「カマキリ先生」って何者? 自作の紙芝居で「特別授業」を開催

それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。

カマキリの一生を描いた紙芝居

埼玉県加須市は、世界最大・全長100メートルの「ジャンボこいのぼり」や、「手打うどんのまち」として知られています。その加須市で、小学生の間で話題になっている先生がいます。

カマキリの仮面をかぶり、緑色のジャージを着た、その名も「カマキリ先生」。その正体は、元中学校校長の大熊光治さん・74歳。大熊さんが子どものころは、日が暮れるまで遊んでいたそうです。

教員時代から始めた昆虫採集

「虫が大好きで、特に興味を持ったのは田んぼや小川の水生昆虫でした。ゲンゴロウやタガメ、ミズカマキリなどを捕まえて、自宅の池に放してよく観察していましたよ」

埼玉大学教育学部を卒業後、県内の中学校で「理科」の先生に。当時、痩せ型の体型でメガネをかけていたことから、生徒につけられたあだ名が「カマキリ先生」でした。

「教員時代を振り返ると、楽しい思い出しか浮かびませんね。励みになったのは、『先生、きょうの授業は面白かったよ! よかったよ!』と言ってくる生徒の笑顔でした」

カマキリポーズをする大熊先生

理科の学習のために昆虫採集を続けてきた大熊さんですが、定年を迎えて標本箱を整理していたとき、「これを何かに活用できないものか」と考えます。

「そうだ! いまの子どもたちは、教科書のなかで虫のことを習っても、実物を見ていないのでは……」

そう思った大熊さんは、小学校の教科書に何種類の虫が出てくるのか調べてみました。国語、算数、理科、社会、音楽、図工、生活……1年生~6年生までの教科書のなかに出てきた虫は、92種類でした。

リアルなマスクと緑のジャージでカマキリ先生に変身

小学校の教科書に出てくる92種類の虫。そのほとんどは、大熊さんの標本箱のなかにありました。足りない虫は捕まえに行きましたが、なかなか捕まらない虫がいました。それが、マツムシです。

原っぱで鳴き声がするのに、マツムシが捕まらない。近づくとすぐに鳴き止み、緑の葉っぱが保護色になって、どうしても見つからず……。結局、「埼玉昆虫談話会」という昆虫愛好者が集う団体からマツムシを提供してもらい、92種類を揃えることができました。

大熊さんはその標本箱を持ち、3年前から「こども移動昆虫館」の館長として、県内外の小学校で特別授業を行っています。

カマキリ先生の紙芝居(写真提供:加須市立三俣小学校)

「いまの子どもたちは、虫を見て感動したり、好奇心を持ったり、そんな機会に欠けていると思うんです。10歳までに自然体験をさせてください。自然のなかで虫や動物と触れ合うことが、脳の発達や人間形成にとても必要なことなんです」

小学校6年間のうち、虫について最も多く学ぶのが3年生の時期です。先日は、加須市立三俣小学校の3年生の教室に「カマキリ先生」として訪問。シリコン製のカマキリのマスクに、緑色のジャージ姿で現れると、待ちかねていた子どもたちは大喜びするそうです。

大熊さんは「紙芝居」を自作して、カマキリが卵から成虫になるまでの一生を紹介しています。途中、クイズも交えながら進めていくそうです。

授業を終えた教室には、「カマキリ先生、ありがとう! また来てね!」と、子どもたちの明るい声があふれます。

カマキリ先生の授業風景(写真提供:加須市立三俣小学校)

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