌日からはクラスの半数以上の生徒たちが欠席した。親が子供の健康を懸念したらしく、他の学校でも同様の状況だったという。この頃から道路の渋滞がなくなり、スーパーの棚が空になった。

現在、スーパーの棚にはトイレットペーパーやハンドソープなどのストックは全て戻っているが、小麦粉はいまだ不足している。入店制限を設けているため、客たちは2mの間隔を開けて冷静に待ち、素早く買物を済ませる。英国ではマスクをつける習慣がなかったが、最近はマスクやビニール手袋をする人が多くなった。しかし個人の商店やバスの運転手など、マスクを着用せず働く人たちは今も多い。

子供達には、毎日学校の始業時間になると先生からオンラインで学習材料が届く。時間割通り、科目ごとの教材が届くので、3時過ぎまでびっしりと勉強している。体育の授業に関しては、YouTubeのエクササイズの動画リンクが送られてきた。グループチャットで授業を行う教師もいるようだ。

筆者は毎朝ジョギングに出かけているが、ロンドン郊外の住宅街でさえロックダウン以前とはまるで違う雰囲気だ。公園の入り口は施錠され、高いフェンスで囲まれている。食料品以外の店はシャッターが下り、休業の貼り紙だけが目立つ。地下鉄の駅に出入りする人たちはごくわずかで、駅の入り口にはソーシャルディスタンスの注意書きがあちこちに立ち並ぶ。道路を走る車の数はまばらだが、ジョギングする人の姿は以前より多く見かけるようになった。

そんな生活の中、つい先日、ジョンソン首相からの手紙が届いた。ソーシャルディスタンスに関するルールと、感染防止のために協力を願うといった内容が綴られていた。

「一度に多くの人達の体調が悪化するとNHSが対処できなくなり、命に危険を及ぼします。できるだけ多くの命を救うため病院での蔓延を遅らせ、治療を必要とする人の数を減らすことが必要です。」

封書には、手紙のほかにソーシャルディスタンスや正しい手洗いの方法、感染症状などについて書かれたリーフレットが同封されていた。

毎週木曜日の午後8時は、玄関先に出て最前線で働く人たちに拍手を捧げている。この数分間は、住民たちがお互いの姿を確認し合える時間でもある。各家庭の窓には子供たちが描いた虹の絵が貼られ、医療従事者への感謝を伝えている。今朝も、一人暮らしの高齢者に食料品を届けるボランティアを見かけた。こんな風景を見るたびに心が温まる。

イースター休暇中の11日にはエリザベス女王によるスピーチが流れ、自宅待機する国民たちを勇気づけてくれた。暗いニュースが流れる中、人々は静かに助け合いながら、いつか笑顔で再会できる日を待っているのだ。
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)