新型コロナ“第6波”に備える東京都医師会の「新たな医療支援体制」

東京都医師会副会長で感染症担当、「角田外科消化器科医院」院長の角田徹氏が1月11日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。オミクロン株の今後について解説した。

変異株「オミクロン株」=2021(令和3)年12月11日、ボスニア・ヘルツェゴビナ(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

東京都医師会の医療支援体制

飯田浩司アナウンサー)新型コロナウイルスの感染者が増えて来ています。東京都医師会、47の地区医師会などが医療支援体制を構築しているということですが、どのような備えがありますか?

角田)まず検査できる医療機関です。診療・検査医療機関が都内では4000ヵ所近くあります。症状がある場合には、そういう医療機関を受診していただくというのが、最初の診断体制です。

自宅療養者に対して医師会が健康観察を保健所と一緒に続ける

角田)次に陽性がはっきりした場合は、私どもから保健所へ届け出を出すのですけれども、感染を診断した医師が、保健所がアクセスする前に患者さんに対して、毎日フォローアップするというような体制を取ります。自宅療養の場合は、各地区でのかかりつけ医や地区医師、あるいは医師会がその人の健康観察を引き続き保健所と一緒に行います。

自宅療養者には「HER-SYS(ハーシス)」で1日1回様子を見る

新行市佳アナウンサー)地区のお医者さんが健康管理をするという部分は、どのように行うのでしょうか?

角田)患者さんが自分の症状を入力できる「HER-SYS(ハーシス)」というシステムがあります。それを私どもは毎日見て、電話もしくはメール等で、最低でも1日1回は様子を確認します。

新行市佳アナウンサー、角田徹氏、飯田浩司アナウンサー

地域の医師やかかりつけ医が毎日連絡をして場合によっては往診もする

飯田)第5波のときは医療提供体制がひっ迫して、自宅療養者が増えました。「入院できない」ということがセンセーショナルに報道されましたが、その辺りを手当てして行くということですか?

角田)まずは保健所業務がひっ迫し、感染者に対して保健所が十分な連絡を取ることができませんでした。その部分を地域の医師、かかりつけ医が保健所の業務を代わりに行う。症状の軽い人で入院できない人に対しては、毎日連絡して、場合によっては往診する。必要があれば酸素ステーションに搬送して中和抗体薬や、いまは飲み薬もありますから、それを投与する場合もあります。地域の薬局とも協力して、そういう体制を取っています。

インフルエンザなどが流行した場合

飯田)いろいろなデバイスが出て来ましたが、通常医療もやりながらですよね。この辺はいかがでしょうか、サポートなどはあるのですか?

角田)おっしゃる通りで、インフルエンザなどが爆発的に流行すると、大変な状況になります。診られる人はかかりつけ医で診る、できない場合は地区医師会として他の医者を派遣する。どうしても広域的にその地域で診ることができない場合は、2次医療圏の単位で、診られるお医者さんが診に行く。または往診を支援する病院をいま設定していますので、そこからチームで出て行くというような体制を築いています。

地域の医療資源全体で診る 〜地域包括ケアの基本

飯田)かつて第1波、第2波くらいのときにお医者さんに取材したことがありますが、新型コロナの陽性がわかると保健所の管理になり、その地域のお医者さんたちが患者さんに直接アクセスしたり、投薬ができなかったという状況がありました。その辺りを運用面で改善するという形ですか?

角田)ご指摘の通りで、感染症法の法律上、保健所が管理するという形だったのです。8月のときの状況を見てわかるように、なかなか保健所だけではマンパワーが足りない。ですから、地区の医師と保健所が連携を取りながら一緒に見て行きましょうという機運が高まり、その形をつくれたのです。

飯田)行政との橋渡しは、前から言われていた地域包括ケアの仕組みと似ていますね。

角田)地域の医療資源全体で、地域に住んでいる人たちを診ましょうという考え方です。連携しながら診ることは、まさに包括ケアの基本ですね。

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