浄瑠璃は「こう聴くといい」 清元節・浄瑠璃方の清元美寿太夫

黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(11月25日放送)に清元節・浄瑠璃方の清元美寿太夫が出演。浄瑠璃の魅力について語った。

清元美寿太夫

黒木瞳がさまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。11月15日(月)〜11月19日(金)のゲストは清元節・浄瑠璃方の清元美寿太夫。4日目は、浄瑠璃の魅力について—

黒木)浄瑠璃の1つの流派である清元節の太夫として長年にわたってご活躍されております。今回は浄瑠璃の魅力、楽しみ方を教えていただきたいのですけれども、清元さんがお考えになる浄瑠璃の魅力とは何でしょうか?

清元)私は清元という1つの分野におりますが、日本の文化から入らないと難しい部分もありますが、例えばお三味線の音、それからそれにあった声です。清元は三味線もとてもいい音なのです。いろいろな音がありますよね。浄瑠璃でも義太夫さんの言葉で言うと「でんでんでん…」と低い音がして、そこから三味線の音もある。そのなかに清元の三味線の音はとても耳当たりのいい音なのです。

黒木)清元のお三味線は。

清元)それを心がけて清元の三味線方になるのです。ということは、歌もいい歌、いい声をしなくてはいけない。それがお三味線と歌の人とのバランスなのです。そこにいい音のお三味線で、「歌の方がいい声を出しているな」というように思っていただくといちばんいいと思います。

黒木)三味線と歌のバランス。

清元)右の耳から左の耳へすっといい意味で聴き流せる、いまでいうBGMではないですけれども、聴いていても気にならならない「快い演奏」がいいと思います。そういう聴き方をすると、少し清元にも興味が出て来るのではないでしょうか

黒木)美しい音色ですね。お三味線も、声もということでしょうね。

清元)お三味線もそうでしょうね。いい声でいい歌を歌うと、「よし、俺もいい音をさせよう」などという気持ちになるでしょうね。そういう気持ちになってもらうように歌うたいは歌っているわけです。お三味線もそうでしょうね。

黒木)発声練習も欠かせないというようにおっしゃっていましたけれども、喉のためによいことというのはどういうことですか?

清元)ストレスは絶対にいけないのですが、日常、常に私たちはうがいをするのが習慣になっています。気にするとキリがないのですけれど、歌の人はそこまで気にしていて当たり前ではないかなと思います。それから遅くに食べない。脂っこいものや刺激性のものは、明くる日「枯れ」が出ますね。

黒木)たぶん素人にはわからない何かがあるのでしょうね。

清元)歌の人は最低限そういうことに気を付けていると思います。

黒木)お三味線は真ん中の太さの中棹でということで、美しさというものが魅力ということなのですけれども、浄瑠璃にもいろいろありますでしょう。例えば人形浄瑠璃とか、ああいうものは清元節ではやられないのですか?

清元)たままた清元は時代が新しいので、そういう義太夫さんの物語から一節をいただいたり、新内という流しがあるのですが、その新内のいいところもいただいたり、いいところ取りをしているものが多いのです。言い方によれば、とてもずるいかも知れません。江戸時代の末にできたものですから、完成されたときはとてもいい江戸前の洒落たいいものができあがったということです。

清元美寿太夫

清元美寿太夫(きよもと・よしじゅだゆう)/ 清元節・浄瑠璃方

■1943年・昭和18年、東京都生まれ。
■父は清元若寿太夫。母は清元延若福。兄は初代清元榮三(人間国宝:故人)。
■1956年、六代目清元延寿太夫、三代目清元栄次郎(後の初代清元栄寿郎)に師事。
■1959年、美寿太夫の名を許される。新橋演舞場「西川流鯉風会」の「梅川」他で初舞台。歌舞伎座「昔噺桃太郎」で歌舞伎の初舞台。
■1977年、京都南座「夕顔棚」で初めて歌舞伎の立語りを勤める。
■1986年、LPアルバム「清元榮三・(・)清元美寿太夫花吟集」を発表。
■2014年、文化庁芸術祭賞(音楽部門)大賞を受賞。2014年、重要無形文化財清元節保持者として認定。清元協会理事に就任。2014年度芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
■この他、1969年ごろから宮薗節を宮薗千之に師事、宮薗千弘太夫を名乗る。1983年ごろから地唄を富崎冨美代に師事、富柳美寿を名乗る。
■2021年、「第51回ENEOS音楽賞・邦楽部門」を受賞。

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