これほどある恐竜と鳥の共通点

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、恐竜専門サイエンス・コミュニケーターの恐竜くんが出演。恐竜が鳥である理由について語った。


黒木)今週のゲストは恐竜専門サイエンス・コミュニケーターの恐竜くんです。
鳥が恐竜の生き残りだった、ニワトリもハトも恐竜だということはもう実証されているとのことです。さらに、恐竜は派手でゴージャスな色だったそうですが、これはどういうことですか?

恐竜くん)体の色が分かった恐竜に関して言うと、思っていた以上に華やかだったのです。体の色が赤茶色からオレンジにかかったような色で、尻尾に白い縞々の模様がある恐竜もいました。

黒木)それがシノサウロプテリクスですね?

恐竜くん)はい。これも体がふさふさの羽毛で覆われた恐竜の1つです。

黒木)アライグマみたいな尻尾になっていますね。

恐竜くん)面白いのがメタリックカラーであるところで、カラスも陽の当たるところで見るとキラキラしていますが、カラスより明るい状態で、光が当たる角度で七色の玉虫色に変わるような、かなり派手な恐竜もいます。
ものすごく大型なものでも、一色でベタっと塗られているよりは、体の色がキレイにグラデーションになっていたり、縞模様だったり、羽飾りみたいなものがあったりと、いまのところ分かった恐竜は大体想定していたよりも華やかな色の恐竜ばかりだったのですよ。

黒木)どうして色が分かったのですか?

恐竜くん)色に関しては研究が進んだおかげというところがありますが、頭に大きなとさかがあったり、役に立つとは思えない変な向きの角や棘があったり、骨だけで見ても華やかなものが多いのですよ。

黒木)変わっていると言うか。

恐竜くん)例えばネコ科の動物だと、体に何らかの模様があるのですが、骨だけにすると小さい猫から大きいライオンに至るまで、ほとんど差がない。見た目が変わらないのですよ。でも恐竜は骨だけ見ても、近い種類でも一目でわかるくらい形が違います。頭の形が全然違ったり。そこに色を付けると、相当千差万別になります。さらに最近研究が進んで来て、オスとメスでも見た目が違う。あとここが重要なのですが、子供から大人に成長して行く過程で単に体が大きくなるわけではなく、見た目がガラッと変わって行ったらしい。生きている動物で考えると哺乳類は、例えばゾウの子どもはどう見てもゾウですし、キリンの子どもも短くなっただけでキリンのままです。これが鳥になるとニワトリやヒヨコのように、子供と大人では違う生き物のように姿が変わります。どの鳥もそうですが、基本的に成長と共に何段階か姿が変わって行きます。
恐竜には同じ特徴があって、目で見て、相手が雄なのか雌なのか、子供なのか若者なのか、あるいはもう完全な大人かということを、とにかく目で判断する。これを“視覚コミュニケーション”と言いますが、においや音よりも目で認識する。いまの鳥と同じです。だとすると色や羽や尻尾などが派手なのは、実用的なものではなく、飾りなのではないかと考え方が変わって来た。
そう考えると、いままで意味をなさなかったような特徴が、しっくり来るのですよ。飾りや突起などが大きく派手に、言ってみれば邪魔にしか見えないようなものでも伸びて行ったのはなぜかとか。

黒木)視覚コミュニケーションだったということですね。

恐竜くん)孔雀などは典型ですが、派手な色の飾りで雌を強く引き付けたり、縄張りを主張したり、大人になった証拠であったり。これによって恐竜の子供と大人の見た目がもしガラッと違うのであれば、子供を認識しなくてはいけない。逆に言うと、カメみたいに卵を産みっぱなしにするのではなく、子供を自分たちの社会に入れて、面倒を見ていたということもそこから推測できます。生活の仕方も爬虫類より鳥に近い生態だったのだなということが見えて来ます。


恐竜くん / 恐竜専門サイエンス・コミュニケーター

■1981年・東京都出身。
■6歳の頃に上野の国立科学博物館のエントランスで見た恐竜の骨格に一目ぼれ。恐竜に目覚め、16歳でカナダに単身留学。恐竜の研究が盛んなアルバータ大学で古生物学を中心にサイエンスを学ぶ。
■卒業後も国内外の研究機関や博物館と交流しながら、最新の研究成果を取り入れ、科学教育・普及活動に注力。
■現在は恐竜展の企画監修からトークショーや体験教室の開催、イラスト制作、造形物のデザインや学術アドバイス、執筆、翻訳、メディア出演などで活躍。
■恐竜を通して生き物や自然、科学や環境問題など、世界の様々な物事に目を向けてもらう「きっかけ」をつくることをテーマに活動を続けている。

ENEOSプレゼンツ あさナビ
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 6:43-6:49

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