山と自然のスペシャリスト・橋谷晃〜帰り時間に気を付けなくてはいけない「秋の山歩き」

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に山と自然のスペシャリスト、ネイチュアリング・スクール「木風舎」代表の橋谷晃が出演。秋の山歩きの注意点について語った。

橋谷晃

黒木)今週のゲストは山と自然のスペシャリスト、ネイチュアリング・スクール「木風舎」代表の橋谷晃さんです。秋の山歩きで気を付けなければいけないことはあるのですか?

橋谷)「秋の日は釣瓶落とし」という言葉もあるように、秋の日暮れはとても早いです。春分の日と秋分の日と、これはどちらも日の長さは同じなので、日暮れも同じように思ってしまうのですが、実は秋分の日の方が日暮れは早いです。1年でいちばん日が短いのは、冬至のころではなく、11月の終わりから12月の頭にかけてなのです。日暮れが早いですから、そこは十分に気を付ける。大体午後3時にはすべてが終わって、麓でコーヒーかビールを飲んでいるくらいの気持ちで計画していただければと思います。

黒木)初心者でも最低限揃えなければいけないものは何ですか?

橋谷)大きなものとしては、靴とリュックサックですね。それから雨具。これは揃えた方がいいと思います。この3つが、通常のものとの違いがいちばん出ます。

黒木)靴というと、トレッキングシューズのようなものですか?

橋谷)そうですね。運動靴で歩くよりは、山歩き用のトレッキングシューズの方が滑らないし、疲れないようにできています。雨が降っても染みにくいですし。それから、背負うもの。リュックサックとかバックパックと言われますが、これもいいものとそうでないものとでは、同じ中身でも感じる重さが全然違います。

黒木)入れ方によっても違うらしいですね。

橋谷)軽いものを下へ、重いものは上に、という原則はありますが、極端に言えば、大きな袋に紐を付けて背負うと全部肩に食い込みますよね。いいバックパックとはその逆であると考えていただければと思います。荷重を腰で受けるように設計されているのです。雨具も、いちばん条件の悪いときに自分の身を守ってくれるものですから、これも大切です。天気予報がどれだけ晴れと言っていても、山ではそうとは限らないので、必ず持って行ってください。最近、通販が流行っていますが、やはり専門店、リアル店舗でスタッフのアドバイスを聞きながら購入していただくことをお勧めします。靴も実際履いてみないと自分の足に合うかどうかわかりませんし、バックパックも背負ってみないと、自分に合うかどうかわかりません。ぜひ専門店でスタッフのアドバイスを聞きながら選んでください。

黒木)他にありますか?

橋谷)山の気温は、標高が100メートル上がると、気温は0.6度下がるという法則があります。1000メートルで6度、2000メートルで12度違います。意外に寒いですから、十分な防寒着を用意する必要があります。フリースやダウンなど、いいものがたくさんあります。それと万一のときのライト。夕暮れが早いですからね。途中で足がつってしまって時間がかかってしまった、というようなこともありますので、ヘッドライトも忘れないでください。これもいまはLEDでいいものがたくさんあります。スマホで地図アプリを使う方が多くて、これはとても便利ですし、現在地もわかるのでぜひ活用していただきたいのですが、充電がなくなってしまったらおしまいです。念のため、紙の地図とコンパスも持って行ってください。

黒木)やはり最後に頼るのはアナログですよね。

橋谷晃

橋谷晃(はしや・あきら)/ネイチュアリング・スクール「木風舎」代表

■1982年、ネイチュアリング・スクール「木風舎」を設立。代表を務める。
■山歩きの楽しみ方を教えてくれるネイチャーガイドとして活躍。
■山頂を目指すだけではない、自然を楽しむ山歩きを提案。登山、トレッキング、ネイチャースキー、自然感察プログラムなど年間100回ほどのスクールやツアーを開催。トレッキングとネイチャースキーのパイオニアとして知られる。
■NPO法人自然体験活動推進協議会、NPO法人日本エコツーリズムセンターなど、NPO活動を通して、日本の自然体験の活性化にも尽力。
■NHK・Eテレ『チャレンジ!ホビー・あなたもこれから山ガール』の講師や、テレビ朝日『大人の山歩き』のガイドとしてレギュラー出演するなどメディア出演多数。講演・イベント出演などでも全国を飛び回る。

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