「卵は1日1個まで」はウソ? 専門家が解説する正しい「コレステロール」の真実

「卵は1日1個まで」はウソ? 専門家が解説する正しい「コレステロール」の真実

「卵は1日1個まで」の真実

の専門家で管理栄養士の峯木眞知子さんが、上柳昌彦アナウンサーがパーソナリティを務める、ラジオ番組「上柳昌彦 あさぼらけ」内コーナー『食は生きる力 今朝も元気にいただきます』(ニッポン放送 毎週月・金曜 朝5時25分頃)に出演。長らく卵の研究を続けている峯木さんに、卵の栄養成分、コレステロールの正しい知識や、卵の摂取量について解説した。

峯木さんは卵のおいしさの研究を40年以上継続する、卵の専門家。令和3年3月まで東京家政大学栄養学科教授で、卵に関する研究論文で日本調理科学会および日本家政学会より学会賞を受賞している。

■日本は世界第2位の「卵」消費国

上柳:日本人は1年間に卵をどれくらい消費しているのでしょうか?

峯木:最近のデータで約330個。世界第2位の消費国です。

上柳:ちなみに1位は?

峯木:メキシコです。

上柳:おお、意外な国ですね。アメリカとかフランスではないんですね。

峯木:(日本では)去年2020年あたりから消費量が増えているので、1日約1個弱、実際に家庭でも食べているような気がします。

上柳:コロナ禍で在宅時間が長くなり、家で料理をする時に本当に便利ですもんね。冷蔵庫にいつもあるし、安いし。そして、栄養面でもかなり優秀だと聞きます。

■卵の栄養成分

峯木:まず良質なタンパク質があります。そして、体内で合成できない必須アミノ酸がバランスよく含まれています。

上柳:はい。

峯木:毎日、成人男性は60グラム以上、女性は50グラム以上のタンパク質を摂取するように言われていますが、卵を2個食べるだけでタンパク質を約12グラム、つまり1日の20%〜25%が取れます。

上柳:ほう。

峯木:その他にも、脂質、ビタミンA、ビタミンB 2、ビタミンB 12、ビタミンD、ビタミンE、今話題の葉酸、骨や歯を作るミネラルについてもカルシウム、鉄、亜鉛、カリウムなども多く含まれています。

上柳:バランスがいいですね!

峯木:ただ、ビタミンCと食物繊維の2つだけは含まれておりません。卵は消化吸収がいいというのも特徴のひとつです。

上柳:卵がお腹に溜まっちゃったなぁ、という話は聞いたことがないですもんね。

■「卵は1日1個まで」という制限はない!

上柳:そんな栄養価も高い卵ですが、一方で、「コレステロールがちょっと気になるなぁ……」とか、「卵は1日1個まで」と思っている方も結構います。実際はどうなのでしょう?

峯木:そう、「卵=コレステロール」というのがみなさんの頭から離れないようで……。

上柳:そうなんです!

峯木:私もたくさんの方から、「卵は大好きだけど、妻がコレステロールを気にして食べさせてくれない」という話を聞いていて。

上柳:僕も「卵、朝に食べたしなぁ……」って思ったりして、コントロールする時があるのですが、実際は?

峯木:それは、とてもいいことです。卵が好きな人は、お肉も好きなんですよね……。

上柳:なるほど(笑)

峯木:最終的に、コレステロールや飽和脂肪酸が増えて、血液中のコレステロールに関係してくるんです。

上柳:よく人間ドックで言われる、悪玉コレステロールと言われるものですかね?

峯木:はい。ですが、コレステロール自体は、体の細胞膜を形成したり、脳神経系の発達にも必要な成分なんです。それから、性ホルモンや副腎皮質ホルモンの原料にもなります。

上柳:へぇ!

峯木:コレステロールを食事で摂り過ぎても、肝臓で合成量が抑制され、体内のコレステロールを一定に保ちますので、1日1個の卵は当然問題ありませんし、健康な人でも2個の摂取が可能です。

上柳:健康だったら2個食べてもいいんですか?

峯木:はい。このコレステロールの数値に関して、2010年から制限量、“これ以上食べてはいけないという量”が厚生労働省から表示されていません。

上柳:えっ、そうなんですか?

峯木:食事で食べても、血液中にそれほど影響しないということが分かっているんです。ただ、「卵を食べると冠動脈疾患発症率が上がる」というデータがあるので、高コレステロール血症の診断を受けた方は、取り過ぎに注意する必要があります。そして遺伝的に上がりやすい方もいますので、自分の体を知ってコントロールしてほしいと思います。

■卵を調理するときのコツ

上柳:卵調理の基本、よりおいしく食べるためのコツはありますか?

峯木:まず本当に基本的なことですが、古い卵は加熱してください。賞味期限内の卵は「生食が可能な期間」ですので、卵かけご飯、すき焼きなど、自由に食べてもらって大丈夫です。ゆで卵は定番ですが、蒸し卵にしてもおいしいし、調味料と一緒に煮てもおいしい、おでんに殻ごと入れて煮汁を染み込ませる、という料理もあります。

上柳:はい。

峯木:薄めて固める場合は調理のコツがいります。卵白と卵黄は栄養成分が違い、凝固温度も違う。

上柳:固まるタイミングが違うんですね。

峯木:それを利用したのが「卵とじ」。卵とじをしたい時は、あまり混ぜない方がいいです。あの卵白のふんわり感と卵黄のコクが混じって、食感が違う、不均一なおいしさがうまれますよね。あまり混ぜない方がふっくら感が出ます。

■卵の正しい保存方法

上柳:卵の保存方法ですが、正しい方法というのはあるのでしょうか?

峯木:まず、卵はパックに入っていますよね? パックに入っているものはほとんど、洗卵処理がされているんです。

上柳:洗われてあるんですね。

峯木:ですから衛生的なので、パックごと冷蔵庫に入れてください。それから、卵には上下があって、丸みがある方が上で、尖っている方が下です。

上柳:尖っている方が下なんですね! 何か理由があるのですか?

峯木:卵の中には炭酸ガスがあって、ある程度すると発散されていくんです。その時に、ガスは丸い方に溜まっていくので、丸い方を上にして保存した方が空気が出ていきやすく、いい保存状態を保てます。

上柳:保存するときは丸い方が上、ですね。

卵は栄養価が高く、調理レシピは無限にあり、私たちの食卓に欠かせない食材だ。なにかと「コレステロールが……」と言われるが、コレステロールが多いのは卵だけではないし、そもそもコレステロールには、体の細胞膜を形成する大事な役割がある。正しい知識を得て食生活を楽しみ、特に健康に問題のない人は、卵料理を自由に味わってみてはいかがだろうか。

卵の専門家・峯木眞知子さんと、上柳昌彦アナウンサーの詳しいトーク内容は、「食は生きる力今朝も元気にいただきます」特設コーナーHPから、いつでも聞くことが可能だ。

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