看護師・僧侶 玉置妙憂〜自分の軸を決めて、ありのままに受け入れる

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に看護師・僧侶の玉置妙憂が出演。自分軸の木の育て方について語った。

玉置妙憂

黒木)今週のゲストは看護師であり僧侶の玉置妙憂さんです。玉置さんの『頑張りすぎない練習 無理せず、ほどよく、上手に休む――』という本がマガジンハウスから、『死にゆく人の心に寄り添う〜医療と宗教の間のケア〜』は光文社から出ています。とても穏やかにお話しになりますが、声を荒らげたり、怒るような瞬間はないのですか?

玉置)子どもに怒ることはあります。ただ、子どもの方が上で、怒ると「出家したんでしょう」とすかさず来るので、最近は怒らなくなりました。

黒木)「自分軸の木の育て方」というのもありますが、これもまたいいお話です。

玉置)「自分に軸がある」ということが今日、ますます大切になって来ていると考えています。いろいろな情報が飛んでいるなかで、そこに軸を置いてしまうと、何をしたらいいのかわからなくなってしまいます。情報は材料なので、材料を練り上げて「どうするか」ということを決める「自分の軸」がないとダメですね。

黒木)自分の軸をきちんと決めて、そのなかに自分の木が生えているとイメージする。嬉しいことがあると、自分のなかにある木が枝を生やしたり、大きくなるという、素晴らしい例えですね。

玉置)ただ、頑張り過ぎて、「何者にも負けない木にしよう」とすると、案外ポキッと折れる。だから風が吹いたら靡くような柔らかい木の方がいいです。

黒木)ありのままを受け入れる。「病気になったらなった」、「ならなかったらならなかった」という考え方は仏教の教えですか?

玉置)そうです。「ありのままを受け入れる」というのは仏教的な考え方です。

黒木)とても簡単なようで、「あるがままでいる」ということは、とても大変なことかも知れませんけれど、大事なことだという。

玉置)けれど、それが完璧にできたら、解脱してしまうので、この世に生まれて来ないのです。あくまでも「トライ・アンド・エラー」で、ときには「カッ」として、ときには「ダメだ」と思って、ということでいいと思います。

黒木)完璧を望まないということでしょうか?

玉置)それでよしとするということです。

黒木)心が穏やかに、楽になりました。

玉置妙憂

玉置妙憂(たまおき・みょうゆう)/看護師・僧侶

■東京都中野区出身。看護師であり僧侶。一般社団法人介護デザインラボ代表。
■専修大学法学部を卒業後、法律事務所に勤務。
■長男が重度のアレルギー症状をもっていたことをきっかけに「息子専属の看護師になろう」と決意。看護学校で学び、看護師、看護教員の免許を取得。
■看護師として働き始め、その後、看護学校で教鞭をとっているころ、カメラマンだった夫の癌が再発。
■夫は「がんを積極的に治療しない」方針をかため、自宅での介護生活をスタート。夫の自然死を看取ることになるが、その死にざまがあまりに美しかったことから開眼。家族と職場に出家を宣言し、高野山真言宗にて修業をつみ僧侶となる。
■現在は現役の看護師としてクリニックに勤めるかたわら、一般社団法人「大慈学苑」を設立し、患者本人や家族、医療と介護にかかわる多くの人々の心を穏やかにするべく、院外でのスピリチュアルケアに力を注いでいる。
■また子世代が親の介護と看取りについて学ぶ「養老指南塾」や、在宅での看取りとスピリチュアルケアについて学ぶ「訪問スピリチュアルケア専門講座」を展開しながら、講演会やシンポジウムを開催。
■2020年4月からはニッポン放送「テレフォン人生相談」のパーソナリティも担当。
■著書・最新刊『頑張りすぎない練習-無理せず、ほどよく、上手に休む』(3/19発売)

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