“尾木ママ”こと尾木直樹と考える、いじめ問題と「ネットリテラシー」

ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」(12月19日放送)に、教育評論家で法政大学名誉教授の尾木直樹が出演。いじめ問題について語った。

ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」

淵澤由樹(アシスタント):今回は尾木さんと一緒に、いじめ問題について考えます。2020年11月、町田市の小学6年生の女の子(当時)が、いじめを受けたと訴える遺書を残して自殺した問題。ご遺族の記者会見に、尾木さんも同席されたそうですね。

尾木:ご遺族の方は嗚咽されて、言葉が出て来ないのです。命がなくなってしまっている。取り返しがつかないわけです。

自見はなこ:いじめの問題は、繰り返し起きていますよね。どこかで止めたい。法律の枠組みを変えるところがあればと、本当に思います。

尾木:「いじめ防止対策推進法」がありますけれど、ペナルティなどの強制的な力はないのです。そうするとスルーされてしまう。2017年に文科省が、僕は世界一のものだと思っているのですが、ガイドラインをつくりました。しかし、それすらも無視されてしまう。

淵澤:無視というのは?

尾木:(ガイドラインを)守らないのですよ。

自見:ガイドラインは「やって下さいね」という方向で、「やらなければならない」というものではありません。文科省も助言はできますが、介入して代わりにやることはできないのです。自治体や教育委員会、学校現場の判断を尊重しなければならず、それがうまく行かないと大変な事態になることがあります。

淵澤:町田の事件で気になったのは、配布されたタブレットからいじめが発生しているのですよね。

尾木:文科省も相当焦っていると思います。いま全国で約90%の小中学生がタブレットを持っているのです。それを使って、いじめに関する書き込みがあった。「うざい、死ね」などのいやがらせがあったということで、責任重大です。学校が配ったものからいじめが起きて、命まで奪われてしまった。本来であれば、タブレットを使う際のリテラシーを教えなければいけないのですが、現場ではできていません。

自見:課題は多いですね。

尾木:業者もアプリを開発したり、いろいろとやっておられます。よく文科省では「チーム学校力」と言いますが、チーム力で、子どもにSNSの使い方などを教えるべきです。SNSは上手に使えれば、すごい力を持っているので。

自見:自殺に関して言えば、文科省にもう少し頑張って欲しいと思います。誰かが自殺で亡くなった場合、基本的には3日以内に基本調査を行います。自殺の原因が学校に関連している場合は、さらに詳細調査が行われます。しかし、詳細調査の人数を国が把握していない。あくまで傾向だけなのです。子どもの命を預かっている省庁としては、もう一歩、二歩と踏み込んで欲しい。「こども庁」(※編集部注:2021年12月20日現在、「こども家庭庁」に改める方針あり)では、そういうことを文科省に言える省庁になりたいと思います。

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