国会や官邸の郵便ポストにハガキを投函してみたら……?

「報道部畑中デスクの独り言」(第202回)

ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム。今回は、国会議事堂や総理官邸にまつわる郵便ポストと郵便物について—

国会議事堂内にある郵便ポスト(正式には「郵便投函筒」という)

私はニュースデスクの他、経済、気象庁、科学技術の分野を主な取材対象としていますが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、国会周辺を取材する機会も多くなりました。そのなかで、何気ないものに気付くことがあります。

それは……郵便ポスト。国会周辺にはいくつかポストがあります。国会議事堂のなかにも……赤じゅうたんの廊下の途中にあり、つい見過ごしそうになりますが、重厚ないで立ちのポストです。

正式名称は「郵便投函筒」。議事堂が建設された1936年当時からあるというアメリカ製のもので、「郵便差入口」と右から書かれています。参議院のホームページによると、建築材料は当初、すべて国産品でまかなう方針でしたが、このポストとドアノブ、ステンドグラスだけは外国製となりました。

その他、変わったところでは総理大臣官邸、この敷地内にもポストがあります。ポスト自体は普通の角型。ほぼ毎日のように取材に訪れますが、ここに投函している人は見たことがありません。

国会議事堂内のポストに投函したハガキの消印

こうしたポストに投函されたハガキや手紙は、ちゃんと届くのか……自分宛てにハガキを書いて試してみました。

結果は写真の通りです。議事堂内、官邸内のポストの消印はいずれも銀座郵便局、円のなかに「銀座」と日付・時間が書かれたもの、囲みのない状態のものがありました。

銀座郵便局には2種類の自動読取区分機があり、投函場所とは関係なく、無作為に消印が使い分けられているということです。ちなみに、これらの集配はかつて東京中央郵便局でしたが、現在は銀座郵便局に移管されています。

一方、国会議事堂の敷地内には国会内郵便局があります。議院郵便受取所を前身とし、100年以上の歴史を持ちます。

郵便局の前にもポストがありますが、ポストではなく、窓口で「風景印」とお願いすると、議事堂の絵があしらわれた「国会内」の消印を押して、送り先へ届けてくれます。未使用のハガキに押印することも可能で、記念として持ち帰る人もいるということです。

ちなみに郵便局前のポストに投函すると、前出の銀座郵便局の消印となります。

総理大臣官邸のポストに投函したハガキの消印

消印……調べてみると、やはりいらっしゃいました、「消印マニア」と呼ばれる方々が。インターネットにはこうした方々のサイトがあり、希少な消印が掲載されています。

前出の国会内郵便局の「風景印」も珍しいですが、例えば東京・有楽町のニッポン放送の隣に道路を挟んだ、ペニンシュラホテル。ここには以前、日活ホテルが建ち、このなかに郵便局の分室があったそうです。当時ここで押されていた消印は、当然にして大変希少なものです。

また、消印の押された“場所”ではなく、新しい切手が発売された日に押される消印も、大変希少なものとされています。これについては郵便局も、特製の台紙に発売日の消印を押したものを販売しており、「初日カバー」と呼ばれています。

消印というのは本来、「郵便切手やハガキなどに記載された額面の価値を無効化するもの」ですが、逆にそれ自身が価値を持つようになるというのが面白いところですね。

国会内郵便局

昨今の郵便物は減少傾向、総務省の情報通信白書によると、2018年度の引受郵便物は約214億個。2013年度に比べて約9億個の減少です。

特に、はがきや手紙などの郵便物は186億個から168億個と、5年前から1割近く減っています。年賀状の配達が例年、減少傾向にあると言われて久しいですが、普段もメールなどの通信手段に押されて厳しい状況にあるようです。

一方、ゆうパックやゆうメールといった「荷物」は、逆に38億個から46億個と、2割以上も増加しています。これはネット通販などの影響でしょう。民間の宅配便なども合わせると、「荷物」の需要はより高まっているとみられます。インターネットによる影響は相半ばといったところでしょうか。

国会内郵便局で押される消印

減少しているはがきや手紙、それに貼られる切手は今後、趣味の一品として、より価値のあるものになるのでしょう。

ちなみに郵便に関する趣味は、これまでにとどまりません。切手収集やはがきの収集はもちろんのこと、郵便局めぐり、変わったところでは郵便配達に使われて来た中古のバイクに乗る「郵政カブ」なる趣味もあるそうです。

鉄道に負けず劣らず、郵便にまつわる趣味も奥が深いです。(了)

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