『HOKUSAI』『アオラレ』柳楽優弥・田中泯、北斎役に二人一役で挑む&ラッセル・クロウがサイコなドライバーに

【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第998回】

『HOKUSAI』

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

今回は、5月28日から公開された『HOKUSAI』と『アオラレ』をご紹介します。

(左)『HOKUSAI』/(右)『アオラレ』

映画館で観たい!『HOKUSAI』〜謎多き北斎の生涯を映画に……

「富嶽三十六景」をはじめ、生涯を通じて3万点以上の作品を描き残したと言われている、江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎。

ゴッホ、モネなど名だたる印象派アーティストたちに多大な影響を与え、美術界のみならずあらゆるジャンルをいまなお刺激し続ける名絵師ですが、その人生は謎に包まれています。

映画『HOKUSAI』は、残された史実を元に北斎の怒涛の生き様を描き出したオリジナルストーリーです。

『HOKUSAI』

『HOKUSAI』のあらすじ

時は、江戸。町人文化が華やぐ町の片隅で、食うことすらままならない生活を送っていた貧乏絵師・北斎。彼の才能に目を付けたのが、人気浮世絵版元の蔦屋重三郎だった。

しかし、絵を描くことの本質を捉えられていない北斎は、重三郎に認められないどころか、ライバルである喜多川歌麿や東洲斎写楽に先を越されてしまい、完璧に打ちのめされてしまう。

俺はなぜ絵を描いているんだ? 何を描きたいんだ? もがき苦しみ、生死の境地まで行き着き、北斎はあることに気づく。見事にその才能を開花させた北斎は、独創性にあふれた革新的な作品を次々と生み出し、当代随一の人気絵師となる……。

『HOKUSAI』

『HOKUSAI』のみどころ

主人公・北斎を演じたのは、柳楽優弥(青年・壮年期)と田中泯(老年期)。

売れっ子絵師たちと同じ土俵に上がれない自分への苛立ち、誰からも認められない悔しさを噛み締めながら、絵を描く本質を追い求める“柳楽北斎”。脳卒中で倒れ、大事な右手に痺れが残ろうとも、立ち止まることなくひたすら絵を描き続ける“田中北斎”。

2人が体現する生き様は、まるで葛飾北斎が憑依したかのよう。そのエネルギッシュさから目をそらせなくなります。

また喜多川歌麿に玉木宏、弟子の高井鴻山に青木崇高、人気絵師を育てる蔦屋重三郎に阿部寛、人気戯作者・柳亭種彦に永山瑛太、北斎の妻・コトに瀧本美織など、北斎を取り巻くキャストも豪華。

そして、本作のもうひとつの“主役”と言えば、浮世絵。版画を摺るシーンでは実在の彫師と摺師が出演し、本物の職人ならではの巧技を堪能することができるのは、美術ファンならずとも必見です。

『HOKUSAI』

90歳で命が燃え尽きるその日まで、生涯現役だった葛飾北斎。幕府によって表現者たちが自由を奪われていた時代でも、決して屈することなく突き進んだ“己の道”。

描き続けた人生の先に、北斎が見つけたものとは……。コロナ禍において、かつてない苦境に立たされている私たちが、いまこそ知るべき“信念”が詰まっている1作です。

『アオラレ』

コチラも映画館で観たい!『アオラレ』〜名優ラッセル・クロウ主演!“あおり運転”の恐怖を描く

オスカー俳優のラッセル・クロウが、あおり運転の常習犯を演じたノンストップ・アクションスリラー。

信号が青に変わったのに発進しない前走車に向かって、クラクションを鳴らしたことが仇となり、執拗に追い回され、命の危険に晒される。車に乗っても、車から降りてもつきまとう恐怖は、ホラー映画以上!

そして、本作の根底にある“人間に潜む闇”に気づいた瞬間、きっとこの映画に夢中になってしまうはず。

『HOKUSAI』

『HOKUSAI』

2021年5月28日(金)全国ロードショー
出演:
柳楽優弥、田中泯、玉木宏、瀧本美織、津田寛治、青木崇高、辻本祐樹、浦上晟周、芋生遥、河原れん、城桧吏、永山瑛太、阿部寛
監督:橋本一
企画・脚本:河原れん
音楽:安川午朗
配給:S・D・P
(C)2020 HOKUSAI MOVIE
公式サイト https://www.hokusai2020.com/

『アオラレ』

『アオラレ』

2021年5月28日(金)全国ロードショー
出演:ラッセル・クロウ、カレン・ピストリアス、ガブリエル・ベイトマン
監督:デリック・ボルテ
脚本:カール・エルスワース
原題:Unhinged
配給:KADOKAWA
(C)2021 SOLSTICE STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト https://movies.kadokawa.co.jp/aorare/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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